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第11話! 完成!PEエリアドーム!!

 <化け物を倒してくれるのはいいんだけどねぇ。こう田んぼを荒らされちゃどっちが化け物化分かったもんじゃないよと言いたくなる。保証は国から出てくれるけどさぁ>

 <ジュライハーの襲撃も怖いですが、軍の攻撃も十分怖いですね……今回はどうにか避難が間に合いましたが、軍の攻撃に巻き込まれでもしたら……>


 <……このように、被害に合った地域の住民たちは感謝半分、困惑半分と言った様子であり……>


テレビに映るのはこの前ジュライハー出現で荒らされた地域の住民たち(事前に撮った映像)と、中継で復旧が進む現場でリポーターが説明をする光景。


 <そりゃあ50mものデカブツがハンマー振り回せばああもなるよ>

映像がスタジオに戻され、番組の名物大物芸人がそう発言をする。




 「と、まぁ50mのロボットが現実で戦ったらこうなるよねってのが分かったね」

テレビを消して手のひらをヒラヒラさせて語る綾川博士。


 「すまない。あの時は敵の飛行タイプの動きに戸惑って体当たりを食らって倒れてしまい……そのせいで被害が出てしまった……」

 「気にすんな。誰のおかげで最小限にとどまったかもわからねぇ輩なんざ気にする方が馬鹿だ」

 「この国の報道。あれが許されてるんですね……」


 結城、健斗、ヴィオラのいつもの3人がそう思い思いに話す。パイプ椅子に座ってテレビの上映会と言った処である。


 「結城クン以外あんまり気にしてないようだけど、出来れば結城クンみたいに気を病んでくれた方がいいかなぁと思う所ではあるんだけど。まぁ戦闘の度足元を気にしなくちゃいけないとなると勝てる勝負も勝てなくなるよね」

 よね? と確認するように尋ねる綾川博士。


 「あんな巨体なんだから気にせず戦えばいいだろう」

 「ジュライハーを放置した方が被害が出るので気にせず戦うべきではあると思います」

健斗、ヴィオラは否定的であった。


 「そんな。こっちは一応軍なんだから国民を守る義務があるんだぞ?」

 「有事法だかなんだかで民間から編入されただけだ。俺達は軍隊じゃない。それに国民とか大袈裟だ」

 「編入されただけだからって!家や畑、建物を壊していいことにはならないだろっ」

 「お前はいい子ちゃん過ぎるんだよ。俺らがあそこでジュライハーのクソを叩き殺さなきゃあの辺一帯は軍の一斉砲撃やらで更地になる予定だったんだ。あん位で泣き言いうなら言わせてやれ」

 「お前が悪い子ちゃん過ぎるんだよっ」

 「あ〝あ〝?」

いつの間にか二人は立ち上がり、一触即発の状態に陥る。


 「はいストップ。とりあえず健斗クン。民間から編入されても軍に編入したからには軍法が適用されるから流石にやり過ぎると軍法会議に掛けられてしかるべき処罰が下るよ?」

 「失礼」

 「まぁ概ね結城クンの言う通り、彼等にも生活がある訳で、できれば周辺を破壊して欲しくないって話なんだよね、うん」

 そう言って腕を組む綾川博士。


 「ひょっとして博士。例のアレが完成したんですか?」

ヴィオラがそう目を輝かせて言う。


 「ああ、ペンドラニウムエネルギーを網状の半球に展開する装置『PEドームエリア発生器』がついに完成したのさ!」

綾川博士がエッヘンと得意げにする。


 いつの間にか背景のスクリーンにそのPEドームエリア発生器らしき球体の機械が映し出されていた。


 「PEエリア……名前からするとそいつで敵を隔離して倒す……的な奴か?」

健斗がそう推察する。


 「PEドームエリアはクォーリードラゴン開発と並行して行われていた災害時、即席の避難所なんですよ。今は1kmの効果範囲ですが、ゆくゆくは小型化を行い、一部屋だけ絶対壊れない部屋を形成する事だってできるんです!」

ヴィオラは興奮し得意げに説明をする。


 「……悪用されたら大変だな」

興奮して説明するヴィオラに対して健斗は警察らしい冷ややかな態度で言う。


 「まぁ。少なくともこれでPEドームエリア内は破壊されるけど外は破壊されないようにできる」

 「周りの損害が広がらないようにできるんですね」

 よかった。と安心する結城。


 「最初クォーリードラゴン・カオを見た時、本当に災害救助できるのか? と思ったけど、案外考えているんですね、綾川博士」

 結城はそう綾川博士を褒めた。

 「兵器ばっかりじゃ予算の付き方が悪いからね。それに新たな新エネルギーのペンドラエネルギーに悪いイメージがつくのも良くないから、こうやって災害救助用に使えるんだよって知ら示めさないと」

 「それが科学者の仕事です」

 「あ、ヴィオラくん。それは私の台詞だぞっ」

とるな。と小突く綾川博士。


 「それで博士。これってどう使うんですか?」

結城はそう尋ねる。

 結城の疑問は当然である。この装置かなりデカい。10mぐらい?

 スクリーンに映ってるデータがそれを示している。


 「それがね。これを使うにはペンドラニウム炉を搭載した機体じゃないとエネルギー的に無理なんだ」

 「えっじゃあクォーリードラゴンがこれを担いで使うんですか?」

 「いや、別件で作った垂直離着陸機に搭載する。幸い、これは単体で浮く奴だしフルチャージなら3時間は持つから切り離せるよ」

 心配する結城を安心させるために博士は答える。


 「え!? ペンドラニウム炉を使った機体がクォーリードラゴン以外にも!?」

 「色々と下積みあってのクォーリードラゴンなのだよ結城クン」

 驚く結城に、諭すように答える綾川博士。


 「それで博士、その垂直離着陸機とやらはどこに?」

 「ああ、もうすぐ来る頃さ」

そう言うと部屋の電話が鳴る。

 「はいこちら綾川博、あ、来た? じゃあ行くね」

取ると数秒で切る。


 「そういう事で行くよー」

 「どういう事!?」

そう驚く結城。


 「やれやれ、またこのパターンか」

 「お決まりのパターンになりましたね」

健斗とヴィオラはそう言いあって、二人に付いて行くのであった。


続く。

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