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とあるほしのものがたりSHIT!!第11話

シットは比較的安全な巣に帰った後、無い頭でいろいろ考えた。『もう一人の僕』が出来上がるまでの再生力。

勿論一撃でやられてしまっては意味がないのだが、強くない相手には十分じゃないか。

そう考えていると、




シットは『超再生』から新スキル『分裂』を手に入れた。

『超再生』の応用で、わざわざ体を千切らなくても『分裂』できるようになったのだ。

シットは喜んだ。これで卵を産んで食うよりも効率のいいレベルアップができる。






―――――そう、今度は『シット自身』を食えばいいのだ。

シットは取りあえず分裂してみた。

『もう一人のシット』シットが名付けた名で呼ぶと『アイボー』が現れる。

シットとアイボーは互いに離れると同じことを叫んでぶつかり合い喰らいあった。


「「僕におとなしく喰われていろよ、この偽物がぁっっ!!!」」


そう言って喰らいあった後、両者は怪訝な顔をする。

―――――そう、どちらも自分こそが本物のシットだと思っていたのだ。


だからこそ殺しあう。自分が本物だと証明するために、

だからこそ悲惨になる。同一の強さがぶつかるために、

だからこそ陰惨になる。互いが互いを見下しているがために。


底辺同士が今激突する。



同じ見た目のものが、傷つけあう。それはなんとも悲惨で不気味で滑稽な話である。

互いに分裂だけは使わなかった。勝率が1/2から体力の消耗分だけガクッと下がるからだ。

互いに同時に進化した。一文字多く大きいだけと馬鹿にしたゴゴゴゴカイへ。デーブよりも遅れて。

互いにSPも底をつき超回復もままならなくなったとき最後の泥仕合が始まった。

海底の砂を巻き上げて遂に片方が勝利した。最初に相手を馬鹿にしていた方だった。



アイボーを食う傷ついたシットの周りをゴゴゴカイ達が囲む。

それは勝利への賞賛ではない。勿論調子に乗って同族を殺したシットへの復讐でもない。

――――傷ついた同族(シット)を食うためだ。




もはや超回復の利かない体にムチ打って、アイボーの遺体さえも放ってシットは巣から逃げ出した。

ちくしょうちくしょうっ。そう言って逃げたシットに似合う言葉は一つ。『因果応報』

または、『どうでもいい』である。

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