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Red brick story~赤レンガの青春~  作者: 佐久間五十六


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遠洋航海①

 練習艦隊は、旗艦「かしま」と随伴艦2隻の合計3隻で編成される。練習艦は、35から始まる4桁の番号を持っている。この練習艦に乗って遠洋航海に出て、正式な海上自衛隊の幹部自衛官になる。行ってみれば車の免許を取る時の卒業検定の様なものである。

 しかし、車の免許を取るのと違うのは、他に多くの仲間がいるという事である。力を合わせて荒波を乗り越えて行く。幹部候補生学校で学んだ事が試されるの場なのである。当然新米幹部自衛官だけでは危険な為、現役の先輩幹部自衛官も乗船している。学ぶ事は沢山ある。修学旅行感覚で行ってしまうと、痛い目を見る事になってしまう。

 練習艦とは言え、武器・兵装はきちんとある。軍艦を操艦する練習艦なのだから、当たり前と言えば、当たり前なのかもしれない。実習幹部の証として、臙脂のスワードワンキャップが与えられる。この帽子こそ、実習幹部の何よりの証である。

 練習艦隊の任務は海上自衛隊の部隊では、唯一領海防衛を第一としていない。外洋を回ったり遠洋航海をして、現場部隊の幹となる、幹部自衛官育成の為の艦であり、艦隊である。海上自衛隊の部隊に所属していながら、領海防衛を主任務としないのは、練習艦隊と南極観測船しらせだけである。

 例え、主任務が領海防衛ではなくとも、幹部自衛官の育成は、必要なファクトである。練習艦隊が無ければ、新任幹部自衛官はいきなり現場にぶちこまれる事になる。それでいい人材もいるかもしれないが、基本的にいくらエリートでも、少し位の実習は必要である。無論、現場で学ぶ方が遥かに多い事は事実である。それでも練習艦隊を保有しているという事は、それだけのノウハウと実績のあるシステムとして、考えられたものであり、戦後から脈々と受け継がれてきた伝統である。

 練習艦隊を幹部候補生課程の最後に持って来るのは、海上自衛隊誕生以来ずうっとやって来た事であり、日本が島国である以上、海上実力組織の存在感はいつの時代も必要だろう。練習艦隊はその幹部養成の総仕上げなのだ。

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