神様っているのですか?
信じる者は救われる。
(今回短いです)
「しかし、よくもまぁこんだけ買い込んだな」
「今日は荷物持ちがいたからいっぱい買えたし」
「腕、パンパン」
「ホント体力付けなさいよ。そんなんじゃ乗り切れないわよ」
「何を乗り切るんだよ」
「青春を輝かせるんでしょ? あたしが手伝ってあげるから頑張んなよ?」
「お前一個も荷物持ってないのによく手伝ってあげるとか言えるな。清々しいまでの言動不一致」
「はい減点。女子に荷物を持たせようなんて大減点よ。赤点確定よ」
「おい、まだ持ってくれとか言ってないぞ」
「あーのーねー、そう思わせるような素振りだけで減点なのよ。もし直接的に言おうものなら留年ものよ」
「なかなかの試練だな」
「あたしがいなきゃ、そんなことにも気付けなかったってことでしょ? 我を敬い崇めたまえ」
「神にでもなるんか?」
「そのうち神だと思うようになるわよ」
「そうか、それは楽しみにしてるさ」
「あら、素直ね?」
「俺は元々素直なんだよ? だから言われるがまま可愛いお前に俺の青春を捧げている」
「ちょっ!? そ、そ、そんなストレートにぶつけられると」
「けけっ 赤くなってる」
「うううううううるさい!」
「なぁ。ホントお前って可愛いよな」
「やめやめやめやめやめろう! 優しい目で見るな! ぎゃあああああああ!」
「多少口は悪いけど、お前といると楽しいし、安心する」
「ぎゃあああああああ!」
「おちょくると反応面白いし」
「あたしで遊ぶなああああ!」
「すぐ叫ぶし」
「うぐっ!? ううううう」
「表情がコロコロ変わるところもいい」
「うう」
「飽きない」
「おもちゃじゃないっ!」
「おもちゃなんかだなんて思ってないよ。おもちゃってのはいずれ飽きる時が来る。でもお前は絶対に俺を飽きさせない」
「ううう」
「照れて困った顔も庇護欲をかきたてられる」
「……」
「だから、さ?」
「な、な、なによ?」
「そんなお前にお願いがあるんだ」
「おおおおおおおお願いってななななによ?」
「心からのお願い」
「わわわわわかったから早く言いなさいよ」
「じゃぁ言うよ。よく聞いてね」
「は、はいっ」
「俺さ」
「はいっ」
「実はさ」
「はい……」
「やっぱ腕、辛くってねー。ちょっと荷物持ってよ。いやーホント重いのなんぐえええええええええええええええええええ」
なぜか意識が遠のく中、神を見たような気がする
救われた?