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短編集(詩やSSなど含む)

懐かしい記憶の片隅に

作者: 藤谷 K介(武 頼庵)



 本日もK介エッセイにお越しいただきありがとうございます!!


 昨日ですが、仲良し二人が喜多方を訪れてくださいまして、『喜多方と言えば』なものを食べたり、ホッと一息入れるためにコーヒーを飲みに行ったり、そして時間の許す限り創作について談義したのですけど、その創作談議に向かう途中で、とある場所を通過したんですよね。


 過去作の宣伝というわけではないのですけど、あの『ところてん』のエッセイに出て来た場所を今回お二人が通りまして、この場所が――という事をお伝え出来ました。


 その場所については『ところてん』のエッセイをお読みくださると嬉しいです。


 さて今回のお話しですが、上記のお話しをしている時にですね思い出した事というか、その場所自体が更に私にとっては思い出の場所にもなっているので、その事についてちょっとお話をしようかなと思っています。


 お時間がございましたらお付き合いくださいませ。



 今回お二方と訪れた場所の1つが、創作談議をする為に借りた『会議室』なのですけど、我地元にはあまり人が住んでいないという事もあってですね、大きな都市には多く有ると思うんですけど『レンタルルーム』『レンタルスペース』という施設が数えるほどしかないのですよ。


 なので今回はとある施設の中にある『会議室』を借りたわけなのですが、実はその施設自体が昔からそこに有ったというわけではなく、私が小さい頃のその場所は『大きな川』でした。


 高校生くらいになった時には埋め立てが終盤で整備されていて、川だったという風景は無くなってましたね。


 そんな場所なのですが、川を埋め立てられた後に何が出来たかと言いますと、色々と公共施設が出来上がったんですよ。


 ちょうどその当時にですね『国体』がありまして、県内各地で行われる競技に向けて整備が進んでいたんですが、我が町もまたその競技の1つが施行されるというのでそれに合わせて施設が出来ました。

 私が住んでいる街(市)には所謂『箱』と呼ばれる施設が少なかったのです。


 そんな辺鄙な市なので、新しい施設が出来るって嬉しかったですね。

 今回お世話になった『会議室』の道路を挟んだ向かい側に市が管理する大きな『体育館』ができ、そのすぐ横に公園が出来ました。

 少し離れた所に球場が出来まして、そのまた隣に小さな広場が整備されたんです。


 ――と、ここまでが前振りですね。(笑)

 長いって? それはすみません……。


 今回のお話の内容はここからですよ。


 懐かしい思い出が蘇ってきた私には、更に苦労した思い出も有るんです。


 それがですね、この体育館横の公園と、球場までの間の土地の事。


 実の所、我が街には小さいながらも野球場はあったんです。しかしですね以前から私と親交がある方はご存じでしょうけど、私がしていたサッカーが出来る『場所』は無かったんですね。


 整備が進んで数年と経ちまして、私も色々な事があり、地元でサッカーチームを立ち上げて活動していたわけですけど、練習場所も試合する場所も学校のグランド等を借りて行うのが常。


 これではいかん!! と当時地元の社会人サッカー協会に所属する方達が立ち上がりまして、『サッカーの試合が出来るグランドが欲しい!!』と声を上げます。


 サッカー協会(全クラスの)の主導の元、グランドが出来れば色々な競技が出来るという事で、他のスポーツ協会との連携を図り、市へ提言。


 すると市から『では空いている場所(公園と野球場の間)をグランドへと造成しましょう』と認可が出ます。しかしですね同時にこうも言われます。『ただし造成するにあたりお手伝いをお願いします』と。



 そこから昔の映画『フィールドオブドリームス』の様な展開になります。


 空いているとはいえ、多少の運動やスポーツ(ソフトボール等)は出来るようになってはいたんですが、それ以外の場所はもう普通にボーボーと伸び放題の草むら状態。(笑)


 それをサッカー協会の方や他の協会関係者の方々で、まずは草刈り機を使いつつ除草して行きます。元々農家が多い土地柄なので草刈り機は皆さん持っておられるので、割と台数が集まりまして順調に除草は終わりました。


 広さにするとですね、サッカーグランド1面半が余裕でとれるくらいはあるんですが、サッカー以外にもスポーツが出来るようにという事で、出来る限り広い範囲で草刈り等が行われました。(陸上400mトラックがすっぽりとはいるくらいですね)

