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第63話 受け取りと扱いと行き先と

 翌日、朝食を取り終わったと同時に団長が部屋を訪れた。

 昨日は夜遅くまで後処理に追われていたために休む暇がなかったのだろうか。表情からは疲れているということが読み取れた。


「ある程度落ち着いたために国王様が話したいそうだ。来てくれるか?」

「わかりました。俺だけでいいでしょうか?」

「ああ。出来ればレイだけで――」

「待ってください! あたしも行きたいです!」


 団長の言葉を遮るようにメルクールが付いて行くと言う。全員の目がシュティアに向く。

 だがメルクールはじっと団長の方を見ていた。


「別に問題はない」

「ありがとうございます!」


 メルクールが嬉しそうにお礼を言うと、すぐさまメルクールは指輪型のアイテムボックスの中に入れてあるコートと仮面を取り出す。

 俺もインベントリから2つを取り出してすぐに身に着ける。思い出したためにシュティア達に尋ねる。


「付いてこなくていいか?」

「……いい」

「私も別にいいです」

「私もいいわ」

「そうか、わかった」


 ヴェーヌとウーラの返事はある程度予想で来ていたが、シュティアが付いてこないのは少々驚いた。


 俺とメルクールの準備ができたことを確認した団長が部屋を出ていくので、そのあとを俺とメルクールも付いて行く。


 しばらく歩き、1つの部屋につく。団長がノックをするとすぐ返事が返ってきた。

 団長が扉を開いて入っていくので俺とメルクールも着いて行く。


 部屋は小さかった。部屋の奥に窓があり、その前に椅子と机がある。椅子には国王が座っており、こちらを見ている。

 そんな姿を見ていると、ここが乗っ取ったレールン王国王都にある城だと忘れてしまいそうだ。


 部屋の中央には長椅子が2つ、机を挟むようにして向き合っていた。

 左右の壁には本棚と絵があり、床には赤い絨毯が敷かれている。


「国王様。ゼロを連れてきました」

「団長、ごくろう。レイはそこに座ってくれ。もちろんもう1人も座って貰って構わない」

「失礼します」


 この場にいるのは国王と団長、それに俺とメルクールだけだからなのだろう。国王は団長と俺に声をかけながら長椅子に向かうと座った。団長は国王の隣に座り、懐から巻物を取り出した。きちんと筆記するための辺のような物も持っている。


 俺は国王の向かいに座ると、隣にメルクールが座る。もちろん仮面を取ることは忘れない。


「さて。まずは感謝を伝えないとな。こちらについて貰い感謝する」


 国王は軽く頭を下げた。こういう時、ヴェーヌがいたら楽だったが、いないのでどうすればいいかわからない。俺は黙っておくことにした。


「さて、本題に入ろう。今日呼んだのは、いろいろと尋ねたいことがあるからだ。――といっても別に硬くならなくていい」


 国王が真剣な表情だったということもあり、自然と俺の背筋が伸びた。

 そんな俺を見てか、国王は苦笑いを浮かべる。だがそれもすぐに真剣な表情に戻した。


「真っ先に聞かねばならないのは旧レールン王国女王についてだ。団長から逃げられたことは聞いている。状況を詳しく教えてくれ」


 俺は女王と話した内容とどのようにして逃げられたのかを詳しく話した。国王はそれを頷きながら聞き、団長はメモのような物を取っている。団長がメモを取っていると言うことで、書き漏れを起こさないよう俺はスピードを気を付けて話す。

