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魔法&科学

調子に乗るとこうなるよ。

「「…………………………」」

「さてと…それじゃぁなんでこんなことになっているのかを説明してもらおうかの。」

村の外れ、シグネの実験室のそばで、村長をはじめとする村の人総出で詰め寄られている二つの影、

対決だなんだと言って村の周りの土地をボッコボコに破壊しまくったシグネとナシアである。

「え、えっと、その、こいつがですね、俺の科学を馬鹿にしやがってですね、それで、その、身の程をわきまえさせてやろうかと…」

「それはこっちのセリフよ!貴方こそ私の魔法を散々に貶してくれたじゃない!」

「お前が始めた戦争だろうが!それに…」

「ええい、黙らんか!

そんなことはどうでもいい!

お主らには村の周りで破壊の限りを尽くしたことに対する反省はないのか!」

「「それについては誠に申し訳ありませんでしたぁぁぁ!」」

地面が抉れんばかりに凄まじい勢いで頭を擦り付ける二人。

「ただ…一つ言いたいことがあるのですが…」

「なんだ?言ってみよ。」

「じゃぁ…」

「「なんでお前らがそっちにいるんだよ!!」」

そう言ってシグネとナシアが指を指した方を振り返って…

「「俺じゃないアピールしてんじゃねぇよ!!」」

おっとやっぱり指差してた相手は僕とクロスだったようだ。

「いや、クロスとシンジは真っ先にこの惨状を知らせてくれたのだからこっちであろう。」

「違うんですよ村長、こいつらあの場にいたんですよ、それで面白そうだとか言いながらどっちが勝つかで賭け………」

「おいおいおいおい、怒られたからって言い訳でっち上げるなんて、往生際が悪いぜシグネ。」

「そうだそうだ、悪いことしたらちゃんと反省する、これちっちゃい子でも知ってる常識。」

「「うわぁ…」」

二人が人ではない何かをみるような目でこっちを見てくるが知ったこっちゃない。

こいつらの破壊行動を止めなかったこと+それで賭けをしたことがバレれば二人まとめて一発アウトだ。

それを避けるためなら手段を選んではいられないのだ。

「まぁよい。シグネ、ナシア、お主らにはそれぞれ罰を与える、まずシグネ。」

「は、はい。」

「お主はこの不穏な状況を鑑みて臨時の衛兵になってもらう。」

「え?」

「何か不満があるのか?」

「い、いえいえ、滅相もありません。」

「よろしい、次に…えっとマナシ何とか。」

「ナシアです…何時まで続けるんですか?これ。」

「お主に関しては普段の活躍に免じて不問としよう。」

「はぁぁぁ!?

いやいや、村長!理不尽じゃないですか!?

なんで俺は罰があってこいつには罰がないんですか!?」

「日頃の生活態度の違いだ。

マナ…ナシアは、普段から村のためにいろいろな事をしてくれている。

たいしてお主のすることと言ったら、道端での喧嘩、実験による騒音トラブルやボヤ騒ぎ、ゼネルとの親子喧嘩による道の封鎖、上げ始めたらきりが無い。」

「…理解はしましたが、うち一つは親父にも言ってくださいよ…」

「では、二人に対する処罰は以上とする。解散!」

「「シンジ!クロス!覚悟しろ!」」

「シンジ!」

「持っててよかった煙幕弾!」

シューーーー

ブチギレたシグネとナシアによる鬼ごっこが始まった!





「二人共!今でてくれば拳何発かで済ませてやる!」

「出てこないと拳が魔法と弾丸に変わるわよ!」

殺す気満々じゃねぇかコイツら。

「10、9、8……」

このままでは非常にまずい、

そう思った僕は決断した。

「おいクロス、せーので一気に飛び出すぞ。」

「…わかった、死ぬときは一緒だ。」

「いくぞ、せーの!」

掛け声を上げた瞬間僕は、

ドンッ!

クロスの足を思いっきり蹴飛ばした。

「痛ぁぁぁぁ!

シンジ、テメエやりやがったな!!!」

「すまないクロス!

この恩は、多分忘れないから!」

「「確保ぉぉぉぉぉ!」」

「クソ野郎がぁぁぁぁぁぁ!」

クロスを犠牲に生き残ることにしました☆




「シンジぃぃ!!何処だぁぁぁ!!」

「見つけたらボッコボコだなこりゃ。」

「私右腕潰したい。二人はどうする?」

「左手。」

「股。」

「いやぁ、いいねいいね、楽しみだねぇ。」

「「「出てこいシンジ!」」」

やっちまったぁぁぁぁぁぁ!!!

そりゃそうだ、クロスブチギレるに決まってんじゃん

なんでそんな簡単なことにも気づかず敵を増やしてしまったんだ僕はぁぁぁぁぁぁ!!

もはや謝ってどうにかなる問題じゃねぇ。

もういっそのこと村から飛んじまうか?

いや、この勢いだと地の果てまで追ってきても不思議じゃない。

どうにか打開策を…

ガシッ

腕に伝わる手の感触、その手の力は徐々に強くなり、僕の思考は完全に停止する。

次の瞬間、その手はすでに僕を羽交い締めにしてしまった。

全身から嫌な汗が噴き出し、心臓は未だかつてないほどに強く鼓動をしていた。

僕はそっと目を閉じ、そしてはっきりと聞いた。

「「「見ぃつけた。」」」






僕こと田中真次が凄惨な最期を迎えてはや一週間。

最初の3日間は半殺しにしては回復魔法で強制回復を繰り返す生き地獄を味わい、最終的にはボコボコにされた後に4日ほど放置されて今に至る。

「あっシンジ、ちょっと話したいことが…」

「ッッッッッ!!!!」

「…いや、ちょっとあれはさすがにやりすぎたというか…」

「……………」ガクガクガクガク

「なんというか…その頭に血がのぼって後先考えてなかったわ…」

「「「本当にごめん!」」」

「…ごめんなさいごめんなさい

生きててごめんなさいぃぃぃぃぃぃ」

ダダダダダダダッ!

「「「あっ……」」」

この後2週間くらい3人とまともに話せませんでした。

--------魔王軍特殊水上作戦部隊へ-------

人間どもの防衛線は想定よりも強固であることが判明した。

この結果を受け魔王軍総司令部はNM作戦の実行を決定した。

諸君らの作戦行動に我が魔族の未来がかかっている。

健闘を祈る。

--------魔王軍総司令部より--------

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