出会い
どうも。小豆蒼と申します。小説連載は初めてで、まだまだ至らない点などありますが、温かい目で見守ってくださるとうれしいです。
第一章~出会い~
僕の名前は蔵霧海斗。どこにでもいる普通の高校生で、みんなからは、
イケメンと言われている。そんな僕にはある問題がある。
「ちょっと蔵霧!また女子更衣室覗いたんだって?」
と、大きな声で言ったのは、僕の幼馴染で、クラス委員長の椎名雪菜だ。
そう、僕はイケメンなのに、どうしようもない変態なのだ。
「ほら、実空留も言ってやってよ。」
そういって委員長が話を振ったのが、先月転校してきた長谷川実空留だ。
おしとやかな性格で、誰からも好かれそうな、間違いなく学校一の美少女だ。
「蔵霧くん、またってどういうこと?」
「蔵霧は覗き常習犯なんだよ。」
と、委員長がいらぬ解説をした。
「蔵霧くん、もう直す気ないよね?」
おいおい、学校一の美少女に変態のイメージ持たれたんだが・・
「とにかく、蔵霧は覗きをやめる気がないなら、先生に言うからね。」
その時、長谷川がこそこそと席を立って、どこかへ行く姿が見えた。
どうしたのだろうと思い、長谷川を追おうとしたが、クラスの女子たちは、
「女子の後をつけようとするなんて蔵霧は本当に変態だね~」
と、僕を行かせてくれなかった。
次の日、長谷川に昨日のことを聞いてみた。
「そういえば、昨日の放課後は、どこに行っていたの?」
「え?べ、別に。ちょっとトイレに・・うん。トイレに行っていたんだよ。」
長谷川は、少し考えてから、
「まさか、それを知ってて言ってるの?やっぱり蔵霧くんって変態さん?」
ついに言われちまった。長谷川に面と向かって言われたのはこれが初めてだ。
一切迷いがなかった。興奮してしまう。
「まさか。でも普通に考えたらトイレとか誰だって行くよね。人なんだからさハハハ。」
笑いごとじゃねーよ。だってあの感じ、絶対トイレじゃないだろ。
トイレ行くくらいであんなにコソコソする必要あるのか?お前はアイドルか。
しかもあの時、廊下にだれかいたような・・
「雪菜ちゃんも言っていたけど、本当に蔵霧くんって、変態さんだね。」
二度も言うな。もう俺の心はズタズタだ。
そして、教室に入ってしばらくたって、
「長谷川さん、いる?」
と、声が聞こえてきた。そして、長谷川の姿を見つけると、
「ちょっといいかな?」
そういって、長谷川の手を引っ張って教室を出て行った。
確かあいつは、隣のクラスの小鳥遊希望だ。最近は不登校気味で、あんまり学校に
来ないと聞いていた。まさか来ているなんて。しかも、あいつはかなりのオタクだと
聞いている。まさか、長谷川も実はオタクなのか?いやいや。この前だって委員長と、
「オタクってキモいよね~」
「うん。そうだね。」
って話してたじゃん。ありえない。うん。ありえないな。じゃあ、この二人は
どうやって知り合ったんだ?長谷川は、先月転校してきたばっかりだぞ。
先月、小鳥遊は学校に来ていなかったし・・
謎は深まるばかりだ。クラスの女子に聞いてみても、誰も知らなかった。
思い切って長谷川に聞いてみようかと思ったけど、また変態などと言われたら、
僕が不登校になりそうだ。うん。やめよう!
しばらく小鳥遊と話していた後、長谷川が帰ってきた。僕はとっさに話しかけていた。
「どうかしたの?小鳥遊と知り合い?」
「う、うん。ちょっと・・ね。」
と長谷川は、はぐらかしてきた。怪しい。
クラスの女子たちも聞いたが、はぐらかされたらしい。
僕は密かに長谷川と小鳥遊の関係を調べようとしたが、クラスの女子にばれて、
変態、最低、と散々言われた。でも、気になるから、今度はばれないように調べよっと。今度ばれたら、先生に言われそうだな。ハハハ
その後、先生に手伝いを頼まれた。その帰りに、校舎の裏を通って帰ったら、どこからか話し声が聞こえてきた。こんなところで誰が話しているのかな?と思いながら見たら、
なんと、長谷川と小鳥遊が話していた。これは、あの謎を知るチャンスだと思い、
聞き耳を立てようとしたが、ちょうど話は終わったみたいだ。
というか、小鳥遊、普通に学校来とるやん。まずい。長谷川がこっちに来る。
こんなタイミングでばったり会ったら、私の後、つけてきたの?変態さんだね。とか
私の秘密を知ったわねとか言われるに違いない。どうしようと考えていたら、
「あれ?蔵霧くん?こんなところで何してるの?」
「ひゃうん。」
思わず変な声が出てしまった。
「まさか、聞いてたの?」
と、長谷川が不安そうに聞いてくる。
「いや、先生に用事を頼まれてさ、終わったから、帰ろうとしてたとこ。」
言っておくが、本当のことだからね。マジで聞いてない。聞こうとはしたけどね・・
ん?長谷川さんのお顔が怖くなっていらっしゃる。まさか疑っている?