 ひと通り話すと、国王は何やら考え始めた。


 しばらくして、国王が口を開く。


「団長。どう思う? 遊んでいるような節がないか?」

「ええ。確かに力押しのように思えました。やはりレイが言っていたように、女王は楽しんでいただけでしょうね」


 国王と団長が意見交換を行う。やはり力押しが目立っていたようだ。俺にはわからない。

 こういう時、妹の怜がいれば楽だがな……


「レイ。1つ頼みがある」

「頼み……ですか?」

「ああ。日本人を尋問してもらっても構わないだろうか?」


 俺がのんきに考え事をしていると、国王に話を振られた。

 尋問か。これまた厄介そうなものが来たな。やりたくない。


「何を聞き出したいのでしょうか?」

「聞きだしてもらいたいことは日本人関連だ」


 まるで出来る人のように尋ねてしまったが、尋問なんてしたことがないので出来るか分からない。不安しかない。

 だが国王は俺の内心を知らず、ほっとしたような表情になり話し始めた。


 国王が聞きだして欲しいと思っていることを簡単にまとめると、以下の通りになる。


 1つ目は、他の日本人の行方。今後、今捕まえている日本人を取り戻しに来るとなった時、どの方向から来るかある程度予想を立てるため。

 2つ目は本当に帰る意思があるかどうか。これを聞きださないことには少々困るとのこと。


 思い当たる情報があったので、俺は答える。

 尋問が不要になってくれと願いながら。


「この世界に来たのが、およそ550人です。そのうち戦争に参加したのがおよそ100人。肝心の残る450人は隣国に逃げたと日本人の1人が話していました」

「それは本当か?」

「はい。ただ隣国と言っていただけなので、どの国かはわかりません」


 どの国を差しているのかがわかればもう少し楽だっただろう。

 ついでに帰る意思があるかどうかについても話しておこう。


「帰る意思ですが、大半の者は帰る意思があると思います。彼らにも家族がいるので。それにここに来た当初は大半の者が帰りたいといっていました」

「そうか」

「ただ、残ろうとする者もいるかと……」

「なぜだ?」


 俺がつぶやくように言った言葉を聞いた国王が尋ねる。

 俺は答える前に、日本にあった本――異世界に転移する小説の話をする。


 この世界とよく似た世界に日本人が飛ばされる。そこで特別な力を手に入れた日本人がハーレムを築く。最後には魔王と戦って勝ち、世界を救い、最後には日本に帰るというもの。

 そして一定の人にとって、それは現実になって欲しいと願っているものであることを話す。


「つまり、この世界に来た日本人にとって今の状況は手放したくない状況だというのか?」

「全員ではありませんが、少なからず手放したくはない人がいるでしょう」


 俺が説明を終えると、国王がため息をつく。

 まあ帰る手段を見つけた時には、全員を日本に帰すためにもいろいろとやってみるつもりだ。




 しばらくして国王が話を振ってきた。今度は奴隷のことだ。


「他の者たちと話し考慮した結果、レイにはレールン王国が所有していた2種族の奴隷を渡すこととなった。反発したものはいない。ただ、下の方は少々不満を持っているものがいるようだがな……」


 国王は後半、やや困ったような表情になる。反発はないようなので良かった。

 下の方と言うのは、団長の部下をさしているのだろうか。


「どうしたレイ? 不満か? それとも種族という言葉を聞いたことがなかったか?」

「いえ、大丈夫です 不満ではありません。それに種族という言葉は知っています」


 俺が何も言わなかったからなのか、団長が尋ねてくる。もちろんこの世界でいう『種族』という言葉は知っている。


 この世界には5種族が存在する。

 俺とシュティアを含む人間は人間族だ。ウーラを含むエルフやドワーフなどは精霊族。メルクールの族である狼人や虎人をまとめた獣人族。ヴェーヌを含む蜥蜴人やまだ見たことがないが竜人などは竜人族。そして魔族は魔人族というように種族分けされている。


