捕獲
見慣れないキラキラをよく観察してみると「でかいやつ」と「牙のやつ」は共闘してキラキラと戦っていた。
キラキラもうまいこと「でかいやつ」の攻撃を交わしていた。しかし「牙のやつ」のスピードにはうまくついていけていないようで剣で攻撃を受けつつも少しずつ胴のキラキラは傷つき鈍い光へと変わりつつあった。
そしてキラキラの動きも少しずつ鈍くなっていき、徐々に肩で息をし始めた。
「このままだとあの2体にやられて食い散らかされちまうなぁ…」
せっかく見つけた獲物だし3体とも俺が持って帰りたいところではあるが、キラキラの強さがわからない以上手を出すわけにもいかない。
だがあの2体に押されているところを見ると俺でも十分に倒せるだろうと踏んだ。
そしてより息を殺しチャンスをうかがっているとキラキラが動いた。
「切り裂き呑み込め!テンペスト!」
キラキラが言葉を発すると突然突風が吹いた。
その突風はあたりの落ち葉を巻き上げ、さらには「でかいやつ」と「牙のやつ」も持ち上げると天高くまで持ち上げた。
そして天へ持ち上げられるとその身体が粉々に切り裂かれた。
「うぉ!?なんだあれ!?」
普通じゃあり得ない気象現象であり、年に何回かある嵐より強力な風が突然吹き荒れ2体とも倒してしまった。
まさに一瞬だった。
すぐさま俺は警戒を最大限まで高めキラキラの動きをみる。
さっきの風の影響により空の雲は散り、暑い日差しが神々しくキラキラの場所を照らす。
その周囲には「でかいやつ」と「牙のやつ」の肉片が雨のように降り注ぐ。
キラキラは上を見上げ、動かない。いや、何かの準備をしているのかもと考え慎重に見張る。
しかしその考えは間違っていてキラキラはその場に倒れこんだ。
「しめた!」
俺は地面を最大の力で蹴り上げ一瞬でキラキラの身体を近くにより押さえつけた。
しかしキラキラは反応もせず大人しく捕まってくれた。
肩がまだ上下している所を見るとまだ生きているようだ。
「他のは粉々になっちまったしもう無理として、こいつは早く親父の所へ持っていくか」
早くしなければ目が覚めてしまうだろうし、そうなったらやっかいだ。
俺はキラキラを肩に担ぐと家の方角へ走り出した。