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第42話 ストーカー?(その2)

「あっ、ちょうど空いている席があった」


 仁は空いている席がないか、ラーメンがのったトレイを持ちながら学食の中を歩き回った。学食の席は2人掛けと4人掛けのテーブル席があり、混み合っているときは相席になるため、ボッチの仁にとっては居心地が悪くなる。そのような事情があり仁は学食をあまり利用せず、購買でパンを購入して好きな場所で食べることが多かった。運良く2人掛けのテーブル席が空いているのを見つけ、トレイをテーブルに置き、席の確保に成功した。


「いただきます。ズルズル」


(うっ、やっぱりあまり美味しくない)


 仁は箸を手に持ちラーメンを食べ始めた。学食の味は作っている人には申し訳ないと思いつつ、あまり美味しくないと感じていた。仁がグルメというわけではなく、ほとんどの生徒が同じようなことを思っている。だが、弁当など食べるものを持ってこなければ、購買で過酷なパン争奪戦に参加するか、この学食で食べるしか選択肢がなかった。値段はとてもお手頃で、味の質を上げようとすると価格に反映されてしまうため、ここを利用する学生は、味に文句を言わず仕方なく食べていた。


「兼田クン、相席良いかな?」

「ん? どうぞ」

「ありがと。よいしょ」


 学食内は混み合い、席を探してウロウロしている学生が増えていた。そうなると相席になるため、仁の向かい側の席にも当然のことながら、面識がない人が座る可能性が高くなっていた。仁が座っている席も例外ではなく、女子生徒が相席をして良いか尋ねてきた。


「へぇ、兼田クン、今日はラーメンなんだね」

「そっ、そうだけど」

「私はざるそばにしたよ。私、猫舌だから熱いのは苦手なんだ」


 仁の向かい側の席に座ったのは、同じクラスの女子であった。


「そうなんだ」

「それにしても学食の味って相変わらず不味いよね」

「そっ、そうだね」


 そばを食べながら話しかけてくる女子に、仁はどのように接して良いか困ってしまった。もともと女子は苦手で、今まで会話などしたことない相手であった為、頼子のようにすべてを包み込んでくれるような話しやすさが感じられず、単に返事するのがやっとであった。


「ぼっ、僕、食べ終わったから先に行くね」

「えっ? ちょ、ちょっとぉ」


 仁は居心地の悪さを感じてラーメンを急いで食べて席を立った。そして使用済みの食器を返却し、逃げるように学食を後にした。



(月見里さんは凄く話しやすいのに、やっぱり女子と話すのは苦手だな)


 仁は廊下を歩きながら、学食で話しかけてきた女子について考えていた。同じクラスであるため、顔や名前くらいはわかるが、今まで話したことがない相手であるため、接し方がわからなかった。




「兼田クン、さようなら」

「兼田さん、また明日」

「う、うん、そ、それじゃ」


(うーん、何だろう。最近女子から挨拶されることが多くなった気がする)


 放課後を迎え、仁が帰ろうとするとクラスの女子達が挨拶をしてきた。何とか返せているが、先週辺りからこのような感じで、登校時、下校時にクラスの女子が挨拶をしてくることが多くなった。今まで平穏な日々を過ごしていた仁にとって、それが不思議に感じられた。

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