日本を取り巻く環境②
兵器輸入額トップ5のうちアジア4ヶ国がランクインしていて、軍拡競争はとどまる事を知らない。日本も輸出は法律で禁止されているため出来ないが、輸入額は世界第11位となっている。自国で兵器を生産しても、武器輸出三原則にのっとり、日本は自国の防衛の為にしか武器を利用出来ない。
それが良いか悪いかは別にして、日本の安全保障を取り巻く環境というものは、決して楽観視は出来るものではない。そんな中にあって、戦後の日本の安全保障の中核を担って来たのが、日米同盟である。そして、日米同盟の現場レベルの繋がりで最も密接に関係してきたのが、米国海軍と海上自衛隊である。恐らく陸上自衛隊や航空自衛隊よりも、相互補完関係を成立させている部隊は海上自衛隊以外には見つからない。
言うまでもなく米国海軍は世界最大の海軍である。近年には中国海軍に押され気味だが、日本海軍を大平洋戦争で打ち破ってからは、最強の座を他国に譲った事はない。戦前は米国と英国に次ぐ海軍大国だった日本を戦後は上手く利用した。極東地域における米国海軍のプレゼンスは、飛躍的に増加。日本における米軍の存在意義が増した。
米国に取り込まれた事によって、結果的に「赤化」つまり共産化される事なく、資本主義陣営の中に組み込まれた。東西冷戦が終わり、今度は次なる驚異として様々な矛盾が世界各地で噴出。米国や日本はテロ対策の為の戦争に身を投じた。
戦後初となる中東のジブチに、海上自衛隊は基地をもうけ、海賊対策に一役かっている。日本を取り巻く環境は、何度も言う様だが、楽観視は出来ない。それでも、日本がわずかな戦力で日本を防衛出来ているのは、米軍のプレゼンスが大きい。確かに日本の自衛隊も抑止力の一端を担って頑張ってはいる。だが、米軍がもし仮に日本から撤退し日米同盟を解消する様な事態にでもなれば、それは国防戦略を一から見直し、日本の力だけで守れる様な体制を構築せねばなるまい。
しかしながら、その可能性は決して現実的なものとは言えない。現状中国に対抗する為には、日米同盟は一枚岩である必要がある。だが、最悪のケースを考えて動く事の重要性を日本人はしっている。備えあれば憂いなしである。