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奇襲攻撃

--------緊急通信--------

魔王軍一部部隊が王国北部に上陸。

部隊の規模は不明。

繰り返す、魔王軍が王国北部に上陸、規模は不明。

「今なんて言った?」

急遽冒険者ギルドへの招集が行われた僕らと村長は信じられない言葉に耳を疑った。

「ですから、魔王軍の部隊が少数、北の沿岸部に上陸したらしいんです。」

つまり、魔王軍の領土からは離れていたはずのこの王国北部の地域がいきなり最前線になったわけである。

「これが現在までに分かっている敵の侵攻ルートです。」

そう言ってエリカが広げた地図によると、

まず、魔王軍は港湾都市『ハイドル』へと上陸、これを占領し、山を越えようとしていた。

「この様子だと、奴らの狙いはニュートラルか。」

「そうだろうな、あそこは北部地域で最大の街だからな。

そして、そこを抑えるとなると…」

「山とニュートラルの間にあるこの村を制圧しに来るだろうな。」

「制圧ならまだいいが、破壊という手段に出られたらどうしようもないぞ。」

「援軍は?」

「それが…」

「どうかしたのか?」

「援軍は全てニュートラルに派遣されるそうです…ですので…その…」

「…捨て駒か。」

確かにそう判断されても仕方がないだろう。

たかだか人口数百人の農村よりも、万単位の人口を擁する中枢都市のほうが重要だと判断するのは何ら不思議ではない…

「…村人はどうする。」

「中央政府からは何も言われていませんが、ニュートラルからは避難民を受け入れる旨の連絡が入っています。」

「…………」

「………!魔法通信が入りました。中央政府からの指令です……はい!……………はい?……………し、しかし、それでは……………ちょ、ちょっと待ってください!待って!……………」

「……どうだったんだ?」

「……………中央政府より指令です、アルカディアの衛兵はその全力を持って迫りくる魔王軍を撃退せよと…」

「は?」

「…………」

「ふざけるなよ…中央政府の連中は俺らに死ねと言うのか…俺たちをなんだと思っているんだ…」

「………村長、エリカさん、村人の避難を開始してください。」

「し、しかし…」

「俺はこの村の、この国の衛兵です。

中央政府からの指令とあれば従わないわけにはいきません。」

「……すまない。」

そう言いながら村長たちはギルドからでていった。

「お前らも避難しろ。」

「……………はぁ…仕方がない、腹括るか。」

「できる限りのことやるしかねぇよな。」

「私もやってやるわよ。」

「お前ら、

自分が何言ってるのか分かってるのか!?」

「それはこっちのセリフだクロス。

僕はクズだが、キミが残るっていうのにのこのこ逃げ出すほどクズじゃない。

それに、最初会ったときに助けてもらった恩もまだ返せてないしな。」

「俺も、普段クロスには世話になってるからな。」

「私は最初からこの村を守るために派遣されたのよ。当然、私も残るわ。」

「…………そうか…………総員!魔王軍到達までにできる限りの防衛準備を整えよ!これより、アルカディア防衛作戦を開始する!」

「「「了解!!!」」」

「まずは魔王軍がどの程度でここまでやってくるかだ。」

「この分だと、補給も考えると明日には山を越えるだろうな。となると……接敵は2日後の深夜あたりかな。」

「2日…あまり時間がないわね。」

「チンタラ塹壕なんて掘ってたらすぐ時間切れだ。」

「…エリカさんの言ってた事によると、敵は比較的少数らしい。そこで一つ作戦を思いついたんだが…」

と僕は思いついた作戦をみんなに話した。

「なるほど、それならもしかしたら勝機があるかもしれないわね。」

「わかった、2日もありゃ準備できるだろ。

やってみるよ。」

「よし、我々はシンジの作戦に全てを賭ける。

総員、戦闘準備開始!」






アルカディアの村から約1kmの地点

ハイドルを制圧しきった魔王軍はニュートラルへの攻撃のため、山を越え、ニュートラルの目と鼻の先にあるこの村を占拠することにしたのだが…

「妙だな…村から光が全く見えないぞ。

人間共はどこに消えたんだ?」

「ナグザール様、奴らはおそらく我らに恐れをなして逃げ出したのでしょう。

斥候兵からの情報によると村人も全員いなくなっているようでしたし。」

ナグザールと呼ばれた魔物はこの部隊の司令官である。

「それもそうか、フハハハハ。

しかし、村人がいないのは残念だ、人間の女は絶品なんだがな。」

「いや〜前の街は最高でしたね。ナグザール様。何せ上等なのがあんなに沢山。」

「まぁいい、この村の先にはでかい街があるらしい。そこで楽しもうじゃないか。」

このときの魔王軍には明らかな油断があった。

上陸作戦があまりにも上手くいき、圧倒的な勝利を果たしたこともそれに拍車を掛けた。

しかし、たとえそれがどんなに精強な軍であったとしても、

油断というものは、

全てのものに平等に牙を剥く。






ドガァァァァァァン!!!

夜の闇を切り裂くように唐突な光と音が響き渡る。

「っしゃぁ!奴らまんまと罠にかかりやがったぞ!」

「こうしてみるとなかなか恐ろしいわね、

あの兵器…」

「やっぱ地雷は何時でも何処でも効果テキメンだな。」

「敵の隊列が崩れた今がチャンスだ!」

「オッケー。」

「分かってるって。」

「いっちょ殺りますか。」

「照明弾発射!総員、攻撃開始!」

「「「了解!!!」」」

照明弾により夜の闇の中にポッカリと浮かぶ敵の影。

この突然の光と地雷により大混乱に陥った敵に対し、

魔法と野戦砲、そして、ライフルによる情け容赦のない総攻撃が始まった!

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