紛らわしいんだよ
「お腹減ったな」
僕は通学路の帰り道で空を見上げて呟く。
今日は家に琴波ちゃんが夕飯を作りに来てくれる。
何作ってくれるんだろう?
ハンバーグかな?オムライスかな?琴波ちゃんが作ってくれるなら何でも嬉しいけど。
「久々に花音ちゃんの天津飯も食べたないなぁ」
僕は家の近くのコンビニに寄って飲み物を購入する。
「ただいま〜。まだ、琴波ちゃんも母さんも帰って来てないか....」
僕はまだ誰もいないことを確認して部屋にカバンを置きに行く。
「メールしてみるか」
待てよ?何で、カギが開いている??泥棒が入った形跡もないよな。
「つまり、どこかに琴波ちゃんがいるのか?」
いや、花音ちゃんも有り得る。母さんは、無いな。
「よし」
僕は家の中を散策し始める。
「有り得るのがクローゼットの中とかなんだよな」
僕は勢いよくクローゼットを開ける。
誰もいないクローゼット、ただのクローゼットだった。
「じゃあ、どこだ?」
僕は頭を抱える。
「風呂かな?」
僕はとりあえずメールをすることにした。
返信は直ぐに返ってきた。
え、二人ともまだ大学?!ってことは母さんが風呂入ってるだけか....
「紛らわしいんだよ」