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Red brick story~赤レンガの青春~  作者: 佐久間五十六


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赤鬼・青鬼

 海軍兵学校の精神を受け継ぐ事が、海上自衛隊幹部候補生学校では強く意識されている。それが最も現れているのが、「赤鬼、青鬼」と呼ばれる教官の存在である。海上自衛隊幹部候補生学校の訓練や、教育の上で欠かせない独自のシステムが、この「赤鬼、青鬼」の二人の教官である。

 かつての海軍兵学校は四年制で、下級生の指導を上級生が行った。しかし、現在の海上自衛隊幹部候補生課程は一年間で卒業と短く、先輩・後輩の関係が無い。その為、4期先輩にあたる幹部2名、それもクラスで2、3番手位の実力若手幹部と優秀な人材が派遣されて、かつての上級生の役割を担う事になっている。

 その指導は実に厳しい。相撲の世界で言われる「兄弟子と言う字は無理偏に拳骨と書く。」という様なものに近いものとされ、あらゆる場面で目が光り、怒声が飛ぶ。ただし海軍兵学校では鉄拳制裁が行われたが、今の海上自衛隊幹部候補生学校では、鉄拳制裁の代わりに腕立て伏せや、グラウンド何周と言ったペナルティーが厳しく課される。しかも、一人のミスは全て連帯責任になる。

 これは、部隊を率いる幹部なら理にかなっている訓練とも言える。と言うのも戦場や訓練で、現場のミスは全て上官が、責任を取らなくてはならない。これは、何も自衛隊に限った話ではない。しかしながら、戦場でミスをする事は命取りに成りかねない。従って民間会社で平社員がミスをするのと必ずしも同列には、出来ない。

 仮にも国民の税金で賄われている艦艇や装備なのであるから、その自覚が無ければ、海上自衛隊の艦艇に乗る資格はない。そのような強い責任感を養うのが、幹部候補生学校(赤レンガ)の役目なのだが、いかんせん一年間しか無いと言うのは短すぎるのかも知れない。

 しかし、現状においては、学びきれ無かった事は部隊でやる以外に方法は無い。幸いにして日本の周辺の情勢は不安定であるものの、一触即発と言う様な危機的状況には、ない。このくらいの不安定さが陸海空各自衛隊の隊員には、最適なのかもしれない。しかしながら、いつ何時状況情勢が一変するかは分からない。そうなった時の為の訓練で、ある。

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