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Red brick story~赤レンガの青春~  作者: 佐久間五十六


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人気のコース

 一年間の幹部候補生課程を修了し、幹部候補生学校を卒業すると、いよいよ部隊に配置される。その配置で人気のコースは、航空部隊(P-1等の哨戒機)やヘリコプターパイロット(SH-60J)や、各種艦艇、潜水艦、補給艦、地上(おか)勤務、等が人気のコースとなっている。

 だが、必ずしも希望した配置に着ける訳ではない。希望はとるが、あくまで卒業後の進路を決めるのは、防衛省の海上幕僚本部や、人事権を持つ上の人間であり、需要と供給が一致して初めて希望したコースに行ける。

 希望通り行ける事もあれば、希望とは違う部署に行く事もあるが、これは何とも言えないのが現実だ。いずれにせよ、配属先では幹部候補生ではなく、新米幹部として、部下を率いる立場にある。経験がないから出来ません。分かりません。で通用する世界ではないのだ。分からない事は自分より階級が上の人間に積極的に聞く。出来ない事は工夫と努力で出来る様にするしかないのである。

 近い将来、幹部自衛官として大きな責任を担うかもしれない人間が、そんな事では困る。日本の海を守る最後の砦として活躍するなら、分かりません、出来ませんは禁句である。任務に着けば勿論出来ない事や分からない事に遭遇する事だろう。

 しかし、それをどうやって乗り越えるかと言えば、乗組員(部下を含む)や同僚と乗り越えるしかないのである。どんな困難も乗り越える術を赤レンガでは、学ぶ。勿論、現場では学校では習わない想定外の危機も当然あるだろう。だが、上の人間がおろおろと頼りなくしてしまっては、下の人間も困ってしまう。

 いつでも堂堂としていられる心の強さも幹部自衛官には必要なスキルである。幹部候補生と幹部自衛官では天と地の差がある。責任を含めて何もかもが違う。出世は確かに早いかもしれない。しかし、若くして責任を沢山抱えると言う事は、決して楽な事ではないし、多くの悩みや苦しみもある。

 きっとこれまでに若くして幹部自衛官になって行った幹部候補生達は、同じ様に悩み苦しみを乗り越えて立派な幹部自衛官になって行ったのだろう。例え自分の意志にそぐわない事があっても、それを受け入れて乗り越えて行く。海上自衛隊の幹部に成る事を許された、その誇りを持って任務にあたればきっとどんな困難も負けずに立ち向かえるはずである。

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