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第50話 メルクールの過去

 俺たちは、国王が言った通り部屋で夕食を取ることとなった。

 夕食を運んできたメイドが言っていたのだが、どうやら敵が撤退し、街が落ち着いたときから備蓄していた食料を街に配布したらしい。

 そのため、城の中には限られた食料しかなく、普段出しているような食事をだせないそうだ。


 と聞いて目を疑った。

 テーブルの上には、街の高級レストランで出てきそうな食事が大皿に入れられていたのだ。もちろん量は5人分。


 事前に、カナの分はヴェーヌが少しあげると伝えてあったのでカナのは無い。伝えた時に少し心配されたが、本当に大丈夫であると言った。

 それでも心配されたためか、5人分より少し多いように見える。


 少しだけ多かった分は、俺を含む5人で少し頑張ることとなった。俺達が食事をしている間、カナは魔石を砕いて粉にし、固めたものを食べて魔力補給をしていた。



 もちろん、部屋まで移動する間は戦闘時にしていた服装で移動。移動する際にドローンを回収する。カナが機転を利かしたためか、一番近くの入り口にドローンを止めていた。といっても、その入り口は爆発によって開いたであろう大穴だ。

 服装はメイドが部屋から退出し、ようやく普段のものに変えることができた。



 カナの魔力補給が終わるころには、全員の食事が終わる。いつもはカナの方が少し早いのだが、ドローンを使用したこともあるのか、食べる量が多かったような気がした。



 俺達が食べ終わると同時に、メイドが入ってきて食器を片付ける。もちろんノックをした後に入ってきたので、俺たちは戦闘時の服に着替えて誰なのか分からないようにした。もちろんメイドの方も伝えられていたのか、嫌な顔1つしない。

 部屋を出ていくと、再びいつもの服装に戻す。


 その後は風呂に入ることとなった。あてがわれた部屋は客室のため、別室に浴槽が付いていた。客室はたくさんあるようだが、このような部屋は数えるほどしかないという。


 客室であると言うことは、部屋の紹介をされるときに、案内をしてくれたメイドに伝えられた。

 ちなみに、城にはいくつかの客室があり、そのうちの一番いい客室を使わせてくれているとのこと。さすがに悪いので、もう少しグレードを落とすように言われたが、今は誰も使っていないと言うことを言われ、しぶしぶ了承した。



 部屋の内装だが、ものすごく豪華。壁には絵画が飾られており、その下には背の低い本棚が配置されている。そして本棚の上には大きな花瓶が置かれている。

 明かりは魔道具製のシャンデリアが光り輝いている。といっても部屋全体を明るくすればいいだけなので、小さい。それでも金貨何十枚。下手をすれば白金貨何十枚も飛んでいきそうなものだ。


 部屋の作りは、みんなで集まって食事ができる広い部屋に、魔道具が仕込まれており温かいお湯が出てくる大きな浴室、大きなベッドがある寝室が2部屋となっている。

 しかもベランダも付いており、真っ白な椅子と机が置かれて、お茶を楽しめそうな雰囲気だ。



 風呂に入る順番だが、さすが一番いい客室。浴槽も広かったと言うことで、女性陣はまとまって入っていた。そのあとに俺が入ることとなったのだが、静かなため声が少し聞こえてくる。


 盗み聞きの趣味はないので、俺は別のことをして過ごすことにした。


 俺はインベントリから空マガジンを取り出すと、弾薬を詰め始める。インベントリの中にはエルフの郷で作っていた大量の弾薬があるので心配はないと思うが、いつかなくなりそうなので少しずつでもいいので作っていきたい。


