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Red brick story~赤レンガの青春~  作者: 佐久間五十六


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即戦力として

 部隊に配置されてからも、手取り足取り教わなければならない幹部自衛官は、即戦力とは呼べない。勿論個人差はあるだろうし、何よりも部隊毎に仕事が全く違う。その仕事に慣れるだけでも一苦労な訳であるが、幹部自衛官になると言う事は、部下の模範になるような人間であり続ける必要性が出てくる。よく、「示しがつかない」と言う言葉が使われるが、まさにそれである。

 これから部隊配置を、控える幹部候補生には酷かもしれない。しかし、若くして部下の命を預かる意味を、部隊を率先垂範で率いる事の意味を幹部候補生は考えねばならない。そして、幹部候補生課程の一年間は、その為にあると言っても過言ではない。

 初めから100%をやれとは言わない。だが、なるべく早い内に100%を越えるパフォーマンスが出来る様な人間を目指す事で、即戦力として部隊の中の人間から信頼される事にも繋がる訳である。一歩間違えれば、大量の人間を殺してしまうほど、現代兵器は強力である。ボタン一押しで、何千何万の人間の命を奪う事にもなりかねない。

 そういった脅威から身を守るのが、自衛隊の役目である。イージス艦に配置されれば、弾道ミサイル対処の為に日本海や太平洋に何度も展開し、長期間の洋上生活を余儀なくされる。潜水艦に配置されれば、上陸するまでに風呂に入れないどころか、厳しい取水制限も行われる。無論、海上自衛隊にも多数の職種があり、活躍のフィールドは多数ある。

 いずれにせよ、幹部候補生課程を修了した者は初級幹部自衛官として任官する。上官に言われる事なく、どの職種についたとしても、直ぐに活躍するのが、真の幹部自衛官である。成長には一定程度の時間がかかるが、幹部候補生にはその様な時間的余裕はない。目指すは部隊配置から3か月以内に一人前になる。と言う決して低くないハードルを設定する事で、部隊での存在意義を高めると言う目標も大切な事である。

 帝国海軍の時代には、海軍兵学校出たての少尉は新品少尉と言われ、バカにされたこともあった。今も恐らく、新品三尉なのかもしれない。そう揶揄されない様に幹部候補生は努力しなければならない。

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