 また、人間以外の4種族をまとめて亜人族とも呼ぶ。

 亜人族という言い方は差別用語なので、大事な仲間がいる俺は使いたくない。使わない。


 閑話休題



「では、予定通り2種族の引き渡しは問題ないな?」

「ええ」

「よろしい。次は日本人について話そう。単刀直入に聞くが、受け取るか?」


 国王の言葉を聞き、俺は今回の戦いで捕縛した日本人について考える。

 1番いい方法は俺が受け取り管理する。ただ、その管理する方法がないのが現状。

 他の案としてはアルール王国が管理。その場合、日本人の扱いがどのようになるかはわからない。


「受け取――」


 そこまで言ったが、メルクールが俺を見ていることに気が付く。それが原因でいい留まってしまった。

 受け取るにしても、俺が心の奥底で持っているであろう恨みで、あいつらを殺さないだろうかと考えてしまう。


 期間が開いているために今はどうでも良いと感じるが、心の底では恨んでいるかもしれない。

 もしそれが原因で殺してしまったら、メルクールには「敵討ちのために人を殺してほしくない」といいながら自分は恨みで殺したことになる。

 俺は考えを変える。


「いいえ。受け取りません」

「良いんだな?」

「はい」


 俺の言葉を聞いた国王はやや驚きながら確認をとるので、俺は言い切る。国王の後ろに立っている団長も隣にいたメルクールも驚いて俺の方を見ている。

 俺は続けて条件を出す。


「ただ、受け取らないといっても、日本に帰る時には受け取りたいと思います」

「連れて帰るためだな?」

「はい」


 俺の言葉を聞き、国王は腕を組むと何かを考え始めた。渡すか渡さないかを考えているとは思えない。さすがに渡すこと自体、無理だとは言わないはずだ。

 ……そう願いたい。


 しばらくして国王が顔を上げ、俺を見てくる。


「連れて帰るなら、捕縛した日本人が命を落とすようなことがあってはならないな?」

「出来ればそうしてもらえるとこちらとしても助かります」

「わかった。命を落としそうな所には売らないよう気をつけよう」

「……売る?」


 国王の言葉の中に、無視できない内容があったので聞き返す。


「そう言えば言っていなかったな」


 国王は少し困った表情をした後、説明をする。


 国王曰く、敗戦国は多額の借金を負うとこになる。また、捕縛した兵士や民間人は奴隷として売られるそうだ。そしてその中には日本人も含めるつもりらしい。


 奴隷となった者は、男性が鉱山送りが大半を占める。もちろん鉱山では事故が多発し、命を落とす可能性が高い。また、男色家の元に売られたりするとか。

 女性なら娼館がほどんどらしい。中には貴族に売られるものもいるとか。


 日本人が命を落とさないように配慮するため、男色家や娼館の元に売られることは了承してくれとのこと。

 頑張れ。日本人。


 ただ、強いものは貴族の護衛として売られる可能性があるそうだが、それでも鉱山よりは命を落とす可能性が低いので、これも了承してくれとのこと。


 もちろん俺はすべて了承する。奴隷となった日本人たちが生きることが出来るように、俺が国王と話したことを感謝して貰いたい。

 まあ、男子の中には新たな世界に目覚めるものがいるかもしれないということで、俺は男子の送られる場所を知らなかったこととする。




 その後は、俺がこの後どうするつもりなのかを聞かれた。


 戦争は終わった。正しくは、戦後処理さえすればいい段階まで来た。つまり俺がいる意味はほとんどない。

 そのため、2種族――エルフと獣人を受け取り次第、寄り道せずにエルフの郷と獣人の村に向かうつもり。さすがに受け取ったあと、すぐに開放して勝手に戻れというのはまずい。

 出発に関しては、2種族の受け渡しが終わり、こちらの準備が出来次第ということにした。


 その時にアルール王国の王都へと輸送された捕虜の中にも獣人が紛れ込んでいたことを思い出した。その人(?)達に関してだが……


「これをエルノルデにでも渡しなさい」


 国王は何やら書状に文章と印鑑を押すと丸め、俺に渡してきた。俺は書状をじっと見る。


「それは私からの指示を書いた紙だ。こちらでもう少ししなければならないことがあってな。馬を使って送るという方法もあるが、お主らのことだ。何かしら持っており、馬より早く着くだろう。それを渡せば向こうにいる2種族を渡してくれるはずだ。それと、道中保護した2種族は王都へ連れて行っている」


