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就活系冒険者

この作品の主人公の体力はどっかのカス虫と同レベルです。

さて、クロスの家に居候させてもらえるようになった僕こと田中真次だが、クロスに取り敢えず仕事を得るために冒険者として登録することを勧められた。

いわく、冒険者として登録したときにもらえる冒険者ライセンスというものがこの世界での身分証明書のような物になるらしい。

ということでクロスと一緒に冒険者ギルドに向かった。

「こんにちはクロスさん。」

「こんにちは。」

「ようクロス。この間はありがとな。」

「いやいや当然のことをしたまでだよ。」

「あっクロスさんだ!こんにちは!ねぇねぇまた一緒に遊んでよー。」

「こんにちは。ごめんな、今忙しからまた今度な。」

「クロスって人気者なんだな。」

「まぁ小さい村だし、俺もここで生まれ育ったからな。ほとんどの人は顔なじみだ。」

そんな他愛もない会話をしていると、冒険者ギルドに到着した。

「こんにちは。」

「あっクロスさん、ちょうどいいところに。」

「どうかしたのか?」

「実は村外れの、畑にヤガパルドが出たみたいで。」

「ヤガパルド?」

「お前が襲われた奴だよ、このあたりにはよく出るんだ。それで?それの駆除をお願いしたいと。」

「お願いできますか?」

「いいですよ。ただ、ちょっとこいつの冒険者登録をしたいんだよ。」

「彼ですか?なら私がやっておきますよ。」

「そうか、助かる。あっ、そうそう。彼はちょっと遠いところから来た人だからここらへんの常識に疎いんだ。何か聞かれても邪険にせず答えてやってくれ。」

「はい。わかりました。それではよろしくお願いします。」

「あぁ行ってくる。ということだからシンジ、あとはその人の言う通りにしてな。」

「わかった。いってらっしゃい。」

そう言うとクロスはギルドの外へと飛び出していった。

「さて、では冒険者登録に入らせていただきます。

そうそう、私は受付嬢のエリカと申します。

ではまず、この紙に自分の名前と年齢をご記入ください。」

そう言って出された紙に字を書こうとしたが、用意された筆記用具はまさかの羽根ペン。

当然、羽根ペンなど触るどころか見たことすらない一般通過田舎高校生の僕は、

「……………」

解読不能の謎言語を書いてしまうわけで、

「ええっと…はい、字が苦手でしたら口頭でも構いませんよ…」

なら最初からそうしてくれよ。

「あっはい。名前はシンジで、年齢は17歳です。」

「はい。シンジ様17歳ですね。今何かしらの職業に就いてますか?」

「飲食店のバイトを」

「はい、飲食業ですか。」

「しようとして面接に落ちました。」

「紛らわしいことは言わないでください。

えっとつまり、今は無職と。」

「はい…」

「そうですか、では取り敢えずこちらから幾つか職業を提示させていただきます。」

エリカはそう言って、3枚の紙を出してきた。

1枚目は、

衛兵の仕事だった。どうやら今村の衛兵として働いているのはクロスのみらしく、人手が足りていないとのこと。ただ、僕は体力が無いため恐らく戦闘には向いていないだろう。

2枚目は、

炭鉱の仕事だった。

論外である。

3枚目は、

農家の仕事だった。

…どうやらこの世界は体力が無い=無職らしい。

2枚目と3枚目はできる気がしねぇし1枚目が一番マシか…

「それじゃぁこの衛兵で。」

「衛兵ですか。それでは後日適性テストを行いますのでよろしくお願いします。」

「はい、わかりました。」

「こちら、冒険者ライセンスです。」

「あの…このEっていうのは一体?」

「それは冒険者のランクです。ランクが高ければ高いほどより報酬の多い難しい仕事ができます。」

なるほど、よくあるやつだな。

「ありがとうございました。」

「はい、シンジ様のご活躍をお祈りいたします。」

冒険者ライセンスをゲットした僕は一足先にクロスの家に戻ることにした。


次の日

「それではこれより、衛兵見習いシンジの適性テストを行う。」

衛兵の適性テストはこの村唯一の衛兵であるクロスが行う事となっていた。

「適性テストって具体的になにするの?」

「まぁ、そう硬いもんじゃない。武器がどのくらい使えるか、とかそんなもんだ。じゃあまずどんな武器を使うかからだな。取り敢えずその太刀を使ってみろ。」

クロス指さした太刀を構え…

るどころか持ち上げることすらできない僕。

「…ま、まぁ向いてないってことだろ。

じゃあこれを使ってみろ。」

今度は片手剣だった。

クロスの言った通りに振るってみたのだが…

「…お前根本的に剣に向いてねぇな。」

「……!これにする。」

「ボウガンか、確かに力が無くても使えるが扱いにくいと思うぞ?」

「使えるだけマシだと思う。」

「それはそうか。

じゃあ取り敢えずあの的を狙ってみてくれ。」

「わかった。」

ヒュンッ

「外れたか。」

「次で当てる。」

ヒュンッ

そう言って、僕が放った矢は、

ドスッ

狙い違わず的のど真ん中をぶち抜いた。

「ウソだろ!?」

自慢じゃないが、僕は元の世界で射程が滅茶苦茶得意だった。

おかげでゲーセンや祭りからは射的禁止令を食らったが。

それが、この世界ではかなり生かされそうだ。

その後も20発ほど撃ったがうち17発を命中させ、

「うん、お前もう合格。近接格闘術は微妙だけど射撃が上手すぎる。」

見事、衛兵の適性テストに合格した。

この世界の武器はやけに重く作られています。

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