リクエスト 紫耀信者の誕生
巫女会長視点で行くぜよ
私が初めて紫耀様をお見かけしたのは四花村についた時だった。
村の陰陽師達と何かを話しているのを遠目で見ただけ。
顔もよく見えなかったから、特に気にせず宿に向かったあの時の私を締め上げたい。
次にお見かけしたのはレイドボスと戦っていた時。
紫耀様はふらりと表れたかと思ったら、レイドボスを瞬殺して去って行った。
参戦していたプレイヤー達はざわついていた。
隣にいたNPCが「紫耀様」と小さな声で呼んでいたのを聞いて、初めて紫耀様のお名前を知った。この時も私は紫耀様の顔を見ていなかった。くそっ
あの時はまだ憧れの対象だった。
信仰の対象になったのはそのしばらく後。
あの時、紫耀様がPK達に囲まれていて、私は「彼が倒されてしまう」と思った。
彼がプレイヤーだったら、倒されても装備品かアイテムをドロップして街に戻るだけ。
でもNPCだったら?
あの頃はNPCもリスポン出来ると知らなかったから、私はとても焦った。
でも大丈夫だった。
紫耀様は一瞬でPK達を切り伏せたの。
刀を鞘に納めて、PK達のドロップ品を無機質な目で見やった紫耀様を見て、「あぁ、この人はとても強くて美しい。」と思った。思わずスクショした。
それからだったわ。憧れの感情が信仰になったのは。
勢いのままファンクラブを作って回りに布教して、信者スレも立てた。
「信仰」スキルもとって、対象を紫耀様にした。
そしてずっと紫耀様のファン兼信者一号として、他のファンや信者をまとめてきたつもり。
マナーのなってないファンを取り締まるのは少し大変だった。
しかし
「紫耀様が……結婚……」
おそらきれい
紫耀様もきれい
そんな事を考えながら、私は紫耀様のお屋敷の前に転がるのだった。




