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第10話 初デート(その6)

「月見里さん、もう1杯頼もうか?」

「さすがにもうお腹に入らないわ。ごちそうさまでした」

「そっか」


(月見里さんが幸せそうにパフェを食べているところを、もう少し見ていたかったから残念かも)


 2杯目のスペシャルパフェを食べ終わり、仁は頼子に対しておかわりを頼むか尋ねた。頼子のお腹は既にいっぱいで、これ以上食べるのは厳しい状態であった。頼子がこれ以上食べられないことを伝えると、仁はもう少し彼女が幸せそうに食べている姿を見ていたいという気持ちになっていた。


「それじゃ、会計を済ませて次のところに行こうか」

「ええ、わかったわ」


 仁と頼子はこれ以上注文する物がないため、次の場所へ移動することに決めた。


「お会計は10800円です」


(兼田君、頼んだわよっ)


 仁は注文した品が書かれた紙をテーブルから取り、レジに向かった。頼子はその後を、仁が無事に支払いができるか不安に思いながら付いて行った。


「では、これでお願いします」

「はい、11000円お預かりします。お釣りは200円です。ありがとうございました」


(ほっ、安心したわ)


 仁が無事お金の支払い終えたのを見て、頼子はホッと胸を撫で下ろした。


「兼田君、この後はどうするの?」

「いくつかプランを考えてきたけど、ショッピングか水族館あたりが良いかなと思うのだけど、月見里さんはどっちがいい?」

「そうね。ショッピングは……ないわね。水族館でお願いします」

「わかったよ。それじゃ行こうか」


 頼子がこの後の予定を尋ねると、仁は予め計画していた2つのプランを提示した。1つは趣味や好みを探るためのショッピングで、もう1つは初デートでは定番とされる水族館であった。頼子はお金の持ち合わせが少なく、喫茶店で仁に多くのお金を出させてしまったため、ショッピングは楽しめないと判断して選択肢から除外して、入場料以外は特にお金がかからないと思われる水族館を選択した。


「えーっと、水族館を経由する系統はっと」

「兼田君、乗り場はここみたいよ」

「ありがとう月見里さん、次は10分後だね」


 この場所から1番近い水族館は、バスで移動しなければならず、仁と頼子はバス乗り場に移動して、水族館を経由するバスが到着する乗り場を探した。



「バスが来たみたいだよ」

「そうみたいね。バスに乗るのは久しぶりだわ」


 仁と頼子がバス乗り場で待っていると、水族館を経由するバスが到着した。


「すみません。2人分をICでお願いします」

「はい、2人っと、はい、どうぞ」


 ピッ


 到着したバスは前乗り、後降り方式で、先に運賃を支払ってから乗車する方式であった。仁はICカードを提示してから2名分と告げて接触器に触れた。そして引き落としが完了した電子音が鳴り、運賃の支払いを終えた。


「兼田君、このカードで支払いができるの? 軽く触れるだけで支払いが完了するなんて凄いわね」

「えっ?」


 仁は当たり前のように交通系ICカードを使用しているが、頼子は初めて見るような視線を送り、それを見ていた仁は違和感を覚えた。


(この地域で交通系ICカードが使えるようになってから結構経つと思うけど、月見里さんって、どれくらいバスに乗ったことがないんだろう?)


 仁の中ではハッキリとした記憶は無いが、この地域で交通系ICカードが使用できるようになったのは、仁や音羽が小さな子供の頃であった。頼子は久しぶりにバスに乗ると言っていたが、子供の頃から使用されていた物を知らないのは変だと仁は思った。一方、頼子の方は、お金を節約するため、バスなどお金が必要な乗り物を避け、移動は基本徒歩であった。頼子が最後にバスに乗ったのは十数年前であった。年代の違いから、久しぶりと言ったときの年数に大きな開きがあったことを、この時点で2人は気付かなかった。

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