勉強会を開きませんか?
# ブックマークありがとうございます! 励みになります。
# 初の作品で拙いものではありますが、続けて読んでいただけるよう頑張ります。
勉強会って教える方も勉強になる。
「来週から期末考査ね」
「おう。気が重い」
「ふふん。日頃の行いが悪いから気も重くなるのよ」
「おーおー随分余裕ですなー」
「あんたと違って日頃の行いが良いからね」
「左様ですか。ちなみにそんな日頃の行いが良いお方の、前回の考査って学年何位くらい?」
「張り出される順位表には載るくらいではあるわね」
「うそ!? あの順位表、上位50位までしか載らねぇじゃん。うちの学年320人くらいだから、えーっと上から15%くらいに入ってるのか? すげぇなおい」
「驚いた?」
「そりゃ驚くって。まじか。うわー驚天動地。もしかして塾かなんか行ってんの?」
「ううん? 適切に予習復習をして、自分の弱点だと思うところを重点的にやればなんとかなるもんよ」
「すげー。ちゃんとしてんなー」
「そういうあんたはどうなのよ?」
「俺か? あー、張り出される順位表には載らない。確か150位くらいだった。どの教科も平均点プラスマイナス5点くらいという、平凡オブ平凡」
「そういえば『成績は中の中』って言ってたわね。ずーっとそんな感じ?」
「そんな感じ」
「そっか。あんた、もうちょっと頑張ってみない? あたしが勉強見てあげるわよ」
「うーーーーん、そうだなーーー」
「あら意外。即却下かと思った」
「いやー、だってお前が50位以内にいるんだろ? 俺が150位くらいでうろうろしてんのも癪だしなんかカッコ付かねーし」
「へー、そんなこと気にする玉だっけ?」
「うーん、お前とは肩を並べられるくらいにはなってたいな」
「そ、そう? じゃあ、今度の試験に向けて勉強会でもする? 今週は勉強漬け、みたいな」
「いいね、それ。目指せ50位ってか。いけるかな?」
「真面目に頑張ればいけると思うわよ」
「実のところ、家で宿題以外の勉強って全然したことが無くってな。あんまり勉強方法が分かってないんだわ」
「ふーん。妹ちゃんに聞いたりしないの?」
「聞いたことないなー。特に成績に不満があったわけでもないし」
「お母さんのお腹の中に向上心を忘れてきたってわけ?」
「そしてそれを妹が持って出てきたってわけ」
「妹ちゃん、確か成績優秀なんだよね」
「うん。まぁ、妹のことはさて置き、勉強会はお願いしたいかな」
「じゃあ決まりね。あーっと、それなりに対価を要求するわよ?」
「げ。お金無いぞ。フィギュア買ったし」
「また買ったの?」
「限定版のやつ。入手しないという選択肢はない」
「ホント好きねぇ。まぁ対価はお金じゃないわよ。あんたの時間。試験終わって、もし50位以内に入ってたら、あんたの1日をあたしが好きに使うことができる」
「えーーーーーまた荷物持ちかよ。お前、容赦ないからなぁ」
「ふふっ 覚悟しといてよ。1日だからね?」
「荷物持ちだけじゃないってか。言っとくけどお金無ぇからな?」
「わかってるわよ」
「ちなみに」
「ちなみに?」
「50位以内に入らなかった場合は?」
「補習。地獄の補習。大叫喚地獄。冬休みは無いと思え」
「うそっ!? そんなスパルタなの?」
「嫌だったら試験勉強頑張ることね」
「うへぇ。なんかプレッシャーが半端ない。怖いよう」
「大丈夫よ。ちゃんとやればあんただったら50位いけるって」
「ホントか? まぁ、どのみちお前とは肩を並べておかないといかんからな。今のままじゃだめだ」
「えらく拘るわね」
「うん。じゃないとお前と同じ大学行けねーしな」
「え」
「俺の青春の捧げ先が無くなってもらっちゃ困る」
「う」
「頼むよ? じゃ、今日の放課後からよろしくな!」
「う、うん」
「なに真っ赤になってんの?」
「ううううるさい!」
「可愛い」
「うううううう」
「よろしく、相棒」
「……」
放課後の勉強会もずーっと真っ赤だった
至って真面目に勉強しました。