表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

邂逅

どうも。小豆蒼と申します。途中で挫折はしたものの、無事に2話目投稿させていただきました。よろしくお願いします。


第二章~邂逅~


あれから長谷川と委員長の会話は少なくなった。委員長がクラスの決め事や、

提出物の確認をするときに話しかけるだけである。僕の悪口を言うようなこともないし、

休み時間やお昼に二人でいる様子もない。さすがの僕でもこれ以上は見ていられない。

何とかして二人の仲を取り持ってあげたいが、最終的には、本人の問題なんだよなー

「なんか最近、あの二人話さないねー」

そういって僕に話しかけてきたのは、赤羽沙弥。一応、僕の元カノです。

「沙弥は知ってるんだっけ?二人のこと。」

詳しくは知らないけど、噂で聞いた。」

「そっか。で、沙弥はどう思う?」

「どうって?」

「あの二人に仲直りしてほしい?」

「そりゃそうだよ。だって、実空留っち変わったもん。最初なんて全然友達いなかった

のに雪ちゃんが話しかけてから実空留っちに友達が増えた。」

やっぱり、長谷川はあの時、『私、実はオタクなんだけど、雪菜ちゃんとどう付き合ったらいいかを僕に聞きたかったんじゃないか』と遅いながらも思った。

僕も気づいてあげられれば、お互いにこんなに傷つかなくて済んだんじゃないか。

その日の放課後、

「ねえ蔵霧。私って最低なのかな。」

と、委員長が何やら真剣な顔で聞いてきた。

「どうしてそう思うの?」

と僕が聞き返すと、

「私は、自分の身勝手な理由で親友を傷つけてしまった。本当の親友だったら、

いいところも悪いところも認めあうものだと思う。確かに嘘をつかれたときは、

裏切られたと思った。でも、なんで許してあげられなかったんだろう。」

幼馴染だが、こんな委員長の姿なんて見たことがない。とても苦しそうだった。

「委員長は熱くなりすぎたんだよ。一回、頭を整理する時間はあってもいいと思うよ。」

僕が言ってあげられる言葉なんて、こんなことしかなかった。

委員長って、泣いた顔もかわいいんだよなー

いや。こんなこと思ってる暇はない!

「じゃあ蔵霧、私はもう帰るね。帰って頭冷やしてくるよ。」

委員長はそそくさと帰っていった。その直後、

「蔵霧くん、ちょっと話があるんだけど。」

そういって僕を呼んだのは、長谷川だった。

「いいよ。もしかして、昨日のこと?」

しまった。デリカシーなさ過ぎた!

「うん。そうなの。」

「いいよ、僕なんかでよければいくらでも相談に乗るよ。」

「ありがとう。それでなんだけど、私って最低なのかな?」

「どうしてそう思うの?」

「だって、一番の親友に嘘ついてた。私だって本当のことを雪菜ちゃんに言いたかった。

でも、嫌われるのが怖くて、なかなか言い出せなかった。私って最低だよ。」

やっぱり君たちはいい親友だよ。二人で同じところで責任感じて、でも

どう話せばいいかわからなくって、お互いに素直な気持ちを伝えられずに悩んでて、

大変だっただろうな。そんなことを考えていたら、

「蔵霧くん、この前の話の続きなんだけど‥」

「ん?ああ、そういえば話が途中だったな。」

途中っていうより、何も聞いていないが

「蔵霧くんは知ってるよね?私がオタクだってこと。」

「うん。まあ」

「あの時ね、蔵霧くんに相談しようと思っていたの。雪菜ちゃんがオタクが嫌いだから、

このまま私の趣味がばれたら、もう雪菜ちゃんとは友達でいられないって思ったの。

だからあの日、蔵霧くんを呼んだの。」

そうか。そういうことだったのか。と、ここで一つ疑問がある。

「なんで僕に相談を?」

「だって、蔵霧くん、雪菜ちゃんと幼馴染だから、雪菜ちゃんのことたくさん知ってる

だろうなーって。」

「いや、僕も委員長がオタク嫌いってのは、この前知ったばかりなんだよなー」

「そうだったんだ。なんかごめんね。」

「いや、長谷川が謝ることないよ。今日はもう遅いし帰ろっか。長谷川、一人で大丈夫?

