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Red brick story~赤レンガの青春~  作者: 佐久間五十六


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己の身分

 赤レンガ在学中の幹部候補生は、階級上は「海曹長」として扱われる。防衛大学校学生の時と異なるのは、幹部候補生と言う名のれっきとした自衛官であると言う点であろう。当然、命令が下れば"海曹長"として現場で、活動する事になるであろうし、国家の一大事ともなれば、赤レンガ在校生も立派な戦力になるだろう。

 己の身分をきちんと把握しておく事は必要である。「海曹長」と言えば、下士官最上位の階級であり、普通は下士官・兵から少しずつ進級したベテランが務める事が多いが、若くして"海曹長"になれるのは、赤レンガの幹部候補生だけである。

 海上自衛隊において、幹部になるためには体力と知力が必要である。海上では様々な事が起きる。それに対処する為には、知識としてどんな事も知っておく必要がある。そのベースの部分があってこそ、海上において己の力を発揮する事が出来る様になる。

 海野にとっても、そこは押さえておくべき重要な事だと分かっていた。幹部自衛官に確実に乗れる赤レンガの在校生とは言え、無能なまま幹部自衛官になって恥をかくのは自分であるし、迷惑を被るのは国家であり、上官や部下である。無能な上官程達の悪い人種はいない。そのような類の事を言われない為にも、幹部候補生たる者の心得をきちんと学んでおく事は、無駄にはならない。

 無駄にはならないどころか、その知識を活かして部下を率いてこそ、有能な幹部自衛官でいられる。己の身分をわきまえて修練を積む場が、この赤レンガ(海上自衛隊幹部候補生学校)と言う場所である。幹部自衛官として、これから部隊に配置される為には、どの様な事をしておくべきかと言うノウハウもある。その上伝統的な海軍士官たる者の心構えに関しても、充分な情報量がある。

 これらを活かさない手はないし、1年間と言う短期間だが、のんびりと腰を据えて落ち着いて学べる機会は、この時期以外にはない。それが分かっているか否かで、良い幹部になれるか決まる。

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