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第1話! 死してもなお、その魂は不滅…!


 『我々は究極生命体ジュライハー。貴様らのような不完全な下等な生命体に生きる価値などない。死ぬが良い』


突如としてそのような声明があらゆる通信器から流れると、全世界の主要都市に巨大な怪獣が現れた。


 ここは魔法の時代が終わりそれでも様々な人類がいる竜無き世界。一人の王が名付けた暦、新世界歴も274年が経過した時代。街は天を突かんとするビル群が立ち並び、空には航空機が飛び、地は自動車や電車が走り、宙にはステーションも浮かぶ科学の時代となっている竜無き世界。


 この竜無き世界に今、竜が目覚める!!!


 戦え!クォーリードラゴン!3つの熱き魂が人類の未来を護る!!!


―――――――――――――――――――――――――――


 『ば、馬鹿な……我がテクシートが……使役されるだけの貴様ら人間如きに……負ける訳が……!!!』


 「俺達人間、いや人類は……お前達の奴隷なんかじゃない!!!」


 人類が環境兵器を手に入れて核兵器を破棄したのは200年前だったとされる。

 だがそれは卑劣な宇宙人テクシートの陰謀であり、環境兵器は彼等の環境操作システムでしかなく、星間勢力である彼等に環境兵器で殺し合う人類は無力であった。

 テクシートの奴隷となり星々に散らばった人類であったが、それから150年が経過し、テクシートの技術や他の星間勢力の技術を取り込み、ついにテクシートへ反旗を翻すまでになっていた。


 そして今、人類の独立軍エース『レンヤ・アビントン』は、テクシートの皇帝と対峙していた。


 レンヤ。強大なテクシートに立ち向かう勇気ある人間に育ってほしいと願われて育てられた過去をもつ。

 彼は独立軍に入隊し、卓越した操作技術で瞬く間に独立軍のスペシャル(特殊)アタック(攻撃)フォース(部隊)ゴットウィンド(神風)』にエースとなったのだ。


 卓越した操作、そう彼が駆る兵器は二足歩行型ロボット・ウォーギア(WG)の『アークキャット』である。

 ウォーギアとは人類がまだ地球に住んでいた頃、気象兵器により天候不順でも問題なく作業ができるように開発された作業ロボットだが、今は様々な技術が盛り込まれ戦闘用に開発されており、独立軍に広く使用されている。


 特にレンヤの駆るアークキャットは最新鋭の機体で、この最終決戦の為に間に合わせるように開発された彼専用の機体であった。


 「バトルテック・ウォーハンマー!!!」

無意味に武器名を叫んでいる訳ではない。戦闘用WGは音声機能により自動的に武器が飛び出すのだ。


 バトルテック・ウォーハンマーと呼ばれるその武装は、ハンマーである。

 テクシードの戦闘ドクトリン上、バリアーで覆われた硬い兵器が多く、その為、それを破るためにハンマーという比較的広い面積による物理攻撃による破壊が最適という結論に至り、標準的な装備となっている。ハンマーの中には合金製の杭が仕込まれており、敵を殴った際に追加攻撃としてその杭を打ち込む事ができる仕様になっている。


 最も、アークキャットに積まれている物は特別仕立てであり、先進的な重力操作技術や電磁射出技術等を存分に使用されており、理論上、光の速さを出す事もできるとされている。


 ≪レンヤ!?お前、まさか!!≫

 仲間か通信が入る。

 その間にも、敵からの猛攻撃がなされているが、レンヤは攻撃をかわしている。


 「ああ、リミットブレイクをするッッ」

 ≪死ぬ気か!?≫

 リミットブレイク、上記の理論上ハンマーを光の速さまで出す事ができるようにするリミッターを外した状態の事であり、つまり自爆と同意義であった。


 「この機体の損傷率じゃどっちみち助からない!」

 <そんな……!>

そう、レンヤのアークキャットは既にボロボロであった。

 確実に死ぬ。彼も理解していた。


 「だから相打ちするしかねぇ……すまねぇ……約束は無理そうだと伝えてくれ……じゃあな」

 ≪お、おい!!!まt≫

通信を強制的に切る。これ以上は別れが惜しくなるからだ。


 「待たせたな!テクシートの親玉!!」

 『ええい!何故当たらんのだ!!』

 テクシートの皇帝は焦っていた。

 テクシートの皇帝が乗る機体はオールレンジで範囲攻撃を行っているが、攻撃は一向に当たる気配がない。

 こちらも損傷は激しいが向こうも同じな筈だと思っていたのにこちらからの攻撃が当たらない程の驚異的な回避を見せているからであるが、焦りの色がどんどん濃くなっていく。


 「うおおおおおお!!!ウォーハンマー!!!リミットォォォ……」

レンヤはテクシートの皇帝の間合いに入り込んだ!


 『ここで死ぬというのか!!テク・シートの皇帝の我が!!人類なぞに!!?』

 皇帝が叫ぶが、既にレンヤは彼の機体の攻撃の死角である至近距離に入っており、そこはレンヤの間合いであった。


 「ブレイクゥゥゥゥ!!!!!!」

音声認識機能でバトルテック・ウォーハンマーのリミットは既に解かれており、そしてブレイクする。


 振り下ろされたハンマーは、テクシートの皇帝の機体にブチ当り、そして、合金製の杭が打ち出され、確実に皇帝の命を奪う。

 その刹那。光の速さを出したために、振り下ろされた箇所の半径10キロ圏内の重力場が歪む。


 数秒後、凄まじい爆発と共に超小規模なブラックホールが生じ、テクシートの宇宙要塞は爆発崩壊をする。


 「皆……終わったぜ……」

爆発をする寸前、レンヤはそう呟き、そして爆発に巻き込まれ、消えて行った。




 かくして人類独立軍はテクシートの本拠地である宇宙要塞への強襲を成功させ、皇帝を打ち取る事ができたのだ。

 人類は勝ったのだ。多くの犠牲を払い……。


 レンヤ・アビントンの名前は人類の英雄として永く記憶されていくこととなる……


 だが……


 レンヤの魂は消えてはいなかったのだ……!!



 ※          ※


 「思い……だした!!!」


 レンヤの戦いは、これからも続く……!

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― 新着の感想 ―
[一言] 地を這い! 泥水を啜り! 地道に物資を蓄え技術を磨き! 俺たちは歯を食いしばってこの時を待っていたんだ!! こういう最終決戦が前世の終わりなの大好きです。
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