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時の狭間の魔ほぉ〜石シリーズ

四年後の世界でも、ヒロインが頑張って会話率百パーセントに挑戦してみました!

作者: 立花 黒

「シグー、なんか面白い話してー」


「なんだよ急に……って、いやなんでこんなところにシャルルが! 」

「あれ? もしかして嬉しくないの? 」

「それは嬉しいんだけど、……それよりなぜこんな事になっているのかと」


「そこ、こだわるとこ? 」

「あぁ、こだわるよ。読み手の皆さんもきっとそこが一番気になっているはずだ! 」


「たしかに現実だと、指名手配犯のシグが、シャールストン隊長の口添えでレギザイール軍第二師団八番隊に所属する事になり、その後隊長補佐まで昇格した私に会う事は確率的に少ないんだけどさ、このさい夢の中って事にしてみればいいんじゃないかな? 」

「近況がわかる説明ありがとう! しかし、これってまさかの夢オチなのか? 」


「白状します、夢オチです」


「なんてこってす! しかし初っ端から夢オチ宣言とは偉く勝負に出たな」

「いや、そうでもしないと一生逢えないかもしれないでしょ? 」

「たしかに」


「だからこの機会を無駄にしないためにも、存分に楽しめばイーと思うよ」

「……それって、暴走しても良いって事なのかな!? 」

「うーん、手を繋ぐまでなら」

「お子様か! 」


「ほぉ、今のこの私を見てもなお、まだお子様扱いするのかな? 」

「言われてみれば髪の毛が胸の辺りまで伸びている! 」


「気づいたのはそこだけかい! 」


「いや、もちろんそこだけじゃないけど、なんて言うか大人の女性と言うか……実際に色気みたいなのが出てるよな」

「そりゃー、17歳と21歳とでは、女性は大きく変わっちゃいますよ」

「いやほんと、名前の通り輝いてるよ」

「ほっ、褒めてもなにも出やしないぞ! 」

「その流れは! 」

「おやっ、ポケットの中に何かが入ってーー」

「いやいや、本当に何にもいらないから! 」


「頑なですね」

「頑なですよ。しかしただでさえ女性が少ない軍にシャルルみたいな女性がいたら、声を掛けまくられたりするんじゃないのか? 」

「直属の上司がユアン隊長だからさー、そんな事は無いんだけどー」

「ユアンが隊長だと!? 」

「そだよ、それとあと一応ファンクラブはあるかな」

「あるんかい! 」


「そんな事よりシグはどうなの? どうせ逃亡先でも誰かれ構わず優しくして、女性と仲良くしてたりするんでしょ? あー汚らわしい」

「俺に限ってそれはないよ」

「本当? 」

「女神レイアザディスに誓って! それを言うならシャルルこそどうなんだよ? ファンクラブがあるくらいなら、それこそ選り取り見取りなんじゃないのか? 」


「☆¥%〒★〒」

「小声じゃわからないよ」

「聞こえなかったならイーよ。……それよりシグ、ミケ姉から聞いたんだけど、今もゼルガルドにいるの? 」

「それはーー」

「復讐を果たした後もそこで暮らすつもり? 」

「……いやーー」

「本当はもう付き合ってる人とかいたりするんじゃないの? 」

「なっ、なんだよ急に? なんかシャルル……らしくないぞ」


「……」

「……」


「シグごめん、……今のは無かったていで、よろしく」

「ああ、わかった。ーーそう言えばあのユアンが隊長ってのは本当なのか? 」

「本当だよ、すんごい頑張ってるからね。でも私達の師団長がすんごく癖があるもんだから、会う機会が多い姉御は大変そうだよ」

「出世も考えものだな」


「さてと、そろそろ目が覚めちゃいそうだから、お開きにしますか」

「おっ、おおぅ」

「そうそうシグ、いつか占い通りになると良いね」


「えっ、それってどう言うことだっけ? 」

「……わかんないならイーよ、じゃーね」

眼が覚めると頬を伝い涙が零れた。

そしてなんだか懐かしい夢を見たような気がするが、うまく思い出せない。

でもこの言葉だけは何故かしっかりと覚えていた。


シグのバーカ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 本編を全て読んだ訳では無いのですが、それでも物理的、心理的な二人の今の関係がほのかに伝わってきます。 自分の話にもこんなシーンを持ち込めたらな、とまで感じてしまう、ロマンチックな会話でした。…
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