言い訳「恋した瞬間許されなかったの」――白の供述
昔から私という女性は残酷でした。
オルカに負けたくないと意気込む人へ、オルカの真似事を強いていたのです。
私は昔から、オルカに恋をしていました。
心から敵わないのだと諦めていました。
そんな私に、「自分はオルカに似ているから」と必死にアレクスは自分を選ぶよう求めてきました。
可愛い恋心なんてものじゃありません。
アレクスの国は少しでも、支援が欲しかったようでした。
私の国が一番、六人の中でお金を持っていて、敷居が高いからこその交渉だったようです。
お互い望む物を提供しよう、という密約でした。
少しでもアレクスがお金を望むのなら支援し、私が少しでも寂しがったらアレクスは時間を惜しみなく即座にやってきてくれました。
なのに、私という女は酷い女で、ずっとずっとオルカを認めないエミリ様が憎かったのです。
私の国は、清い者……つまり生きている者しか受け入れない国でした。
人々は天国の一歩手前の国と呼んでいます。
オルカが裁いた人を、天国が受け入れる前に、手続きを済ませる国でした。
それ故に――オルカは死者の国の王子だからこそ、絶対に結ばれてはいけない国でした。
「ねえ、お願いよ、あの人を殺して。もう我慢ならないの。
私、この世界が大嫌い。オルカを愛せない世界で、オルカの愛も認められない世界。
オルカの恋は、エミリ様さえ認めれば、結ばれて成就できるというのに。
それならいっそあの人が死んで、オルカの傍にいけばいいのよ」
聖女にあるまじき発言でした――それを、アレクスは本気にしたのです。
全てをアレクスのせいにするつもりはありません。
あの人が背負うのなら、私も背負う。
表裏一体、それがあの人との契約の全て。
だからあの人は、私の望む何もかもを熟知し、オルカを真似る道化になるのでしょう。
あの人自身が、オルカになりたくなくとも。
臆病で卑怯なのは――きっと私だけ。
皆は自分の欲望に、忠実だから。




