とあるほしのものがたりSHIT!!第6話
某ワンダーランドで、最初に遭遇した敵が同種の液状生物だった時に、
戦闘させたことに罪悪感を感じた人、挙手。
ピロリロリーン
<シットは経験値を手に入れた。シットのLvが1上がった。シットはレベル3になった。>
別に僕は悪くない。別に僕は悪くないんだけれど…、
なんだか上がったこの経験値がザーコの命を犠牲にした業のような気がした。
強くもない僕が唯一倒せる敵を時折倒しては経験値を
得て、そして成長して(なれて)いった。殺した数が10を超えた時には、
手間取って(くるしんで)いたのが嘘のように片手間に感じるようになった。
でも、僕は悪くないんだ。強者が生きる(たのしむ)ために弱者を食べ(いじめ)る。
これは前の世界でもあったことだ。僕は生きる(いじめられない)ためには自分より弱い生き物を殺す(いじめる)しかないんだ。
だから僕は殺す。これが自然の摂理だ。―――――――――――――――――――――もしそれが間違いだというのなら、
どうして僕はいじめられ続けてきたんだ。おかしいじゃないかっ。ちくしょうっ。
僕がもしストライピーフィッシュ(もっとつよいもの)になっていたらストライピーフィッシュ(したがいるもの)の同族を
殺さなくてよかったのに。僕をゴゴゴカイ(したがないもの)にした奴が悪いんだよ。
僕はもう苛められ(くわれ)たくなんかない。僕は苛めっ子になる(くう)んだ。たとえそれが友達であってもなんだとしても。
そう呟い(じえいし)てシットは見知ったゴゴゴカイのくびを食い千切った。
シットは経験値を手に入れた。
シットのレベルが7になった。
種族 ゴゴゴカイ
名称 シット
ランク F+
属性 海 蟲 岩 弱点 特になし
HP146 SP41 ATK42 DEF38 INT999│(種 限界値) MAG19 RE29 DEX29 AGI14
称号 観測世界からの来訪者
スキル 異界の記憶 無性生殖 仲間を呼ぶ 柔軟性│(NEW!!)
喰らったものの力が手に入ることをシットは体の柔らかかった同族の身を持って知った。
僕をもっと強い奴にしてくれればよかったのに。
だから、僕が強いものになっていくしか、生きる道がなくなるんじゃないか。