 ある程度弾薬をマガジンに詰めることが出来たので、今度はドローン用の弾薬を補給する。

 1回の戦闘で数百発は使うので、すぐに底を尽きそうで怖い。少し考えなければならないな。



 そんなことをしていると、5人が上がってきたので今度は俺が入る。

 1人で入るにしては、ものすごく広かった。体を洗い湯船に浸かる。ちょうどその時になって外が騒がしく感じた。


 声からしてヴェーヌとメルクールだ。聞いている限り、2人が言い争っている感じはしない。どちらかと言うと、協力している感じがするが確証はない。

 一体何をしているんだ……



 俺はそんなことを思いながら、湯船に深く浸かる。やはりお風呂は落ち着く。

 落ち着いたためなのか、1つ気になることがあった。メルクールのことだ。


 俺といったん分かれたのち、城の広間にてシュティア達は合流した。その際、シュティアがメルクールについて話していた。一時的に言うことを聞かなくなった。


 はっきり言うと、戦闘時にメルクールが言うことを聞かなくなることは、エルフの郷に存在する訓練兼レベリング用のダンジョンに潜っているときにはなかった。

 なかったは言い過ぎだ。何回かあった。ただしそれは、自らの危険を感じ取って起こした行動である。


 しかしシュティアの言い方と、その後に言ったメルクールの言葉からは命の危険があったようには感じなかった。


 何かしらの理由があるのだろう。少し心配だ。

 俺はその心配な気持ちを早く取り除くためにも、風呂を上がってメルクールの話を聞くことにした。

 気が付けば、ヴェーヌとメルクールの声が聞こえなくなっている。



「俺が風呂に入っている間、何していた? 騒がしかったぞ」


 俺が扉を開けながら、上がったことを伝える代わりにそのように尋ねた。

 まだ眠たくないようで、みんな思い思いに過ごしている。ヴェーヌは1人用のソファーに座って本を読んでおり、ウーラはカナの髪の毛を乾かしている。

 シュティアとメルクールは3人が座れるような大きなソファーに倒れ込んでじゃれあっている。


「シュティアさんがお風呂に入ろうとしていのですよ」

「……え」

「で、止めようとしていたと?」

「そんなところです」


 ヴェーヌの報告を聞き、メルクールの腹上に跨っていたシュティアが首が取れそうな勢いでヴェーヌの方を振り返った。俺はそれを横目で見ながらヴェーヌに確認をとると、ヴェーヌが頷く。

