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作戦開始

こんにちは。小豆蒼です。今回は、二人の仲直りに視点を置いてみました。ぜひ楽しんでいってください。

第三章~作戦開始~


そして、作戦実行の日曜日、我ら蔵霧陣営(二人を仲直りさせたい同盟)は、僕、沙弥、

小鳥遊、先輩の四人が揃った。二人がオッケーしてくれた日に、『今度の日曜日に、

長谷川と委員長を仲直りさせる作戦を実行しますが、協力してくれる方いますか?』

そういってみんなを誘った結果、全員協力してくれることになったのだ。

「最後に段取りを確認しておきます。僕が9時に二人と待ち合わせしてるので、9時5分くらいになったら、先輩は僕の母になりきって、電話で僕を読んでください。」

「わかった。私がお母さん役か。なんかドキドキするな。」

うん。なぜ照れるんだ?先輩。

「次は、僕が母に呼ばれたと言って、二人に同じカフェに行くように誘導します。

そこに偶然を装って小鳥遊は店に入って。それで、二人と行動してほしいんだけど、

できるだけ長谷川の趣味に合わせたお店を回ってほしいんだ。僕は1時半にその店に

行くようにするから、どこの店なのかROINして。」

「私は別にいいけど、なんで実空留の趣味に合わせた店に行く必要があるの?」

「この作戦は、委員長に長谷川の趣味を知ってもらってお互いを認め合って

はい。仲直り。を目標にしているからね。」

「わかったわ。そういうことなら任せて頂戴。」

「沙弥は僕が合流するまで二人のことを監視してて。」

「むー沙弥だけ出番が少ない気がするよー」

「沙弥には最後の大仕事をお願いするよ。」

「わかったのです。沙弥、がんばる!」

「では、そろそろ時間です。委員長は絶対に約束の10分前には着くので、

移動しましょう。」

僕が言ったとおり、委員長は8時50分に駅にいた。

「さすがは幼馴染なのです。雪ちゃんのこと、よく知ってるのです。」

『じゃあ、僕は行きますね。では、作戦開始!』と、みんなにROINしてから僕は、

作戦を実行した。

   ・・・

「いやーやっぱり委員長早いねーもしかして、待たせちゃった?」

「ううん。そんなことないよ。蔵霧も早いんだな。」

「そうかな?早く委員長に会いたくてね。」

「お前ってやつは、どこでも変態みたいなこと言うね。」

委員長は少し僕をにらんだ。

「あ、僕トイレ行きたくなっちゃった。ちょっと待ってもらってもいい?」

「ちゃんと済ませてから来てよ。あんまり遅かったらおいてくからな。」

それはないっすわ。まあ僕はどのみちいなくなるがな。

今度は、長谷川のところだ。

「ごめん。待たせちゃって。」

「ううん。私も今来たとこ。」

「ならよかった。」

ここで、電話が鳴った。タイミング完璧かよ。

「ごめん。電話出てくる。」

「うん。」

・・・

「ごめん、長谷川。親に今から来てほしいって頼まれちゃって。短時間で終わるから、

ここの喫茶店で待ってて。」

「わかった。」

「ほんとにごめん。」

「いいよ。私待ってるね。」

さあ、委員長にも同じこと言わなきゃ。

「お待たせ。委員長。謝らなきゃいけないんだけど、親に呼ばれちゃってさ、今から

行かなきゃいけないんだ。短時間で済むらしいから、ここの喫茶店で待ってて。」

「うん。わかった。」

「すぐ戻るから。」

と、長谷川と同じ喫茶店に委員長を行かせる。

これで作戦の第一段階は終了だ。次は二人を会わせて小鳥遊とお店巡りだ。

うまくいくといいな。この作戦。あ、フラグが立った。

僕は沙弥と合流して、二人の動向を見守ろうと思う。二人の詳しい様子は、

小鳥遊からROINで随時報告してもらえるようになっている。

ピロリン♪

お、小鳥遊からROINが来た。『秀才ちゃんと実空留が喫茶店に入ったわ。これから

私は、この二人を実空留の趣味に合わせた店に連れ出せばいいのね?』

『うん。そっちのことは任せるから、臨機応変によろしく。』

『わかったわ。』さて、作戦の第二段階開始と行きますか!




その頃、喫茶店では

「んー蔵霧くん遅いなー」

私は待ちくたびれた。その時、ガチャ。と喫茶店のドアが開いた。

「蔵霧くんかな?」

私は入口のほうを見て、驚いた。

「え?雪菜ちゃん?」

そこには蔵霧くんの姿はなく、雪菜ちゃんだった。私はとっさに隠れてしまったが、

これは話し合うチャンスだと思い、話しかけようとしたが、できなかった。

できるはずがない。私は親友にずっと嘘をついてきた。こんな私の話を聞いてくれるはずがないと、心の中で思っていた。少し時間がたって、もう一度、喫茶店のドアが開いた。

時間的に蔵霧くんだ。そう思いながらドアを見ると、

「え?今度は希望?」

希望は、私の姿を見つけると、

「ちょっとこっち来て。」

私の手を引っ張って連れて行った先には、雪菜ちゃんがいた。

もしかして、希望って私と雪菜ちゃんが喧嘩したこと、知らないのかな?

差でも、最近は希望と登校してるし、さすがに気づくんじゃないかな?

