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英雄と呼ばれる少年  作者: ワラビ
5/10

5話 父さんからの贈り物

俺は父さんに叩かれてからずっとボーッとしていた。


父さんが刀を持って行った理由とあの焦りようで何が起きているかだいたい分かった。

きっと軍隊が戦っているのだ。


少し時間が経つと、外が騒がしくなった。

遠くではない。近くだ。


俺は外に出て確かめてみると町の方から沢山の人が走ってきた。

そのほとんど、いや、全て女性と子供だけだった。

俺はとにかく皆をなんとか落ち着かせて話を聞いた。


「一体町で何があったんですか?」


すると一人の女性が


「ソール軍が攻めてきたの!

エタナリオと同じでここからの奇襲を考えていたのよ!」


俺はやはりそうか、と思った。


「でも、なんで男性はこっちに来れないんですか?」


俺はその女性にもう一つ質問をした。

すると、


「男性は強制的にその場で徴兵されたのよ、、、」


その話をして、女性は悲しい顔をした。

その人だけではない。皆とても不安そうな顔をしていた。


俺はなんとか少しでもこの場を和ませられるようにとにかく家の食べ物や部屋を提供した。

ラガシアの町は小さい町だったので、うちの家にもなんとか全員入れた。


その時、町の方で爆発が起きた。

俺はもう耐えられなくなり、父さんから貰ったなまくら刀を手に持ち、走り出した。


家からは俺に向かっての声が聞こえたが俺はその声を振り切り一気に山を降りた。


降りている時に俺は何か嫌な予感がしたんだ。


そしてラガシアに着いた時、ほとんど町は壊滅状態だった。

町の人達や軍隊の亡骸もかなり横たわっていた。

だがまだ奥の方で戦っている音が聞こえる。


行ってみると、父さんが複数の相手と対峙していた。


その戦う姿を見て、やはり父さんは尋常ではないと思った。

相手は銃を使っているのにそれを避けたり、刀で防いでいるのだ。


そして、相手の弾丸がなくなった隙をつき、一瞬にして全員を切り倒したのだ。


その姿はまさに鬼神、俺は背筋がゾッとした。すると、


「ライト!?なぜ来たのじゃ?」


「うぅ、ごめんなさい。心配で、、、」


「全く、ここまで来てしまっては仕方ないか、それにここにはもう敵はおらん。

急いで帰るぞ。」


どうやらさっきので最後だったらしい。

だから俺たちは急いで帰ろうとした時、今度は家の方から爆発音が聞こえた。


俺たちは言葉が出なかった。

どうやら別働隊がいたらしい。そして気がつくと周りはソール軍に囲まれていた。


すると、父さんが一歩前に出て構え、一言発した。


「ライト、もしかしたらお前も助けることができんかもしれん。じゃがな、もしも生きていたならこの技を忘れるでないぞ!

この技はワシの剣術の奥義じゃ、、、」


俺はこの絶望の状況のせいで声がでなかった。ただ聞くことと見ることしかできなかった。


そして父さんは微笑をした後前を向き、青い闘気を出し、奥義を繰り出した。


その技は前方に闘気を集中させカマイタチの形にし、一つは横向き、もう一つは縦向きにし、青い十字のソニックブームをつくった。

それはとても大きく縦横だいたい7mくらいの規模だった。


そして父さんが刀を振り下げたと同時にソニックブームは敵の方へ飛んで行った。


しかし、敵は最後の悪あがきに銃を乱射し、一発の弾丸が父さんに当たり、倒れた。


ソニックブームに当たった敵全員は体を飛ばされ沈黙と化した。


俺は急いで父さんに近寄った。

父さんはまだ意識が残っていたが、既に風前の灯だった。

すると、


「ライト、、、は、やく、逃げなさい、、、ここには、ま、だ敵が、、来る、、」


俺は何も喋れなかった。

でも父さんはニッコリ笑って俺の右手に刀を渡してくれた。


「1日早め、のプレ、、ゼント、だ。この日の、、、た、めに父さん、、は刀を、つく、てい、たん、だ

ラ、イト、、、誕生日、、、おめでとう」


そして父さんは目を閉じた。

俺は涙を途切れることなく流した。そうしている間にソール軍が何人も近寄ってきた。

俺はその時、今までにないほど怒りの感情が満ちていて、ソール軍の兵士に鋭い眼光を向けた。


俺は父さんから貰った刀を鞘から抜き、構えて、吠えた。

その咆哮はまるで獣のように、、、

そして、俺の体から紅黒い電撃がほとばしった。

それを見た兵士たちは驚きのあまり、尻餅をついていた。


そして俺が紅黒い電撃を体から解き放ち、気づいた時にはここは丸こげの荒野と化していた。

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