 最近はシュティアがおとなしくなっていたいと思ったら、そんなことをしようとしていた思ってもいなかった

 別に恋人になったから問題はないとはいえ、風呂ぐらい1人で入らせて欲しい。


 そんなことを思っていると、別のところから声が上がった。


「と言いつつ、ヴェーヌさんも入ろうとしていましたよね?」

「メ、メルクールさん!? 嘘はだめですよ!?」


 シュティアから逃げようと頑張っているメルクールが裏切った。ヴェーヌはと言うと、目を見開いてメルクールの方を見ている。

 裏切ったメルクールはと言うと、言ってやったという顔をしていた。だがそんなメルクールを裏切るものがいた。


「……メルクール。自分のことを、言わないのは……良くない。メルクールも……やろうとしていた」

「って、シュティアさん! 私は止めようとしただけです!」


 どうやら3人とも未遂ではあるが同じことをやろうとしていたようだ。

 無いだろうとは思っているが、ウーラの方を見る。すると俺に見られていることに気が付いたウーラが、俺の方を見て微笑む。


「あら。私もした方が良かったかしら?」

「勘弁してくれ」

「うふふ」


 何が面白いのか分からないが、ウーラは楽しそうに笑っている。

 言い方からしたら、やってはいないようだ。というより今後もしないでいただきたい。



「いやー、さすがお城ですね! すべての規模が違いますね!」

「……メルクールに、同意」


 気が付けば、シュティアとメルクールは並んでソファーにすわっていた。案外仲がいいなと思ってしまう。やはりかなり最初から一緒にいたからだろうか。

 それを見ていると、1つ大事なことを思い出した。


「メルクール。話がある」

「……へ?」


 突然すぎたためか、メルクールの返事が少々おかしかった。

 俺はメルクールの前の席に座る。


「昼間にシュティアが言っていたことだ」

「……あぁ。理由を話さないとだめですか?」


 メルクールは少し落ち込みながら尋ねてきた。さっきまでは上を向いていた狼の耳も力なく下を向いており、尻尾も元気がない。


 俺が尋ねたシュティアが言っていたこととは、王都の街中でアルール王国側の騎士団を助けるべくレールン王国側の兵士をシュティア達4人に任せたときのことだ。

 その時にメルクールが一時的にシュティア達3人の指示に従わなくなったという。その理由を聞こうと思っていた。


 だがメルクールの状態から見て、かなり言いたくないようだ。

 本来は理由ぐらいわかっていた方がこちらも動きやすいのだが、言いたくないのであれば仕方がない。


「出来れば理由を話して欲しいが、話したくないのであれば話さなくていい」

「……明日の夜まで考えさせてください」


 メルクールがうつむきながらそんなことを言ってきたので、俺は分かったことを伝えるために頷く。



 メルクールの雰囲気が全員に伝染したのか、部屋の空気が少し重たい。俺は空気を変えた原因の1人でもあるので、話題を変えることにした。


「明日のことだが、多分何もすることがないはずだ。明日だけでなく、援軍が来て出撃するまで何もすることがないと思う。王都を見て回るにしても、このような状況ではさすがに無理だろう」

「アルール王国の兵士を助けるときに見ていたのですが、確かに街はボロボロでしたね。復旧には少し時間がかかりそうです」


 俺の話題変更に乗っかるように、ヴェーヌが報告を入れる。

 そこにウーラが続く。


「あまり動き回ると、帰って邪魔になるかもしれないわね。じっとしていましょう」



 その後は特にすることがなかった。また戦闘の疲れもあるのか、シュティアとカナが最初に寝室に向かい、そのあとをヴェーヌとウーラが付いて行くような形になった。

 部屋わけだが、俺はソファーで寝ると言ったのだが、シュティアが一緒に寝たいと言ってきたので、俺とシュティア、大きさを考えてカナが同じベッドで寝ることとなった。ヴェーヌとメルクール、ウーラは別室にあるベッドを使う。


