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雨は上がる

投稿遅くなってすみません。小豆蒼です。今回もゆっくり見ていただければと思います。



あれから、一日たったわけだが、二人はいつも通りかな?さすがに喧嘩はしてないと思うけど、また前みたいな二人に戻ってるといいな。あんなに頑張ったんだし、きっと大丈夫だよ。そう思いながら僕は教室に入った。

「あ、蔵霧、おはよ!」

「おはよー蔵霧くん。」

そこには何事もなかったような二人がいた。僕はほっとして笑顔になった。

「おー?何で私たちを見てニヤニヤしてるんだ?まさか下心でもあるのか?」

「やっぱり蔵霧くんって変態さん?」

長谷川よ。お願いだから僕の心を壊さないで。

「蔵霧、小鳥遊さんから聞いたよ。私たちを仲直りさせようとしてくれたんだってな。

いろいろ頑張ってくれてありがと。嬉しかったよ。」

「蔵霧くん、私からも、ありがとう。」

そういうと二人は、お互いの顔を見てニコッと笑った。これで二人は以前のように。

いや、以前よりも深い絆で結ばれただろうな。色々大変だったけど、頑張ってよかった。

「実空留。」

「ん?何?雪菜。」

「私、勘違いしてた。昨日は言わなかったけど、私不安だったの。実空留が小鳥遊さんと

アニメのことについてROINで話してて、とても楽しそうだったから、

私と仲良くしたくないんじゃないかって。だからちょっときつく当たっちゃった。

ねえ実空留、聞かせて。これからも私の親友でいてくれる?」

長谷川は、自分の趣味がばれることを恐れて、委員長と距離を置いていたところが

あったからな。委員長が誤解するのも無理ない。

「雪菜。私は雪菜と出会えて本当に良かったと思っているよ。」

「うん。ありがとう実空留。今はその言葉を聞けるだけで幸せ。」

これで僕の心配するようなことはない。完全に元の二人だ。

「蔵霧君。無事にあの二人は仲直りできたみたいだな。」

「はい。とりあえずはこれで安泰かと・・」

「そうか。私も頑張った甲斐があったな。」

歩美先輩は嬉しそうに言った。

「本当にありがとうございました。今回は、歩美先輩のおかげといっても

過言じゃないですよ。」

「褒めすぎだ。蔵霧君。」

歩美先輩は褒められることにあまり慣れていないのか、少し照れたみたいだった。

かわいい。

「とりあえず、大きな問題でもない限りは大丈夫だと思います。」

「そうだな。それでは私は失礼するよ。」

「はい。本当にありがとうございました。」

僕は歩美先輩に深いお辞儀をして感謝の意を示した。

「あ、海くーん。昨日の沙弥にしかできない最後の大仕事って何だったの?」

ちっ。気づいたか・・

「沙弥。君は、あの場所にいてくれるだけでよかったんだ。長谷川と委員長に『こんなにも自分たちのことを思ってくれる人がいたなんて』って思わせたかったからね。」

「そうなんです?沙弥、お役に立ちましたか?」

「うん。すごい助かった。」

「よかったのです。えへへ」

沙弥って時々すごくキュンとしちゃうな~。天然だし、今みたいに満面の笑みで

笑ったら絶対、十人中、十人は振り向くね。

「ほら。沙弥の協力もあって、あの二人、仲良さそうにしてるだろ?」

「ほんとです。元の二人に戻ったね。」

このチョロイ所とかも、とてもかわいいね。うん。我ながらいい奴を彼女に選んだ

ものだ。

「ちょっといいかしら。」

ぶっきらぼうに話しかけてくるのは、あいつか。

「どうしたの?小鳥遊?」

「お前になんか話しかけないわよ。私は、実空留に用があってきたのよ。」

相変わらず可愛くねーの。

「どうしたの?希望?」

「いや。秀才ちゃんとうまくやってるかと思っただけ。この感じだと、うまくいっているみたいね。」

「うん。希望、ありがとね。」

「べ、別に。私は何も・・」

おーおー。照れてる照れてる。

「蔵霧、何よ。その目は。」

「え?別に何も?」

「その割には顔がニヤついているのよ。気持ち悪い。」

「気持ち悪いってなんだよ。ひどいな。」

「本当のことを言ってるまでよ。」

たとえ本当だったとしても言いすぎじゃないか?自覚ないもん。

その時、

「実空留。秀才ちゃんにあのこと言ってないの?」

「うん。なかなか言えなくて‥。」

「まあ、機会があったら話しなさいね。」

二人がこそこそと何か話していたが、内容までは聞こえなかった。

まさか、恋の相談?かわいい長谷川なら、恋のお悩みだってあるんだろうなー

変態な僕には無関係の話題だな。たとえイケメンだって言われようが、性格に問題が

ありすぎる。なんだか自分が情けなくなってきた。

 さて、長谷川と委員長との間には、これで隠し事もなくなったし、本当の親友に

なれたのかな。だとしたら、作戦以上の成果が出た。

この時の僕は長谷川のことを全く理解せずに、勝手にそう決めつけていた。

そんなミスが後にあんな形で降りかかってくるとは、この時の僕は思いもしなかった。

「さて、もうすぐ授業が始まるし、席に着こっか、実空留、沙弥。」

「うん。そうだね。」

「はぁーい」

「ほら、蔵霧も。」

「お、おう。」

 そんな感じでいつもの日常が始まった。




その日の昼休み、

「ねえ、蔵霧くん。ちょっと相談に乗ってほしいの。いいかな?」

「うん。大丈夫だよ。何かな?」

長谷川から相談を受けるのはこれで二回目だ。また委員長との付き合い方について

かな?

「蔵霧くんって、二回も嘘つかれたら、どう思う?やっぱり信じられなくなる?」

長谷川、どうしたんだろう。急にこんなこと聞いてくるなんて、何おかしい。

「うーん。信じられなくなるって言うか、信頼されてないのかな?って思うね。」

「そっか。やっぱりみんなそうだよね‥」

「みんな?」

「ううん。何でもない。ごめんね。急にこんなこと聞いて。忘れてもいいよ。」

「う、うん。」

忘れられるわけない。こんな顔している長谷川を見るのは、喧嘩の時以来だ。

何か隠している感じはするんだけど、深く追求しないほうがいいのかな?

明日にでも、また話を聞いてみるか。

それが遅かったと気づいた時には、もう取り返しのつかないことになっていた…‥


面白かったでしょうか。続編も期待してください。

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