表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

第2話 出会い

「ここがコスタルカか・・・」


セシリーは国境を超え共和国のコスタルカに到着した。


「へえ意外と大きい町なのね」

コスタルカは共和国の中心部からは離れた土地にあるのだが比較的人口も多く活気ある町だった。

宿屋、酒場、道具屋、武器屋、ハンター組合の集会所など冒険者が生活する上で必要な施設は大方揃っているようだった。


(とりあえず情報収集しないとね)


セシリーはとりあえずその辺のオッさんに例の鍛治師について聞いてみることにした。


「・・・ちょっと、そこのオッさん」

「ん?俺かい?何か用かお嬢ちゃん」

「この町に凄腕の鍛治師がいるって話を聞いたんだけど何か知ってる?」

「鍛治師・・・ああ、知ってるぜ鍛冶屋ポルカの主人のことだろ?」


大柄で厳つい風貌をしたその男は外見に似合わず親切に教えてくれた。


「あーたぶんそれね、名前とかはよく知らないんだけど、その鍛冶屋ポルカ?はどこにあんの?」

「ちょうどいい、俺も今からそこへ向かう途中だから連れてってやろう」

「・・・それはどうも」


ついてこい、と言ってオッさんは歩き始めた。妙に都合が良すぎるのでセシリーは警戒心を高める。まあ仮に騙されたとしてもこのオッさんをボコボコにして他にあたるだけなのだが。

とはいえ・・・


「ねえオッさん、あんたハンターよね?」

「あ?ああ一応な」

「相当強いでしょ?レベルはどれくらい?」

「おいおい、いきなり見ず知らずの人間にレベルを聞くなんてお嬢ちゃんも図々しいな」


レベルとは個人の強さを端的に表す指標である。無論職業などで同じレベルでもステータスの差に違いは出るがハンターたちはレベルで相手の価値を判断することが多い。

レベルは特別なスキルなどを使用しない限り自分自身しか知り得ない情報であり基本的には自己申告である。


「別に答えなくたっていいけど・・・ただ見た感じ強そうだから聞いてみただけ」

「まあ昔はそれなりに腕を鳴らしたもんだが・・・流石に年には勝てねえからな。もうレベルダウンも始まってるし今はもうだいぶ衰えてるよ」


「ふーん」

「そういうお嬢ちゃんもやり手な感じがするがな。相当強えだろ」

「!」


セシリーは特別レアな装備をしてるわけでもない、見た目はか弱い少女剣士である。だというのに実力を見抜かれたことに彼女は少なからず驚いた。

無論カマをかけただけの可能性もなくはないが。


(いい勘してるなこのオッさん・・・)


素直に認めるのもアレなので「どうだろうね」とテキトーに返しておいた。





「着いたぜ、ここが鍛冶屋ポルカだ」


そうこうしてるうちに例の鍛治師のところに着いたらしい。


「じゃ、入ろうぜ」

「ああ」


入ってみると外とは明らかに空気が違うことに気づいた。

込み上がる熱気、充満する鉄の匂い。

壁には沢山の工具が掛けてあり床には黒いススが所々こびりついていた。


「おーいハルーー!客連れてきてやったぞ」


オッさんが大声で誰かに呼びかけると


「ほーい」


と返事が返ってきて頭にタオルキャップを巻いた一人の男がやってきた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