 4人が寝室に行ったということもあり、この場には俺とメルクールが残ることとなった。


「メルクール。寝なくていいのか?」


 俺が話を変えた時からずっと俯いていたメルクールの隣に座り直し、声をかける。

 声を掛けつつ、俺はインベントリからコップを2つ取り出して、冷たい飲み物を入れると、1つをメルクールの前に置き、1つは俺の前に置いた。


 俺がそうしている間も、メルクールは黙ったままだ。

 俺はコップを持つと、飲み物を口に含もうとする。そんな時、黙っていたメルクールが俯いたまま尋ねてきた。


「……レイさんは仕返しって……どのように考えていますか?」

「仕返しをするのは良いか悪いかってことか?」

「はい」


 俺は少し考える。その間、メルクールはコップに入った飲み物を飲んでいた。

 少しして、俺は考えを言う。


「前にやった俺が言うのはおかしいが、良くないと思う」


 俺の言葉を聞いたメルクールは黙ったままだ。


 ドラマではよく、仕返しをするシーンを見る。そしてその度に誰かが決まって言う。仕返しは良くない。

 よく考えないと、仕返しは良くないと言っている奴は、仕返しをしようとしている奴の気持ちなんてわかっていないと俺は思う。


 だがよく考えると、そのように言っている奴の大半は、親友であったり家族だ。仕返しによる罪を重ねて欲しくはないのだろうと感じる。


 多分だが、俺が学校の奴に仕返しをしようとすると、シュティア達は止めると思う。

 前に学校の奴を殺したことがあったが、その時はあまりお互いのことを知れていなかった。今では大事な仲間だ。そうなれば、止めると思う。


 それに、仕返しをしたところで何も残らない。実際、俺はそれを経験している。

 俺は仕返しをするかのように、学校の奴を数人殺した。殺した時はわずかだがやり遂げた感があったが、その後は何度も悪夢を見た。そしてつい最近は仲間を殺される夢も見た。

 半分感情に任せて仕返しをしたが、本当に何も残らなかった。


「仕返しをやろうと思っているのなら止めておけ」

「……後悔するから、ですか?」

「それもある」


 メルクールが尋ねてきた。今だに俯いている。そのため表情はうかがえない。


 再び沈黙が訪れる。

 何か考えている雰囲気がしたので、俺はメルクールの言葉を待つ。物音ひとつしないため、あまりにも長い時間のように感じた。



 ふいにメルクールが俺の太股の上に頭を載せてくる。俗に言う膝枕だろう。

 俺は一瞬驚くが、黙っていることにした。


「あたしの話を聞いてくれますか?」


 メルクールが尋ねてきたが、俺は黙っておく。それを肯定ととらえたのか、メルクールが話し始めた。


「あたしの両親は、父はレールン王国の兵士に殺され、母は連れていかれました」


 ある程度は予想出来ていた。メルクールと最初にあったときに、レールン王国の人間かどうかを尋ねてきた。その時にレールン王国の人間が獣人を奴隷にして連れて行くと言っていた。奴隷として連れていかれるのは、もはや殺されたのも同然。


「父が殺され母が殺されたのは、あたしが5歳の時です。獣人は5歳ごろになると、かなり活発に動けるようになります。特にあたしは活発でした。それが原因の1つだと今でも思っています。森と草原の境にあまりにも近づきすぎたため、たまたまそこにいたレールン王国の兵士に見つかり、連れて行かれそうになりました」


 子供の獣人なら、長い間使えると言うこともあり、高値で取引されるとか。しかも少女ならなおさらだろう。

 メルクールは俺の太股の上に頭をのせたまま、静かに話し続ける。


「そんなときに、両親が来てくれて、あたしを助け出そうとしてくれました。しかし相手は普通の兵士と言えど、人数も多くかなり強かったです。結果、あたしを逃がすために、両親は残らざる負えませんでした」


 気が付けば、太股のあたりが湿ってきていた。メルクールがその時のことを思い出して泣いているのだろう。

 だがメルクールは俺に鳴いているのが悟られないようにするためか、声の調子は一切変えないように頑張って話している。


「あたしは森の中を走りました。途中で仲間の獣人に会い、助けを求めました。あたしは一度村に戻り、両親を助けに行った大人達を待ちました。数時間、助けに行った大人たちが帰ってきました。皆所々怪我をしていたのを覚えています」


 怪我をして帰ってきたと言うことは、かなりの激戦だったことぐらいわかる。


「あたしが大人達の前に出ていくと、そこには布に包まれた何かが置かれていました。幼いあたしはすぐには分かりませんでしたが、布をほどくと中からあたしの父が出てきました。いつも無敵だと思っていた父が、体中傷だらけで眠るようにそこにいました。わたしはすぐに起きあがると思って、父の体を揺すりましたが、いっこうに起きませんでした」


 そこでメルクールが我慢できなかったのか、俺のズボンを手でつかむと握る。嗚咽も我慢するかのように必死に抑えようとしている。


「あたしは、みんながあたしを驚かせようとしているのだと思いましたが、大人たちの表情は何かを悔やむようなものでした。そこであたしはようやく気が付きました。父は本当に死んだのだと。わたしを救うためだけに……」


 メルクールは一層、俺のズボンを強く握る。

 俺は一瞬、頭を撫でるべきか迷ってしまったが、メルクールが再び話し始めたと言うこともあり、完全にタイミングを逃してしまった。


「あたしは、希望を捨てませんでした。母は布に包まれてはいなかったので。きっと、どこかの家で看病してもらっていると。あたしは母はどこにいるか聞きました。その質問を聞いた瞬間、大人たちの顔色はさらに悪くなったことを覚えています。子供ながら、すぐに理解しました。連れていかれたと」