「そっかぁ、ならよかった。」
長谷川が笑顔になって、安堵の息を漏らす。よかった。疑われてはいないみたいだ。
それにしても、長谷川の笑顔って本当にかわいいな。
次の日、僕は長谷川に呼ばれた。これって、もしかして、告白の流れじゃないか?
期待に胸を膨らませて、長谷川との待ち合わせ場所に行ったら、長谷川と小鳥遊がいた。
心の準備はできている。いつでも来い!長谷川。
ん?小鳥遊がいた?
「えぇえぇーなんで小鳥遊がいるの?」
「私がいて何が悪いのよ。私は実空留に呼ばれたからここにいるのよ。」
どういうことですか!長谷川さん!僕に告白するんじゃないんですか?
「希望に来てもらったのは、蔵霧くんに言わなきゃいけないことがあるからなの。」
そうか・・僕は勘違いをしていただけなのか・・
でも、この二人ってことは、あの謎がわかるのでは?
「実はね、私は・・・・・」
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴った。
「ごめんね、蔵霧くん。話はまた今度。」
そういって長谷川は、教室のほうへと走っていった。僕は話の続きが気になってあまり
午後の授業に集中できなかった。
そして、その日の放課後、事件が起きた。長谷川がトイレに行ってすぐ、
長谷川のスマホに誰かからROINがきた。それを、委員長が興味本位でROINを
読んでしまったのだ。
「え?小鳥遊さんから?」
そして、トークを開いてしまったのだ。
「え?これって・・」
僕も気になって覗きこんでみた。
「なんだ。小鳥遊と話していることかー?それなら、僕も知ってるよ。そんなに驚くこと
ないんじゃない?」
「違うよ。小鳥遊さんと実空留が仲いいのは、私たちでも知ってるよ。ただ、ROINでやり取りしてるのは知らなかったけど。」
「じゃあ何に驚いているの?」
「よく見て、蔵霧。小鳥遊さんとのトーク内容を。」
委員長は普段なら蔵霧は見るな!変態だから。とか言うのに、すんなり見せてくれた。
「え?」
目を疑った。そのトーク内容は、『今回は私のためにコス着てくれてありがとう』とか、
『やっぱりハセ☆ミク☆れぼりゅーしょんは、最高のコスプレイヤーだったよ』とか、
普段の長谷川からは想像できないような内容だった。しかも、会話内容が長谷川も嫌っているはずのオタク系の内容なんですが。
この、ハセ☆ミク☆れぼりゅーしょんって人、誰かに似ているような‥その時、
「え?」
短い悲鳴みたいなのが聞こえてきた。声のした方を見ると、長谷川が真っ青な顔をして
立っていた。長谷川や僕が何か言うよりも先に委員長が、
「実空留、これどういうこと?まさか・・」
その先は聞かないでもわかる。
「実空留、答えて。今まで私に嘘ついてきたの?私がオタクを嫌っていることを知って、
嘘ついてまで友達やってたかったの?」
「ごめんね。雪菜ちゃん。私・・」
委員長が長谷川の言葉を遮って、
「私は、実空留がオタクでも、嫌わなかったよ?だって・・」
委員長は泣きそうな声で続けた。
「確かにオタクは嫌いだよ。でも、自分の親友だもん。嫌いになれるわけないよ。
でも、嘘はついてほしくなかったな。実空留のこと信じてたのに。
そんなの本当の友達じゃないよ!」
そういうと委員長は泣きながら教室を飛び出した。一番の親友に裏切られて、
さすがの委員長も感情をコントロールできてない。委員長とは子供のころからずっと一緒だが、こんな委員長の姿なんて初めて見た。
次の日、委員長は今年になって初めて学校を欠席した。
楽しんでいただけましたでしょうか。少し見にくいい点などあったと思いますが、これから改善していきたいと考えております。今後ともよろしくお願いします。