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Red brick story~赤レンガの青春~  作者: 佐久間五十六


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座学

 心技体が揃ってこそ横綱たる力士として充分な資質があると言われる。幹部自衛官もそれと同じ事が言える。バランスがとれてこその幹部自衛官である。そんな幹部自衛官になる為には、座学が欠かせない。勿論、赤レンガでもそれはある。

 厳しい訓練の間に行われる為、睡魔との戦いだ。勿論、居眠りが見つかれば、赤鬼や青鬼のしごきが待っているから、うかうかしていられず緊張感はMAXだ。しかし、生理的な反応である睡魔をコントロールするのは、個人差はあるが工夫が必要となる。

 無論、これも訓練の一貫であり、幹部候補生達の眠気など計算済みであり、眠気をコントロールする技術は、海上自衛隊の幹部になるつもりならば必須の能力であるだろう。

 座学は、必要な知識を得るものであると言う事は、頭で分かっていたとしても、慣れるまでは板書を写すだけで、精一杯である。まぁ、それが最初から出来れば大したものである。それ程海上自衛隊幹部候補生学校の教練はハードなものである。幹部自衛官になると言う事は、つまり部下よりも知識のある人間にならなければならない、と言う事なのである。

 部下よりも海上自衛隊の事を知っていなければ、幹部自衛官としては失格だ。と言うより、部下になめられる。面子も丸潰れである。そうならない為にも、例えどんなに疲れていても、座学をおろそかにしてはならない。

 また、赤レンガでは、留年や退学は基本的に無い。犯罪を犯すような事でもない限り、普通にしていれば1年で部隊配置となる。それでも一応卒業席次(ランキング)が決定され、それが少なからず卒業後の出世に影響すると言う伝統がある。帝国海軍の時代はハンモック・ナンバーと呼ばれていた。勿論、海上自衛隊では表向きはハンモック・ナンバーは廃止した事になっているが、そもそも赤レンガも元を辿れば帝国海軍にルーツがある。

 その為、帝国海軍の伝統は今も色濃く残っている。その風習や習わしが何の疑いもなく、実行されている事があっても、何の驚きも無いのだ。海野も、座学は大嫌いだったが、そうは言ってもちゃんと勉強していた。

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