 

 草刈りの後に行われたのが、地獄の石拾いです。(笑)

 いやぁもう本当に地獄でした……。拾っても拾っても無くならないし、そのうちまた草は生えてくるしで、人海戦術を用いて毎週土日は試合や練習が無い方々が集まってグランド整備のために汗を流しましたね。


 その甲斐があって数か月後(ほぼ1年後かな)にはけっこうな広さが確保できまして、まずはメイン協会のサッカー協会がゴールを数基用意します。それと同時に道具をしまう小屋(プレハブ)を設置しまして、ようやくサッカーが出来る状態になりました。


 この出来上がった年からは、このグランドがサッカーの試合が出来る専用的なグランドに『名目上は』なったんですね。


 その後ですが、前述したとおりに『国体』が県内で行われることになって、その練習場所の一つとして市が整備を進めます。


 え? どういう事? 俺達の努力は?


 とも思いましたけど、その整備のおかげでですね、多種目が出来るようなグランドへと変貌を遂げていきます。


 まずは雑草が生えない様にと土の入れ替えが行われ、入れ替わった土の上には芝の種が蒔かれました。同時進行でサッカーが行われるグランドの周囲にはしっかりとした陸上種目が出来るようにトラックが整備されて行きます。

 もちろんしっかりとした土じゃないトラックですよ。


 で、四隅にはソフトボールが出来るようにとホームベースとネットが張られ、グランドの周囲にも防護ネットが張り巡らされます。


 皆様がご存じがどうか定かではないのですが、県内では割と知れている事の1つが『駅伝』に力を入れているという事なんですよね。毎年県市町村対抗駅伝が行われてまして、その大会には中学生~社会人までが出場するんですが(県内出身者がエントリー対象)、その大会へ向けた練習時間の確保のために、ついにはグランドの周囲にナイター照明が付きます。

 そしてそれまでは無かったグランド周囲の観客席の設置も同時期に行われまして、今現在目にすることが出来るグランドへと、ただの草むらだった場所が変貌を遂げたのです。


 始まりは数人が声を上げた事だったんですけど(実はその数人のうちの一人が私です)、皆さんのご協力の元で成し遂げた一事業でしたね。

 人力ではさすがに限界がありまして、内情的にはですね建築業に就いておられるチームメイトなどのご協力で重機も幾度か投入していただいたり、一日の作業の終わりには皆でBBQしたりと、苦しい事ばかりではなく同時に楽しい時間を過ごす事が出来たのが今でも思い出されます。



 今ではその場所は自分たちの子世代や孫世代が、体を動かし汗を流せる場所へとなりました。


 あの時にしてきた事もまるで無駄じゃなかったと、後世に実のあるモノを残せたんだと、当時尽力してくださった方々の顔を見ることが有るのですが、皆さん良い表情をしながら語ってくださいます。


 

 お二人にはこのお話の触り部分しか語れなかったのですが、そういえば――とお二方と離れ一人になって思い出を振り返ってみました。


 今回長くなってしまったので、この辺で思い出もまた隅にでもしまっておきます。




 

 

 

御読み頂いた皆様に感謝を!!


 またまたお二方とお会いしたという報告を兼ねたエッセイですが、思い出の場所を通った時に語れなかった内容をお届けしました。


 リアルフィールドオブドリームス的な内容ですが、当時は全く気にせずに自分たちの為、そして自分達の後の人の為にと動いていただけなのですが、あの時行動できて今では良かったなと思います。

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※作中に出て来た『ところてん』のお話しはこちら ↓
夏になると思い出す。プール帰りに食べた懐かしいあの味……
― 新着の感想 ―
地元の為に何かをしたくなる気持ちが、とっても共感できます。実際に行動に移せるというのが庵さんの素晴らしさで、、、と続けてしまうとベタ褒めになってしまいそうです。でもそういうタイプの人に町を案内していた…
いいお話! 地元に貢献したんですね!  その成果が、普段自分で確認できる場所にあるというのも、うらやましいです。思い出が色あせずに残りますもんね。 おふたりとまた会ったというのも、ちょっと驚きました…
おお、こういうのもずっと同じ土地に根付いていればこその体験ですね。 引っ越しの多い人生だったので、眩しいです(^.^;
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