異世界へ
空だな。ここは、空だ多分
地面が下にあるし…。俺いま…落ちてるし!?
「うわぁぁぁあああ!?お助け~!」
なんで今、こうなっているかと言うと
少し時間を巻き戻して話そう。
ここは、日本の真ん中の東京。
ジリジリとした夏の暑さと
コンクリートジャングルの照り返しによって
その暑さをより暑くさせていた。
「また、ここミスしてるよ…庄子君…ハァ…。」
「あ…はい。すみません。気をつけます。」
俺の名前は、庄子 勇太
今年の春から社会人になったばかりの、
新社会人というやつだ。
だが、しかしそんな俺はいまとてつもない
悩みを抱えていた。
それは…。
『仕事辞めたい。』
そう、仕事を辞めたいのである。
わざわざ 故郷の田舎を出て東京に
働きに来たのはいいものの。
仕事ってこんな辛いのか…。
仕事大変過ぎでは?夏休みは?
そう、俺は早く田舎に帰って
もうフリーターで暮らすところまで
考えていた。
でも、そんなことをしたら、実家の母さん
に殺されるし…。
アニメで見た異世界に行けたらな…
異世界に行って エルフ耳とか…くっ殺騎士とか
と旅に出て世界救ってみたいし。
まぁそんなこと起きるはずないのだけど。
『ほんとに異世界に行きたい?』
頭の中に子供のような声が鳴り響いた。
「えっ…誰!?」
俺は急な声に驚き、人が大勢いる通りの真ん中で
大声で叫んでしまった。
周りの視線が痛い…。
俺はスマホを取り出し 電話に出てるような素振りで
その声に返答した。
「あの…どちら様でしょうかぁ?」
『ふふふっ…ねぇ?異世界に行きたい?
異世界に行って 勇者になりたい?』
どうやらこっちの質問には答えてくれないみたいだ。
その時、上司のいやな顔やアニメの世界のことが頭をよぎった。
「まあ・・・なりたいかな」
『本当に!?良かったあ。じゃあ手続きをするよ』
あ、これには反応してくれるのか。
『じゃあ、ステータス決めなくちゃね!じゃあこれを見て!』
そう言われた途端、頭の中にイメージが
ダイレクトに届いた。
~~~~『ステータスについて』~~~~
攻撃力
通常攻撃 又は 近接スキルに依存して威力が上昇するよ!
防御力
近接攻撃、魔法攻撃、状態攻撃への耐性力が上昇するよ!
魔力
魔法攻撃 強化魔法及びに状態異常効果への威力が上昇するよ!
俊敏性
早く動けようになるよ!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『しかもなんと今回は!異世界到達者10000人目を記念して
10000ポイントボーナス上げちゃいまーす!!』
パンパカパーンという音とともに嬉しそうな声が頭に響いた。
「じゃあ、魔力に10000で」
やはりこういう時は全振りに限るな!
『え。いいの?それで!?本当に!?』
「お願いします」
『まあ、いいかじゃあ、異世界でのいい旅を!
詳しいことは付属の「初心者冒険者指南」で確認してね!』
その瞬間、目の前が暗転したら 今の状況である。
「ぬおおおおおおおおおお!落ちる死ぬ!あ、初心者冒険者指南で
対処法を・・・」
ペラペラ
攻撃について・・これじゃない!
防御について・・・これだ!
何々・・魔力寄りの方は右手を突き出して・・・・
『防衛魔法!プロテクト!』
その瞬間周りにシールドができ地面に衝突した
あまりの衝撃だったのか周り一面がひび割れ地割れしていた
「生きてるううううううう!」
まさかの無傷!
しかし・・・ここはどこなんだ。何もない平原に
いるのは羊のようなもふもふと
俺一人きり、さて何から始めようかな・・・・?。