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  短大生♀×専門学生♂(中編)

 「じゃ、椿が誰とでも付き合うのはその男が原因なのね。」

はぁーとため息を吐き言った。

そして先ほど、鳴っていたメールを確認する

「ちょっと待ってて」

用事があるからとsoleilに向かった霞

私は、霞のバイト先に来ていた。

最近のお気に入りのキャラメル・ラテ。

「霞が相手してやれだってさ。」

目の前に座り話しだした男性

「雅さん、こんにちは。霞のやつ、大切な兄さんを誰とでも付き合う女の相手だなんて何考えてるのかしら」

と苦笑いで返す私

「霞や俺は椿のことちゃんと知ってるからな。そーやって無理して自分作ると疲れるぞ?相手を傷つけないようにわざと嫌われて振ったり振られたりお前自身は大丈夫なのか?」

霞から話を聞いたのだろうか?

でも、結構すぐに来た。

そんな話をしている時間はなかったはず

「霞は何も言っていないよ。何かあるんだろうなとは言っていたが」

じゃぁ、なんでっ?言葉にはしていないがきっと表情でわかったのだろう。

「自分を作って頑張っている奴を知っているからな。」

ちょっと切なそうに微笑む雅さん

「ところで、ずっと椿を見てる男がいるんだけど、彼氏?」

私は首を傾げる、振り返った。

そこには、なぜいるか知らないが長谷くんが立っていた。

私は慌てて顔を正面に戻した。

「あーぁ、なんかわかってしまったよ。」

私の顔を見てわかったのかそう言った。

「さすが雅さん。」

といったもののなぜか笑えない私

「さすがついでに彼のこと気にしないでくれると助かります。」

中身が少なくなっているカップをクルクルと回していた。

「霞には、帰ってくるまでって言われたけど奴と話をしたい?」

雅さんの言葉にびっくりしつつも首を振り即答した。

「了解。俺の待ち人がくるまではいるから安心しなさい。」

目障りだったのか、ずっとクルクルとカップを回していた手を止めるために押さえ言った。


 「雅さんの彼女の話し聞かせて。どんな人なの?」

気を紛らわせるため、聞いて見た。

そして話してくれた自分を作って仕事をしているのは彼女だということ。

ただそれが仕事だから自分といるときには思いっきり甘やかすと自信満々に宣言した。

「お二人が羨ましいです。私は、もう恋はしません。」

真直ぐに雅さんを見ることができず俯く私

「恋はしようと思ってできるものじゃないよ?誰だって傷つくのは怖いよ。それでも人は恋に向かっていく。なんでだと思う?」

厳しい言葉なのに優しさを感じる言葉でもある。

「・・・」

私は黙って考え込んだ。

なのにわからない。

恋はしようと思ってできるものじゃないなんてことはわかってる。

「ったく、拓さん霞には甘いんだから・・・」

店の入り口を見てはぁーとため息を吐いた。

「そんなに考え込むことじゃないよ。でも少し考えてごらん」

雅さんはそういい席を立ち私の頭を撫でて入り口に向かった。

そこには、霞と女の人と男の人、3人がいた。

私は、はっと長谷くんのことを思い出し振り返ったがいつの間にかいなくなっていた。


 「椿、お待たせ。」

かなりご機嫌でやってきた霞

奥を見ると一緒に来ていた女の人は雅さんと一緒にいた。

あの人が彼女なのかな?

