いざ、旅立ちの日
翌日朝、僕は村の入り口に立っていた。
本日、いよいよガイと旅立つので、その集合の為だ。
本当は朝9時集合の予定だが、気がはやった僕は朝7時に待ち合わせ場所に来てしまった。
父さんと母さんにはしっかりと出発の挨拶もしてきた。
母さんだけでなく、父さんも少し泣いていたのは意外だった。
まあ僕も泣いたけどね。
昨日は勢いのまま飛び出したから何も考えていなかったけどガイの準備のために一旦家に帰って色々話したから、改めて両親のありがたさを痛感した。
そのせいもあって今日挨拶するときはかなり胸に来てしまったのだった。
そうそう、ガイが急に旅立つって言い出した件だけど、時は昨日に遡る。
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「あ、俺も旅に出るから」
「は?」
こいつは何を言っているんだ?
「急に旅に出るとか言い出して、ガイはバカなの?」
「お前に言われたくねえよ!」
そうだった。
「で?急にどうしたの?僕のことが心配でそう言ってくれてるなら嬉しいけど大丈夫だよ」
「いや、まあそれもあるんだけどよ。俺ってベルセルクのジョブになっただろ?なら、その才能は生かさないとなと」
なるほど、僕と違いガイは、最上級ジョブのベルセルクになったんだった。
たしかに、その才能は生かされるべきだと思った。
そしてほとんど成功が約束されているようなもんだ。勝ち組というのはこいつの事を言うんだろう。
思い返せばガイがベルセルクになった時に「よくやった」とか言っていた自分を殴りたい。
でもなんか悔しいのでちょっとだけ意地悪を言っておく。
「そうだよね。僕のものまねしなんかと比べ物にならないジョブを持ってるんだもんね」
「そう、頬を膨らますんじゃねえよ。まあ、だからなんだ、もうしばらくよろしくな」
そっか、まだガイと一緒に旅が出来るのか。僕は小さいころ近くの山で遊んでいたことや、村の外に冒険に行った事を思い出して懐かしい気持ちと同時にとても嬉しくなった。
「ま、しょうがないね。僕は全然嬉しくないけどもうちょっとだけ付き合ってあげるよ!」
にやけそうな顔をなんとか平静に保ちながら話すとなんかツンデレっぽくなってしまった。
「お前のツンデレなんて誰の得にもならねえよ!」
なんだと!
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ということが昨日あり、ガイは僕と一緒に旅に出る事になったのだ。
と、そうこう思い返している内に集合時間になりガイがやって来る。
「おお、すまねえ待たせたか?」
「僕のツンデレに需要がないってどういうことだ!!」
「なんの話だよ!」
おっと、昨日のことを思い出す内に気持ちが高ぶってしまったようだ。
「ったく、相変わらず急な奴だな。まあいいや。で、準備は万全か?」
「うん、ばっちりだよ!」
「そうか、いよいよだな」
ガイと僕は色々と思い返すように村の中を見渡す。
沢山の思い出が詰まった村だ、今までの僕の全てがここに詰まっている。
旅立つのはやはり寂しいものがある。
しかしそれと同時にワクワクもしている。
今日から僕の冒険が始まるんだ。
いろんな出会いと別れ、まだ見たことのない景色、モンスターとの戦闘、もちろん理不尽な事も待ち受けているだろう。無力感に苛まれ、絶望を感じることもあるかもしれない。
でも、それも含めて冒険の醍醐味だと僕は知っている。
何でも来い、だ。僕は英雄になるんだ。まだ、英雄が何か、はわからない。なれるかどうかも不明瞭だ。
でも、負けない。困難に立ち向かってこそ英雄だ!
ああ、凄く楽しみだ。胸の高鳴りが抑えられない。
とりあえず大きく深呼吸をした。
そして
「よし、じゃあ行こうか!」
「おう!」
こうして、僕とガイは村の外へと
英雄になる為の一歩を踏み出した。
一歩だけ、旅立ちました!嘘ついてません!
面白くなかった、面白かった、面白くなりそう、面白くしてやんよ!
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小説も書きます。お昼寝も!ゲームも!アニメ鑑賞でもなんでもしますからあ!!