まるですべてお見通しと言っているような目で俺を見ながら国王は説明をしてくれ。


「何から何までありがとうございます」

「なに、気にするな」


 俺は頭を上げてお礼を言うと、国王は笑う。




 その後は世間話をする。


 そして話が終わりそうになった時、国王は少々残念に思っていると付け加えてきた。理由は、アルール王国王都に戻った際に関係する。

 この戦争で戦果を挙げたものに褒美を与える場が設けられ、それに出て欲しいそうだ。本当はその時に、俺に奴隷を渡すと全体に伝えるつもりだったが、俺は準備ができ次第出発するので、諦めてくれた。


「おっと。肝心なことを忘れておった。捕虜にした人数と戦死した人数を伝えておかなくてはな。もちろん日本人側だが」


 そういえば、詳しい人数を聞いていなかった。

 俺は国王の方をじっと見る。


「この戦争で捕虜とした日本人の人数は37人。戦死者は53人だ」


 戦争に参加して生き残ったのが37人。死んだのか53人か。

 かなりの人数が死んだな。


「何か聞きたいことはあるか?」

「気になったことが1つあるのですが、いいでしょうか?」

「なんだ? 何か他に欲しいものがあるのか? エマが欲しいのか?」


 俺が尋ねると、国王は本気で言っていると思えそうなトーンで冗談を言ってきた。

 国王が言ったエマという人物は確か王女だったはず。勘弁してくれ。

 俺はスルーする。


「俺にエルフと獣人の奴隷を引き渡すことになっていますが、他の人に渡す褒美は大丈夫ですか?」


 これが1番気になった。俺にはエルフと獣人の奴隷を渡すことになったが、それ以外で褒美として渡せそうなものが何なのかが全くわからない。

 国王が呆れた目で見てきた。何かおかしなことでも言ったのだろうか?


「自分の心配より他者の心配か。安心しろ。貴族にはレールン王国の土地をやるつもりだ。その他の者にはエルフと獣人以外の奴隷であったり、金品や貴族の地位を与えるつもりだ。もちろん、優秀だった者にだが」