送っていこうか?」

そういって、長谷川も帰っていった。さて、今度こそ帰れるかな?

「ねえ、変態。ちょっと話をしましょう。」

あれれ?おかしいな。僕、変態って自覚あるけど、何もしてないのに変態って呼ばれたのは初めてだなあ。いったい誰が呼んでるんだろう。

「はいはい。誰ですか?って、小鳥遊かよ!」

「無視するなんてひどくない?」

「いや、人のこと呼ぶときの第一声が変態とか言ってるお前に言われたくないわ。」

「まあそんなことはさておいて、あんたは実空留と秀才ちゃんの仲を取り持ってくれないかな。なんだか見ていて気持ちが悪いのよ。話はここまで。じゃあ任せたからね。」

はいはい。言われなくてもやりますって。それにしても、話が一方的じゃありませんか?

まあ、明日までにあの二人を仲直りさせる作戦でも考えてくるか。

てか、秀才ちゃんって、もしかして委員長のことか?

次の朝、いい案が思いつかず、悩んでいたら、

「海くん。何か悩んでる?よかったら私が相談に乗ろっか?」

「おう、ありがとな。沙弥。」

「で、何をお悩みですか?」

「長谷川と委員長を仲直りさせようと思っていろいろ考えてみたんだけど、

いい案が思いつかなくてね。」

「だったら、あの人に相談してみたら?『学校の女神』と呼ばれている、生徒会長に」

「なるほど。そんな視点もあったな。ありがとう。沙弥。」

「えへへー海くんの役に立てて、沙弥は嬉しいのです。」

元とはいえ、こいつに惚れたの、この笑顔なんだよな。そうと決まったら、

早速学校の女神を探しに行こう。



コンコン。

「どうぞ。」

入出の許可をもらったところで

「2年A組の蔵霧海斗です。生徒会長に、お悩み相談をお願いしたいのですが。」

「そうか。わかった。それでどんな相談だ?」

この髪の長い真面目そうな感じの人こそ、『学校の女神』こと、生徒会長の、

坂口(さかぐち)歩美(あゆみ)先輩だ。

「実は・・」

僕は今までの経緯をすべて話した。先輩はすべてを聞いた後、僕を見据えて、

「なるほど。それで君は、その二人を仲直りさせようと頑張っているのだな。」

「はい。でもいくら考えてもいい案が思い浮かばなくて・・」

「そうだったんだな。私も力になりたいから、直接二人に聞いてみることにしよう。」

「はい、ありがとうございます。では、失礼します。」

そして僕は教室に向かった。まずは長谷川から話を聞いてみよう。

しかし、僕はふと立ち止まった。なぜなら僕は思ってしまったのだ。

『僕がこんなに出しゃばってもいいのだろうか』と。これはあくまでも

二人の問題であって、関係ない僕がこんなに深入れするんじゃなくて、もっとこう、

サポートするだけでもいいんじゃないのか?

だけど、二人のためにも、僕が何とかしよう。そう思った。

教室に行くと、何やら話し声が聞こえてきた。教室を覗いてみると、

長谷川と生徒先輩がいた。あれからすぐに先輩は、長谷川のところに行ってくれたんだ。「先輩、長谷川と話してくれたんですね。ありがとうございます。」

「うむ。それでなんだが、彼女はかなり思いつめた感じだった。

すまないが、あとは蔵霧君のほうで何とかしてあげてくれないか?」

「わかりました。相談に乗ってくれてありがとうございました。」

「じゃあ、私はこれで失礼する。」

先輩も何かに悩んでる様子があった。

僕だって先輩に任せっきりじゃない。僕なりにプランも考えてきた。

さあ、二人の仲直り作戦、名付けて『お互いを認め合って仲直り作戦』だ。

さあ、実行に移すとしますか。二人には、『今度の日曜日、空いてたら、午前9時に

尾部駅に来て』とだけ言っておいた。二人は、『蔵霧から誘われると裏がありそう』

『蔵霧くん、デートはしないからね』と言われたものの、二人とも来てくれることに

なった。この作戦名って、そのまんまじゃね?でもいいもん。これに決めたんだもん。

楽しんでいただけましたか?3話もご期待ください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