 メルクールはここで息継ぎをするかのように少し間を開け、再び話し始める。


「それに気が付いたあたしはすぐに行動に起こしました。あたしのせいで両親が捕まったのであれば、今度はあたしが助けに行く。すぐに駆け出そうとしましたが、それに気が付いた大人の人に後ろから力いっぱい抱き締めてきました。

 あたしは助けに行くから離してと泣き叫びながら言いましたが、その人は離してくれませんでした。


 『俺たちはお前の父親に言われたんだ! メルクールを守ってやってくれ! ただ1人の大事な娘を守ってくれと言われたんだ! だから離さない!』って言いながら。


 それを聞いたあたしは、力なく地面に座り込みました。その後の記憶はなく、気が付いたら自分のベッドの上でした」


 はっきり言って、俺はメルクールの悲しみが一切分からない。俺の両親は2人ともおり、今まで育ててくれた。だからどれほど辛いかなど分からない。

 本当は、その気持ち分かると言ってやりたいが、言ったところで分かりっこない。だから俺は言わない。

 その代わり、メルクールの頭を撫でてやる。それだけでメルクールの感情は安定したのか、呼吸が落ち着いてきた。


「それからは、周りの人に助けられて育ってきました。誰も失わないように、精一杯戦う練習をしてきました」

「そして俺に会ったと」

「はい」


 メルクールの返事からは、どこか安心したような感情が伺えた。俺はメルクールの頭を優しく撫でることを止めようとは思わなかった。メルクールのしっぽが安心したかのように揺れているから。


「少し甘えさせてください」


 メルクールが無効を向いたまま、そんなことを言ってくる。

 すでに甘えているだろ、なんて言わないで俺は無言で頭を撫でる。


「なんだか、お父さんに頭を撫でて貰っているみたいです」

「そうか?」


 少し間を開いたあと、メルクールがつぶやく。

 声からして、かなりリラックスしているようだ。


「はい。手の感触は違いますが、強さがよく似ています。ものすごく優しいです」

「そうか」


 俺はメルクールの頭を撫で続ける。

 尋ねたいことがあったが、どうしようか迷った。しかしメルクールに尋ねることを決心した。


「お前が指示を聞かなくなったのは、さっき話してくれたことが関わっていたのか?」

「はい」


 メルクールは短く答える。その後はどちらも話さなかった。ただ、静かな時間が流れるだけだ。

 そうして気が付けば、メルクールは静かに寝息を立てていた。どうやら眠ったようだ。



 さすがにこのままでは風を引かれそうなので、メルクールを起こさないようにお姫様抱っこをすると、立ち上がる。寝室に連れていくため。

 ふと寝室の方に振り返ると、シュティアが扉を半分開けて見ていた。


「盗み聞きとは趣味が悪いぞ」


 俺は苦笑いをする。シュティアはじっとこちらを見ているが、何かを考えている感じがした。


「どうした?」

「……今日は、メルクールと……寝てあげて。私は……ヴェーヌ達と、寝る」


 それだけ言うと、シュティアはヴェーヌたちの寝る部屋に移動した。

 俺はそんなシュティアを見つつ、心の中で感謝をしながら、シュティアが出てきた寝室に入っていった。



 カナはベッドの端っこで寝ていたため、メルクールを真ん中に寝かせ、その隣で俺は寝る。メルクールに布団がしっかりをかかっていることを確認し、俺も布団に潜り込む。

 すると……


「……ぱぱ、まま」


 そう言いつつ、メルクールが俺に軽く抱き着いてくる。表情はどこか笑顔なので、2人に会っている夢でも見ているのだろうか。


 俺はそんなメルクールの頭を優しく撫で、目を閉じた。

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