 苦笑いをしながらだったが、国王は説明をしてくれた。

 いざ貰うとなった時、他の人がどうなるか少々心配だった。これで心置きなく貰える。貰うといっても、すぐに開放することとなるが……


「他には何かあるか?」

「……いいえ。大丈夫です」


 国王に尋ねられ、俺はわずかに考える。

 だがすぐに、他に尋ねたいことがないことを確認した。


「そうか。それじゃあ退出してもいい。そちらもいろいろとしないといけないことがあだろう?」

「お気遣いいただきありがとうございます。失礼します」


 しないといけないことはないはず。

 そう思いながら、俺は立ち上がると扉の前に行き、一礼してから部屋を後にする。メルクールも俺に続くように一礼した後、部屋を出た。


 部屋を出てから気が付き、骸骨を思わせるような物騒な仮面を慌てて付け、シュティア達がいる部屋へと足を向ける。


「レイさん、なんであたしを見た時に言い留まったんですか?」


 歩き始めてすぐ、メルクールが俺の顔を覗き込むようにして尋ねてきた。

 俺がメルクールの方を見たことに本人は気が付いていたようだ。


「……少し考えさせられてな」


 俺は簡単に答える。これと言った説明のための言葉が見つからなかった。

 もちろんそれで納得するわけもなく、メルクールはじっと俺を見ている。どうやら納得していないようだ。


 俺は部屋へと向かいながら、頭の中で説明するための文章を考える。


「お前には、恨みで人を殺すなと言ったよな?」

「確かにそんなこと言いましたね」

「俺が日本人を受け取った時、俺自身が恨みであいつらを絶対に殺さないという保証はなかった」

「つまり、もしレイさんが日本人を恨みで殺したら、あたしに言った言葉とレイさんの行ったことが矛盾するから、受け取らないようにした。そう言う感じのことですか?」

「ああ。合っている」


 どうやら俺の説明で、メルクールは納得したようだ。俺の隣で少しばかりスキップしている。

 俺はそれを見ながら、シュティア達の待つ部屋と向かった。



 部屋につくと、シュティアとヴェーヌ、それにカナが椅子に座っていた。何やら話していたようだ。

 よく話している場面を見るが、ネタが尽きないものだなと感心してしまう。


 ふと気が付いたのだが、ウーラがいない。


「ウーラはどこに行った?」

「寝室にいますよ? 決して覗かないでくださいって言っていました。それに、戻った時には何を言うのですか?」


 おいおい。そんな風にウーラは言わないし、そのような言い方をしないだろ。

 そのような言い方はヴェーヌぐらいだ。


「ただいま。それとヴェーヌ。お前の言い方じゃ、ウーラがツルになるぞ」

「ち、違いますよ! 本当に言っていたんですから?」

「本当か? それになぜ疑問形?」

「そりゃ、少しは違っていましたが……」


 予想通り、少々変化をつけていたようだ。

 ウーラの性格上このような場合、「用があるから覗かないでくれるかしら」とでも言っているはず。そんな、昔話に出てくるような言い方はしない。


「あら? 私がいない間に陰口かしら?」

「ウーラの陰口なんてしない。そもそも陰口をするようなことがないほど、ウーラはしっかりやっている」

「あら? 褒めても何も出ないわよ」


 話している間にウーラが寝室から出てきた。見た感じ何も変化はない。

 きちんと誤解を解いておくために、照れてくれと期待半分で褒める。ここで照れてくれたら面白かったが、年上の余裕という奴だろう。いつも通り微笑むだけだった。


 その代わり、なぜウーラだけ褒めるのだとシュティアが拗ねた。ヴェーヌに助けを求めるが、自業自得ですと言われ、俺がシュティアをなだめる羽目になった。



 シュティアをなだめつつ、国王とした話をひと通り話す。その間も、備え付けのソファーに座り、隣に座ったシュティアの頭を撫で続けた。

 ひと通り話すといっても、ほとんど話すことはない。


 そして俺がひと通り話し終えると、ウーラがため息をついた。俺はウーラの方へ視線を向ける。


「1ついいかしら」

「なんだ?」

「進軍してきた街にも、少ないながらもレールン王国がこき使っていたエルフや獣人の奴隷がいるわよね」

「いや、どうやらすでにアルール王国に移動させられたようだ」

「あら、そうなの?」


 ウーラは驚いたようだ。それはシュティアとヴェーヌも同じだった。ただ、カナとメルクールは驚いていない。

 メルクールはすでに分かっているからだと思うが、カナはただ単に感情がすくないからなのだろう。多分……


 そんな5人を見ながら、俺は今後について説明する。


「今後だが、先に城内にいる者を連れて徒歩で郷と村に行くことは確定している。問題はその後だ。一度アルール王国の王都に戻ったとしても、再び郷と村に行くのではあまりにも時間がかかってしまう。例え前に俺達が使った魔法陣を使ってもな」

「つまり時間を掛けたくない、と言うことね?」

「そういうことだ」


 俺の言葉をを引き継ぐかのように、ウーラが確認をとる。


実際、俺たちが使った魔法陣の位置とレールン王国の王都の距離はかなりある。どんなに頑張っても1週間はかかると思う。

 例え付いたとしても今度は郷からアルール王国の王都へと向かい、再度郷へと戻ってこなければならない。さすがに獣人達だけでの移動は心配なので俺も付いて行くということで、獣人の村へと向かわなければならないおまけつき。


 普通に疲れる。


「仕方ないわね。あれを使いましょ。いくらなんでも、同族のためにならダメとは言わないはずよね……」


 突然ウーラがため息交じりにつぶやいた。

 俺にはさっぱりだ。それは他の4人も同じようで、ウーラ本人にしか『あれ』と呼ばれる物か人の正体を知らない。『あれ』がとても気になる。



 置いてきぼりになっていた俺たちに気が付いたウーラが、簡単に説明をしてくれた。

 それは俺も知っている物だった。

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