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公爵との出会い
ある日のこと侯爵令嬢が三人でお茶会をしていた。ただ、いつものようにお話をするだけの。楽しくないわけじゃない。むしろ楽しい。ただ、嫌な予感がしていたのだ。
「お父様がね!新しい香水を買ってくださいましたの!」
お喋りな彼女の名はクレア。いつも楽しい話をしてくれる。
「へぇー」
興味がなさそうだけど、誰よりも話をよく聞いているのは、ミサ。
二人とも素敵な友だちだ。
「きゃー!」
「え!?」
クレアが急に叫ぶので、クレアを見つめる。
ミサも驚いたらしく、ものすごい勢いで立ち上がった。
クレアの目線をたどると、そこにはジゼル公爵がいた。ジゼル公爵はクレアが想いを寄せる人だ。いつも手紙を送っているらしいが、返事が来たことは一度もないらしい。
「銀色の髪は美しく風に揺れ、紫の瞳は美しくきらめく…」
「ふっ」
ミサがいつもクレアが言っていることを言い出した。面白くて、笑っているとミサが
「こっちに来る」
と言った。その意味を理解したときにはもう遅くて、ジゼル公爵は目の前に立っていた。
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