前までは、雪菜ちゃんにオタク趣味がばれないように、学校では希望といるなんて事、

ほとんどなかったから。まさか私たちを仲直りさせてくれようとしてるのかな?

ども、希望はどうして知ってるんだろう。希望に相談してないのに。

そして、希望が口を開いた。

「こんなところで実空留の友達に会えるなんて何かの縁ね。せっかくだし、

三人でどこか出かけない?」

え?三人って、もしかして、雪菜ちゃんも?

「小鳥遊さん、誘いは嬉しいんだけど、ごめんなさい。人を待っているの。

その人が来るまで待ってもらってもいいかな?」

やっぱり雪菜ちゃん、私と一緒に行きたくないんだ。

「私も人を待ってるの。だからまた今度にしてもいいかな?」

希望は、ため息をついてこう続けた。

「二人の待っている人ってもしかして蔵霧のことかしら。」

「え?何で知ってるの?」

「さっき、蔵霧がこの喫茶店から出ていくのを見たの。だからもしかしてと思った。」

蔵霧くん、私たち二人と約束してたのかな。なんのために?

「そういうことだから、蔵霧はたぶん戻ってこないわ。こんなにかわいい女の子二人を

おいていく男子なんか待ってないで、私と出かけない?」

「・・・わかった。じゃあ、蔵霧に連絡するから、ちょっと待って。」

雪菜ちゃん、約束なんて破ったことないからなー。たぶん初めてじゃないかな?

「実空留もそれでいい?」

「うん。」


時を同じくして、蔵霧サイドでは、僕のROINに『蔵霧。女子との約束は

一つにしておけ。』という、怒りがこもった委員長からのメッセージと、

『蔵霧くん。二股は最低だと思います。』という、心にグサッとくる長谷川からの

メッセージが届いた。なんだこれ?まさか、小鳥遊なんか言ったな。

少したってから、『変態へ。謝罪します。お前のことを約束の二股をかけた最低な奴だと言いました。どうかお許しください。』と、小鳥遊からメッセージが来た。

なんか文章が丁寧すぎて逆に怖い。というか、やっぱり犯人はお前か。まあいい。

『そっちはうまくいきそう?』と送ってみた。『任せてちょうだい。絶対成功させて

見せるわ。』と、心強い返事が返ってきた。なんだかんだ言って、一番真剣なんだな。

一方、喫茶店では

「じゃあ、今から行くわよ。ショッピングでいいかしら?」

「ああ。大丈夫だ。」

あれ、希望のショッピングって、いつもア〇〇イトや、と〇〇あなとかじゃなかった

っけ?まさか行くの?雪菜ちゃんもいるのに?まさかね。

そして

「ついたわ。」

「え?」

連れていかれたところを見て、私は驚いた。そこは、明らかにアニメグッズを取り扱っている店だった。

「じゃあ、ここで買い物するわよ。今が午前10時半だから、午後1時半にここに集合ね。それまではこの店で自由にしてていいから。」

「そんなこと言ったら、私はどうすればいいのだ?好きなアニメとか特にないんだが。」

確かに、雪菜ちゃん、アニメ嫌いだもんね。

「じゃあ、ここで好きな作品を見つければいいわ。」

希望、さすがにそれは無理だと思うよ?

雪菜ちゃんは、私と希望のほうを見て

「わかった。できる限り努力はしてみる。」

あ、探すんだ。



三時間後、蔵霧陣営が店の前に揃った。ここからが本番だ。

「三人とも時間通りで偉いわね。それで、秀才ちゃんは自分好みの作品は見つかった?」

「正直何もなかった。でも、ひとつだけわかったことがあるんだ。実空留、私の話を

聞いてくれる?」

「うん。」

「私ね、あの時は周りの偏見とか、自分の中にある考えであんなこと言ったけど、

今日、お店の中で小鳥遊さんと実空留を見て思ったの。私が偏見で嫌っていたアニメでも

こんなに真剣に話せる人がいるってことを。まだ自分の中では偏見がなくなったわけじゃないよ。でも、実空留のことわかってあげようと思う。こんな身勝手な私でも、

許してくれますか?」

委員長は泣いていた。やっぱり親友の傷つくところは見たくなかったんだ。

「私も、雪菜ちゃんに言わなきゃいけないことがあります。私は一番の親友に嘘ついて

まで友達でいようとした。でもそれは、雪菜ちゃんに嫌われるのが怖かったから。

転校してきた学校でせっかくできた友達を失いたくなかっただけ。そんな理由で

雪菜ちゃんを欺いていた私を許してくれますか?」

お互いに認め合ったところで、一番近くで二人を見ていた僕の出番かな。

「二人とも、とても苦しんでいるように見えたよ。でもそんな苦しみも今日、この瞬間に

終わりでしょ?さあ答えは?」

「そんなの、許すに決まってるよ。ね?実空留。」

「うん。こんな私を許してくれてありがとう。雪菜ちゃん。」

「実空留こそ、私を許してくれてありがとう。それとさ、私のこと、呼び捨てでいいよ。

そのほうが親友っぽくない?」

「そうだね。雪菜。」

何はともあれ、これにて作戦終了。結果は、大大大成功!

あ、ここの所、沙弥にやってもらうはずだったのに。結局沙弥に、最後の大仕事のこと、頼んでないや。


楽しんでいただけたでしょうか?そろそろネタ切れ気味で更新遅くなると思いますが、その分面白くして見せますので、よろしくお願いします。

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