予知夢と時空移動
目指せ!K高校!
毎日毎時間勉強勉強勉強!!!
晴れて合格。明日は入学式。真新しい制服を準備して、豪華な夕食を家族と食べて、「おやすみ」
を言った。
夜中。
鏡を見ながら、この先、一生、こんな感じで過ぎるのか?!息つく暇もない、灰色の人生。
「ぼくは、死のう」
ここで終止符をうつんだ。
丈夫なロープで首を吊った。
☆
目指せ!K高校!
でも、たまには遊ばなきゃ。テレビゲーム面白くて舞い上がっちゃうぜ!
あ~あ、不合格。
第二志望のN高校を滑り止めで受けててよかったー。明日から通うんだ♪
その夜夢でK高校に合格したのをみた。青ざめて気力のなくなったぼく。首に残る嫌な感覚。
「うわああああ」
飛び起きた朝。首にロープの跡がうっすらと残っていた。
「ぼくは、今度はうまく生きていくんだ」
両手を見つめる。ぼくの手。生きる!
ぼくの中でもう一人のぼくがにんまり笑った。