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Red brick story~赤レンガの青春~  作者: 佐久間五十六


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遠洋航海②

 遠洋航海のルートは、4つある。

 ①世界一周コース

 ②太平洋コース

 ③北米コース

 ④南米コース

 となっている。前日、港外泊、当日、早期入港のいずれかの方法で練習艦隊は外国の港に入港する。一番人気は南米コースである。理由はその景色にあると言うが、それは見た者にしか分からないものだろう。

 遠洋航海とは言え、その中身は実習訓練であり、この遠洋航海を終えれば、新任幹部として、各艦船・各部隊に配属されて行く。その部隊配置されてから即戦力として、使い物にするようにするのが遠洋航海を任された練習艦隊の教官の仕事である。だから、修学旅行感覚だと痛い目に合うという理由はそこにある。

 当然、国費(血税)で遠洋航海は行われる。毎月の給料もボーナスも出る。実習幹部自衛官は、その事をきちんと理解せねばなるまい。最も狭き門を潜り抜けたエリートなら、言われる迄も無いだろう。

 航空機全盛の海軍だが、日本の海上自衛隊の主力はあくまでも艦船である。航空技術の発達により、航空海軍等と言われる昨今の海上自衛隊だが、それでもまだまだ水上艦船による戦闘の主役は艦隊である。練習艦隊で学ぶのは、その為の基本技能である。既に船に乗っている人間もいるかもしれないが、遠洋航海の一番の目的は何と言っても操艦技術の修得である。

 船乗りが船に乗れないのが一番ダークジョークである。最も全員が船乗りになるわけではないが、自分には関係無いと修学旅行感覚で遠洋航海を過ごすと、練習艦隊の先輩幹部自衛官から滅茶苦茶怒られる。

 「国家の安全と国民の生命を預かる組織の、幹部自衛官幹部が、かような意識の低さであっては困る。例え、どの様な配置に着くとしても、この遠洋航海は赤レンガを卒業して最初の任務である。任務遂行に理由を求めるなど、天狗になるのも良いところ。任務をきちんと遂行出来る能力とそれだけの地位の人間なら、話は別だが。ケツの青いひょっこが、長年の海上自衛隊の伝統訓練を否定するなど、100年も1000年も早い。」

 こうして赤レンガを卒業した新任幹部自衛官達は、遠洋航海を終え、晴れて新米幹部自衛官として現場に配置されるのであった。

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