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Red brick story~赤レンガの青春~  作者: 佐久間五十六


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やりたいこと

 海野は、海上自衛隊でやりたい事があった。それが海上自衛隊志望の第二の理由であったのだ。イージス艦配属になり、日本をミサイルの脅威から守ると言うのがそれだ。

 最近の若者は皆等しく艦艇勤務を嫌がる傾向にあるが、海野は違った。海上自衛隊の花形であるイージス艦こそ、自分のやりたい事が詰まっていると考えていた。

 例えスマホの電波が届かない大海原であっても、何週間も地上に戻れなくても、である。大体やりたい部隊と言うのは、個人差のあるもので、人それぞれ違って当たり前だ。中には、潜水艦にいる。乗りたいと志願する変わり者もいる。かと思えば航空機(哨戒へりやp-1)に乗り組みたい人もいる。補給艦に乗り組みたいという人もいる。

 いずれにせよ、希望は聞かれるが参考程度で、こればかりは上の判断に任されているため、どうしようもない部分はある。それでも、自分のやりたい事が明確な人間は、成長が早い。一番駄目なのは何をやりたいのか明確な目標が無い人間だ。そう言う人間は、いつまで経ってもフラフラする。当然それは、出世にも影響がある。

 とりあえず、この赤レンガにいると言うことは、現状では幹部への最短コース上にいる。だが、この赤レンガを出てからもトントン拍子で進んで行くためには、自分が何をやりたいか決める事である。勿論、本意にそぐわない配置を任せられる事もあるだろう。それでも、それが自分に与えられた運命だと割り切れれば、そこで花が咲き出世する。出世が一番の目的になっては本末転倒であるが、自分が何をやりたいかをしたいかと言う事は、今後のモチベーションにもなる。

 よく、自衛官は憧れだけでは勤まらないというが、それは他の仕事も同じである。憧れよりも、そこにある現実の厳しさにこそ、本当のやりがいがある。その境地に達する事が出来れば、本物だろう。

 やりたい事を見つける。そんな簡単な事さえ決められないのならば、まずはそこからがスタートである。それが終わり次第、自分がそれを実現する為には何をすれば良いか考えるフェーズに入る。成功の合否に関わらず、大切な事は確かだ。

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