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  短大生♀×社会人♂(後編)

「寄るところもあるので気にしないでください。」

いつもの私なら喜んで送ってもらうだろう。

でも今日は、昼間の紹介のことと居酒屋で一緒にいた綺麗な女性ことを考えると、とてもそんな気分じゃなかった。むしろ一人でいたい。

「危ないからダメだ。寄るところがあるならせめてそこまでは送る」

いつものように表情を崩すことなく言っているがいつもより少し声が低く感じる。

・・・なんか怒ってる?

なんか始めて会ったときみたい

ふとそんなことを思った。

「車取ってくるから待ってて」

そう言い残し拓さんは、駐車場の方へ行った。

駅前のロータリーで待っていると電話がなった。

ディスプレイを見ると椿と表示されていた。

なんだろう。

「はい?えっ・・あーぁ。すみません。」

電話をとると向こうからは椿ではなく、男の声だったのでびっくりした。

どうやらさっきのメンバーのひとりらしい。

椿は、そう簡単に携帯を触らせない。

勝手に電話を触られたのだろう。

あとで椿にはメールを打っておこう。

向こうから拓さんの車が見えたので、さっさと電話を切ることにした。

目の前で車を停めわざわざ降りてきてくれた拓さん


「どこに送ればいい?彼氏ん家か?」

私の方へやってきた彼は私から荷物を奪い後部座席に置いて言った。

「はっ?」

今彼氏のとこって言った?

どこでそんな話になったの?

「違うのか?今の電話」

あーぁ電話・・・って

「普通彼氏がいたら合コンなんて行きませんけど?」

って何で自分から合コンってバラしてるんだ私

「じゃぁ、好きな人って今日の中に?」

なんでこんな話になってるワケ?

「拓さんには関係なくないですか?」

ちょっと位 意地悪しちゃってもいいよね?

「そうだな。」

拓さんは不機嫌そうに言い運転席に回った。

あっ、拗ねた。

私、少しくらい自惚れてもいいですか?


「家に向かってください。今日はもうどこにも行きませんから」

助手席に乗り、真直ぐ前を見つめた。

チラッと隣を見るとなんとなくホッとした様子の彼。

私が勝手にそう見えるだけかな?

「今日はありがとうございました。お礼ってワケじゃないですけど、あの中にはいませんよ。」

そういい車を降りた。

「じゃぁ、なんでっ」

すぐに私の言った意味がわかったらしく車から降りてきた。

「私には見込みがないみたいだから。恋愛対象じゃないみたい。」

私は、拓さんの方に振り向かずに話した。

「そいつはバカだ。」

吐き捨てるような言葉

私はやっと拓さんの顔を見た。

いや、拓さんに向けさせられた。

「本当に、そう思ってる?」

う・・・顔が近い・・・

「嘘言ってどうする。で、どこのどいつだ?俺が殴って目を覚まさせてやる。」

私は夢を見ているのだろうか?

目の前の私の大好きな人が私の為に怒ってくれている。

自分のこととは知らずに

「何の為に?」

目頭が熱くなってきた。

でもまだダメ

もう少し我慢しなきゃ。

「2年前みたいに、へんな奴らから守るため?」

う~ん、意味がわかんなくなってるみたい。

「それは、無理だと思うけど?」

私の言葉に思いっきりムッとする拓さん

反対に笑いが込み上げてきた私

「自分で自分は殴れないでしょ?」

あっ、固まった。

う~ん、もしかしてあの時反応しなかったのっていまみたいに固まってた?

そう思ってもいいですか?

「私、結構自分からアピールしてたつもりなんですけど?あなたに会う為以外にあの店でバイトするメリットなんてないんですけど・・私たちが知り合ってからもう2年ですよ?なのにいまだに名前を呼んでもらえないなんて、意識されてないって思うじゃないですか!?」

固まってる拓さんに容赦なくまくし立てる私。


「さて、言い訳聞きましょうか?」

ニッコリと満円の笑みを浮かべた。

「えっと・・・じょう・・・「あっ、冗談なんてバカなこと言ったら二度と口聞いてあげませんからね。」

なんとなく拓さんが言いだしそうなことぐらい分かる、片想いをバカにしないでほしいわ。

「俺って、人のことなんてどうでもいいんだ。仕事以外って事だけど、それが3年前の離婚原因のひとつなんだ。相手に対して俺は必要以上に気にしたことはなかった。あの頃は、正直 田口のことが一番大切だった。もちろん仕事として」

私は、何も言わずただただ拓さんの話を聞いていた。

「きっと本気で彼女を愛していなかったんだといまでは思う。彼女には悪かったと思っているがそんな時、駅前で絡まれている女子高生を見かけたんだ。いつも通りシカトしようと思っていた。でも出来なかった。気が付いたら車から降りてその子を助けていた。たぶん一目ぼれだったと思う・・・」

目の前にいる真っ赤な顔した人は誰ですか??

かわいすぎるのですが・・・

「名前はその、今さら呼べなかったというか・・・あぁ゛―、もうこれ以上いえない!!」

あっ、ショートした・・・

「拓さん」

私は、彼に声をかけた。

「chu♪これからもよろしくお願いしますね。」

唇にキスをした。

面白いくらいに口が鯉みたいにパクパクなってる。

「おまっ・・・」

あせりまくる彼を置いて私は 

「おやすみなさい。」

そう残し、機嫌良く家に入っていった。


 後日談として、その現場を兄カップルと花梨ちゃんカップルに見られて拓さんはかなりからかわれたらしい(笑)



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