そして霞の隣には一緒にいたもう一人の男の人・・・

「あっ、この前の・・・」

霞を合コンに連れていった時、隣のブースにいた人だ。

「そうだった、一回会ったよね。改めまして、こちら杉田 拓さん。こっちは川久保 椿」

お互いに軽く挨拶をして彼は自分と霞のコーヒーを買いに行った。

「で、さっき 椿の天敵が来てたんだって?」

椅子に座り言った。

「まだ好きなの?」

いきなりの霞の言葉

「そんなわけないじゃない。もう5年も前のことよ?」

力一杯言った。

「5年も前のことを引きずってるのは誰?それに好きじゃないならいつも通り付き合って嫌われてきなさい。」

霞の言葉に反論できなくなり私は、黙り込んだ。

「悪い、いきなり仕事がはいった。今夜、連絡するよ。」

コーヒーを持ってきた拓さんだったが、すぐにそういい霞の返事も聞かずに女の人を連れて出て行った。

霞もなにも言わずにいってらっしゃいとだけいい手を振った。

「椿、気分転換に髪でもきったら?知り合いの美容師さんがカットモデル探しているのよ。」

髪か・・・

そういえば、最近きってないな。

きっても腰近くまである髪を揃えるくらいだし・・・

「かまわないわよ。」

しばらくして、私はそう答えた。

気分転換したら、少しはいろいろ考えられるかもしれないし


 「んじゃ、今から行こうか♪」

はっ?今からって・・・

「あんた、今からバイトでしょう?」

だから、今日ココに来たのに・・・

「そうだよ。美容師さん 私の直接の知り合いじゃないのよ。兄さんの彼女の担当さんで、幼馴染の彼氏なの。ってことで、兄さんが連れて行ってくれるわよ。」

それからしばらくして、霞とたわいのない話をしていると雅さんがやってきた。

「椿 行くぞ。」

用件も言わずに私の腕を引っ張って立ち上がらせた。

「どこに?」

いきなりのことで話が付いていかない。

「美容院。連絡したら、今からこいだとよ。ったく、ずうずうしいところまで花梨に似てきたんじゃーねーのか?」

ボソボソと独り言のようにいう雅さん

「兄さん それ、花梨ちゃんにきっちり伝えてあげようか?」

ニッコリと隣で微笑む霞

「余計なことはいうな!!椿近くだから歩いていくけどいいか?」

私は 素直に頷き バイト時間になった霞を置いて店をでた。


 「いらっしゃいませ。雅くん久しぶりね。豪だろ?ちょっとそこで待ってて」

店に入るなり長髪の男の人が近づいてきた。

なんかの雑誌に出ていた気がする・・・

美容室の名前を見てみたら《soleil》となっていた。

知っているはずだ。

今人気の美容室の一つだ。

「雅さんもココの美容院?結構有名だよね?ココ」

近くにあるソファーに座り、小さな声で聞いた。

「俺は、違うよ。ココは彼女のお気に入りだよ。って、言っても俺の髪も豪さんにきってもらってるけどね。幼馴染の特権で」

そういえば、さっき幼馴染の彼氏だとか言ってたな・・・

「お待たせ。その子?うわぁーきれいな髪だね、本当にいいの?」

奥からやってきた、一人の男性。この人も見たことがある・・・さっきの男の人とよく載っている。

「はじめまして。元町 豪です。」

と手を差し出され私も手を差し出し握手した。

「あの、特に希望もないのですが。。。」

私は、素直にどうしたいとか何も考えていないことを言った。

「かまわないよ。雅くんはどうする?今日は姫さんのナイトなんだろ?終わったら連絡入れようか?」

私の髪を触りまくりながら言う元町さん

「そうしてくれ。いつものところにいるからあとよろしくな」

そういいお店を出て行った雅さん


 お店自体は、もうすぐ終わりといった時間で回りはせっせと片づけか自主練習とスッタフだけになっていた。

「普段は髪、結んだりする?」

カット台に移動し相変らず私の髪を触り考え込んでいる。

すごく真剣な表情を鏡越しに見ていた。

「どうかした?」

鏡越しに目が合った。

「いえ、すごいなぁーと思って。魔法の手ですよね。美容師さんって無条件で憧れちゃう。」

素直に思っていることを言う私

「そーいってもらうと俺たちも嬉しいな。といっても表側は派手に見えるけどなかなか地味な事も多いけどね。例えば、いま後ろの方で片付けをしている人いるでしょ?」

カットを始めた元町さん。

私は目だけを鏡に移し言われた通り後ろの方を見た。

そこには男の人が床を掃わいている後ろ姿があった。

「彼ね、いま専門学校に通いながらここでバイトをしているんだ。もうすぐ半年になるかな。俺も今ではカットしているけど、ココまで上り詰めるのは並大抵の努力がないといけないんだ。何度も、辞めたいと思ったこともあったけど、俺は続けてよかったと思っているよ。」


 美容師の仕事は大変・・・

聞いたことはあった。

まだ、私が中学生の頃従兄弟のお兄さんに憧れて美容師になるっていっていた奴がいた。

その頃は、まだ二人は仲がよくてよくお兄さんの話を聞きにいった。

美容師に限られたことではないことぐらいはわかる。

でも、目指すものとしては、やはり贔屓目になりがちなのだ。

「今、サラリッと自分自慢したことに気がついていますか?(笑)」

私は 元町さんが言った言葉に噴出しそうになった。

「・・・あっれは、もののたとえで・・・」

びっくりしてはさみを落としそうになり慌てる元町さん

「クスッ、冗談ですよ。」

なんかこの人が人気あるのわかる気がする。

なんだか憎めない・・・


 「豪さん、フロアチェックお願いします。」

奥から、声が響き 元町さんはちょっと待ってて。といって 奥に行った。

なにげなく私は その姿を追ったが、すぐに手元の雑誌に視線を移した。

「OKだ。帰っていいぞ」

奥から、元町さんの声が聞こえていた。

店内には、数人しかいないため 声が響くのだ。

「豪さん カットの練習ですか?」

きっと、さっきの人だろう・・・

どうして、さっき気がつかなかったのだろうか

この声に・・・

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