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第8話

 宿を出てすぐ、カウントダウンを表示する。



────────────────────────────────

 書字自動言語翻訳解除まで

 あと残り0日 02:17:55

 ※種族異世界人により神の慈悲で音声自動言

  語翻訳は免除

────────────────────────────────



(微妙、だな……二時間で見つかるか?)


 急いで家を選んでしまって、欠陥住宅だったら最悪だ。影響されないように、カウントダウンはすぐに消した。二時間以内にいい家が見つかることを祈る。


 昨日は色々必死だったから不動産までは把握できていなかった。だが、王都なだけに様々な店があり、不動産も複数あることがわかった。何件か回って資料のみを貰い、いまは路地裏にあるカフェにいる。人外の集まりなだけに、ガタイがいいのでテラス席にしてもらった。テラス席の並ぶ範囲のみ、石畳になっており、とてもお洒落だ。席は隣同士で半々に分かれて座った。


「どれがいいのか……」


 皆んなで紅茶やコーヒーを飲みながら、物件の資料をパラソル付きのガラステーブルに広げ、資料と睨めっこしながら話し合っていた。


 どの資料の物件も、大きな屋敷だ。金に糸目はつけないので、そういうものばかりを選んで持ってきたのだ。不動産で色々話し合いながら決めようとはじめは思っていたのだが、マシンガントークで一方的に勧めてくるだけの業者たちに引いてしまって、逃げるように出てきたのだ。


(向こうは商売だもんな……)


 物件の資料には、大まかな見取り図やLDKなども記載されていない。記載されているのは、大きな屋敷の写真一枚と売りに出された理由、屋敷から王都までの距離、そして金額だ。一見して情報量が少ないように思えるが、この資料にある写真を指で押せば、押した方向に写真の中の景色が動くようになっており、屋敷の周囲には何があるのか、中はどうなっているのか指一本で全て見れるようになっている。


 だが、右下に小さく記載されている資料の作成日がかなり前のものもあるから、実際に見て確かめた方が良さそうだ。


 屋敷には、貴族街にある廃爵によって売りに出されたものや屋敷を建てたがすぐに要らなくなった別荘、老夫婦が隠居するために王都から少し遠めに建てたもの、借金で払えなくなってそのまま住まずじまいのものなどがある。


 どの屋敷も、広く綺麗で部屋数が多い。エルフの希望は静かな場所にある家だから、王都からの距離を考えると、この隠居用の屋敷だろうか? だが、少し遠い。買い物のことを考えると大変そうだな……。


 頭を捻りながら唸っていると、隣の席から声をかけられた。


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