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とあるほしのものがたりSHIT!!第7話

下にいる者が多いものは上を、上にいる者が多いものは下を見る。

きっと両者とも数が多いものを数えるのがめんどくさいに違いない。

プライドや誇りなんて持つ者の傲慢だ。持たざる者はそんな余裕なんてないんだ。

例えば生まれた時から最強クラスになることが確約された種族なら少しの不利益だって許容できるし、

親子や姉妹等同種族の仲間と仲良く獲物を分け合うことだって可能なんだと思う。




だけど僕はそうじゃない。最強クラスどころか最弱クラスといってもいいくらいだ。

ゴゴゴカイには強者に立ち向かうための力なんてない。ただ不可逆的に食われる食物連鎖の底辺だ。

強キャラは手を抜いてもそれなりに高性能で

「余裕そう」「カッコいい」「ああ見えて努力してるんだ」「白鳥は見えないところで(以下略)」「COOOOL!!」

弱キャラは必死になるしかないのになったところで、

「見苦しい」「デブが走るのとブサイクがカッコつけるのは惨め」「ただしイケメンに限る」「来世からやり直せ」

別に強キャラになるために努力をしたわけじゃない。努力自体が無意味だし、馬鹿にされるし、大変だし

強キャラが少し努力したら抜かれるし。

でも、いいじゃないか。少しくらい才能をくれたって。僕の人としての人生を奪ったんだ。もっと優遇すべきなんじゃないか。

くそっ、くそっ、なんだよ、こんなの絶対おかしいよ。



シットはそうやって強きものを妬みながら知る中で自分が倒せる現状唯一のモンスター、『同族(ゴゴゴカイ)』を襲った。

シットは反撃を恐れて自分よりもさらに弱い個体を選び攻撃するようにしているが、

観察力のないためか時折相手の力量を見誤ることもある。そんな時多少の反撃を受ける。

流石に今迄自分より遥かに強い奴には当たっていないが、多少の怪我をするときがある。

ゴゴゴカイは埋めや増やせやの質より数の種族なので、回復する性能を高めるよりそいつをエサにして育った仲間がそれ以上産めばいいのだ。

あまり怪我しすぎると仲間に食われる。今回襲ったゴゴゴカイは多少手ごわく、少し噛み付いてきた。もう死体となったそいつが

自分だけじゃなく多くのゴゴゴカイに群がられその生きた痕跡を海中に浮かぶ体液以外完全に無くしたのを見て、

自分より弱いのを殺しつくして怪我を負いすぎれば自分もいつか狙われるかも知れないとシットは恐怖に脅えた。


シットのレベルが10に上がった時、スキル『多産』『無性生殖』が実用可能になった。

初期ステータスや体の大きさにも関係するのだろうが、シットが知ったら発狂モノのエリート型最強クラス種族、

雀蜂モンスター、ヴェスパが卵を産めるようになるのが成虫からであるようにゴゴゴカイが卵を産めるのはだいたいLv10くらいからだ。

弱い分生殖サイクルが短いのは食物連鎖の底辺に大体共通することである。


取りあえずシットは卵を産むことにした。最初はいろいろ思うところがあったのだが結局大量に卵が産まれた。

その結果、シットよりも確実に弱い命たちが数多く生まれた。

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