夏のご予定はいかがでしょうか?
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中間考査の順位発表
「さて。毎度のことながら緊張するな」
「そうねー。今回の出来はそこそこって感じかな。多分、前回とあまり変わらないと思うわ」
「あれ? 自信なさげじゃん?」
「そうでもないわよ? 考えてみてよ、前回17位よ? 目指してる国立大は30位以内が圏内だから20位前後はかなりいいポジションよ? もちろんTOP10に入れればすごいかもしれないけど、変に焦って調子崩すちゃうことはしたくないの」
「意外に堅実」
「意外ってなによ。もちろん手を抜くことはしないわよ? そんなことしたらあっと言う間に50位すら入れなくなっちゃう。今自分が出来ていることを確実にこなし続けることが大事なのよ」
「うん、そうだな。その上で少し手を伸ばして徐々に底上げしていくんだな。俺らにはそのペースが一番合ってるな」
「あたしら天才でもなんでもないし学んだことがすぐに身に着くわけでもないから、地道に地力を付けるのが遠回りなようで近道なのよ」
「焦らず、マイペースだ」
「そうよ。で、あんたの自信の程は?」
「前回38位だったろ? 予想では30位台前半ってとこだな。著しい手応えはないけれど、確実に取れる点は取ったつもりだ」
「あんたも堅実路線のようね。30位台前半の予想をしておきながら焦った風でもないみたいだし?」
「なんかな。今の順位で一喜一憂するんじゃなくて、もっと長期的に見られるようになったからかな。だから中間考査では30位台前半、期末考査では30位前後、2学期の中間考査は20位台のペースで進める計画」
「なるほど。じっくり底上げする感じね」
「もともと俺は長時間の勉強漬けには耐えられないからな。それが出来る奴がTOP10に入るんだろうけど、俺がやったところで頭に入らないし、逆に体を壊す方が怖い。出来る範囲で集中してやるさ」
「彼を知り己を知れば百戦殆うからず、か。その様子だと今のところ順調なようね。でも勝負は勝負よ? 負けないわよ?」
「ははは、わかってるって。ハンデは7。結果は結果として受け止めるよ」
「あれ、あんたもしかしてすでに負けた気でいる?」
「んー、なんだろ。勿論勝負には勝ちたいと思っている自分がいるんだけど、長期的視野に立って腹を括った自分が土台にいて、なんだか落ち着いてられるんだな」
「ほええー、ずいぶん鷹揚じゃないのよ。あんたホントに高校三年生? 枯れてない?」
「なにおう!? 枯れてなんかないわ。俺は若人だぞ?」
「今時の高校生は若人なんて言葉は使わないわよ?」
「そ、そうか。ヤングマンとか?」
「……もういいわよ。さ、着いたわよ」
「諦められた!? いつも通りの人混みだな…… さて探すとするか」
「……んー」
「……お、俺は見つけた。なるほど」
「へえ。その様子じゃ予想通りって感じね。前は掲示板に載るかどうかで気を揉んでたのがウソみたいに余裕ね。あたしは………… あ、あったあった。ふむふむ」
「お前も予想通りっぽいな」
「ふふーん。じゃあいくわよ? せーのっ」
「32位」
「16位」
「わはははは、ぴったりダブルスコアじゃん。ハンデ7どころかハンデ10でも全然足りんかったな。降参だ!」
「ふふふ。今回もあたしの勝ちね。まだまだ負けないわよ。でも、あんた目標通りに順位を上げたわね。すごいじゃない?」
「おう。この先も気を抜かずにいくぜ? 今のままだとギリギリ届いてないからな。目指すは20位台前半だ」
「その意気ね。あんたに比べてあたしは1つしか上がらなかったわ」
「と言う割にはお前もいい顔してるじゃん?」
「あたしはこれをキープし続けられればいいからね。さっきも言ったけど下手に上位を狙いすぎて調子崩してもしょうがないし。ともかく、勝負は勝負、あたしが勝ったんだからまた一つお願いをきいてもらうわよ?」
「なんなりと」
「んー? あまりにもすんなり受け入れられると勝った気がしないわね」
「アー マケテ クヤシー ナー」
「やめろ。それはそれで腹立つわよ」
「ではお願いをお聞かせいただきましょうか?」
「じゃあね。まだ先の話なんだけど、夏休みってなんか予定ある?」
「夏休みかー。んー、今のところは特に無いな。受験勉強があるからお盆もこっちにいるし。爺ちゃんも勉強を優先しろって言ってたしな」
「わかったわ。で、あたしも勉強優先なんだけど、やっぱり息抜きも必要じゃない?」
「それはもっともな意見である。何か計画でもあるのか?」
「そのね、海に行きたいなって」
「ほほう、海か。毎年家族としか行ってないから、家族以外と海に行くのは新鮮かも」
「へーーー、友達とかと行ったことないの?」
「高校に入ってからは無いな。そもそも俺の友達はインドア派が多いから海に行こうという発想がない」
「そ、そうなのね。じゃあ女の子と行ったことなんて」
「あるわけがない」
「ふ、ふーん。そうなのね」
「多分今年も家族で行くはず。毎年二泊三日で行ってるんだよ。二日目は丸一日朝から晩まで海で遊べるから最高だぞ」
「二泊もするんだ!? いいわねー、楽しそう」
「そうだな…… お前も来ないか?」
「えっ? えっ? いいの? でも家族旅行でしょ?」
「何言ってんだよ、オカンも妹もお前のこと気に入ってるし、一緒に料理したりして随分仲良くなってんじゃん。話はつけてやるからさ、いいよ、来いよ」
「で、でも」
「デモもストも無い」
「に、二泊三日っていうとかなりのお金がかかると思うし……」
「いいからいいから。親父の会社が契約してる保養所を使うからめっちゃリーズナブルだし、お金のことは心配すんなって」
「じゃ、じゃあ後でいいから予算を教えてね」
「わかったよ。でもホント心配すんなよ。料理の先生やってもらってんだし、俺の成績がすげー上がったのもお前のおかげだし、家族はお前に感謝してるんだよ。だからお前が困るようなことには絶対しないから」
「え、ええ。わかったわ」
「あと、お前の親から了解もらっとけよ?」
「そ、そうね、それは大事よね」
「『女子友達の家族と海へ旅行に行ってくる』って言えばウソじゃないだろ?」
「あはは、あんたも悪い男になったもんだねえ。前は心配してたのに」
「いや、そもそもお前が言い出したんだからな? まあ、後ろめたいのはやまやまだけど、オカンとも仲良くなってくれたし、それでもいいかなってな」
「ふふふ、わかったわ。じゃあさ、あたしからのお願いは『あんたの家族と海旅行に一緒に行きたい』でいいかしら?」
「拝承」
「うん、よろしくね!」
「うまく親に説明してくれよ?」
「そうね、なんとかするわ」
「いい答えを期待してるぞ」
「まかせて!」
我が家はオカンと妹が賛成すれば決定事項になるので問題無い
どんどん家族になっていく




