外伝第2話 タラッタのギルド長からの手紙
本日は番外編と外伝、第2章で出てきた登場人物を上げます。
零がタラッタのギルド長から預かった手紙の内容です。
よう! 俺だ! 久しぶりだな! 元気にしていたか?
俺は相変わらずだ。
最近は筋肉が衰えてきたから、暇なときにはダンジョンに潜りたいが、仕事が忙しくて無理そうだ。
と言うより、部下が俺に仕事を押し付けてきているのだが、これは俺がダンジョンに潜らないようにするための陰謀なのか?
仕事が忙しいから、手紙も書く暇がないぞ!
だから手紙を送るのに、こんなに期間が開いてしまった。そのことに関してはすまないと思っている。
俺は昔に戻りたいよ。お前と一緒にダンジョンに潜っていた時に頃にな。
さて。今回俺が手紙を出したのは、王からの依頼である、指輪を探せという依頼が完了しそうだからだ。
おいおい。まさかだと思うが、先を越されたなんて思っていないだろうな?
すまん。話がそれた。
指輪のことを説明をする。
肝心の指輪だが、どうやら盗賊が持っていたそうだ。タラッタのギルドに、指輪を持った奴が来て説明してもらったから、確証はあるだろう。
指輪が王族のものであることは、俺が確認済みだ。
確かに王族の指輪だったぞ。裏にきちんとそれらしいことは書いていた。
問題は、指輪を持っていた盗賊だが『黒狼』だったことだ。
確証はないが、指輪を持ってきた奴の話を聞く限り、『黒狼』で間違いないな。
あの大規模な盗賊のことだ。少なくとも知っているだろ?
王都のギルド長だから、名前だけでなく詳しいことまで知っているだろうな。規模であったり強さであったりと……
その盗賊のねぐらにその指輪があったようで、盗賊は知らない間に持っていてしまったようだ。
戦闘好きのお前のことだ。指輪より、盗賊の方が気になるだろう。
先に盗賊の方を話しておこう。そうしないと肝心なことが頭から抜けるだろうな。
盗賊を倒したのは、指輪を持ってきた少年だ。そう。少年だ。
見た感じ、歳は16から19ってとこだな。
言い忘れていたが、盗賊は討伐されたのではなく、捕縛されたそうだ。
歳が17ぐらいの奴が、『黒狼』を捕縛したんだぞ!
討伐より捕縛の方が難しいと言うぐらい、お前でもわかるよな?
じゃあ、その少年の強さももちろんわかるよな?
そうそう。言い忘れていたが、60人近くを捕縛したわけではないらしい。
聞いた話なのだが、どうやら王族の馬車を襲ったために人数が少なくなっていたそうだ。多少は楽だったと思うが、それでも数人の賞金首を捕縛した。そこから考えると、かなり強いのは分かるよな?
王族の馬車を襲ったことぐらいは伝わっているだろ?
いや、伝わっていないか……
そうそう。これを言い忘れたら、王都のギルドがとんでもないことになるな。
王都は人数が多いから、馬鹿なやつも多いだろ。若い連中が少年に絡まりに行かないよう、気をつけろよ?
相手は『黒狼』を捕縛した奴だ。下手をすれば、絡みに行ったやつは全員死ぬぞ。これは冗談じゃなからな。お前でもわかるだろ?
俺のところは絡みに行くような奴がいなかったからまだよかったな。
絡みに行って、やられている場面を見てみたかったなんて思っていないからな! これっぽっちも思っていないからな!
これは俺は見たのだが、その少年は美女を3人と美幼女を2人連れていた。絶対絡まれるから、馬鹿な冒険者には先に伝えておけよ?
少年にとっては5人とも大事な存在のようだ。だから手を出せばどうなるか、一切分からないぞ。
何せ『黒狼』を捕縛するぐらいの強さを持っているからな。
あれ? 指輪のことで何か言い忘れているような気がするが……
まあ大丈夫だろう。最終確認はお前がやるから、どうとでもなるな。
ともかく、大事なことは指輪が本物であったこと。それと自分の命を捨てに行くかのように、少年に絡みに行くようなバカな若者がいないように気を付けること。
絶対に目を離すなよ? 真っ赤な水たまりをギルド内に作りたくなければな!
そうそう。これは絶対に伝えておかないといけないな。
少年のことだが、誰にも少年が『黒狼』を捕縛したなんて言うなよ?
理由は分からないが、あいつは自分の強さを知られたくはないようだ。
あいつの感じからして、力を周りに示して振りかざすような奴ではなさそうだな。
それより、周囲に自分の力がバレないように行動するような奴だ。
あと、『黒狼』を捕縛したなんて広まったら、少年が俺を殺しに来そうな奴だ。
いや、冗談じゃないぞ? 俺は少年に言われたんだ。
【本当に必要な時に、必要な人だけに『黒狼』を捕縛したことを伝えていい】ってな。
お前のことだ。約束は守ると思うが、俺の命がかかっている。『黒狼』を捕縛した少年だなんて言うなよ? 頼むぞ?
最後の最後にもう一度言う。
このことは、絶対に、誰にも、言うなよ?




