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母の日の手紙

作者: ミソ3

 僕の名前は三郎。


 今日は母の日。


 何か贈り物を贈りたいが、今は東京にいるし、実家は北海道だし……。


 何かできることはないだろうか……。


 そうだ! 手紙を送ろう!


 こっちに来てから1ヶ月半。色々あったからな。その報告と、日頃の感謝を手紙にしよう。


 俺は机に紙を広げ、シャーペンをとった。


「ん〜。手紙書こうと思ったはいいが、何から書こうか……」


 俺はペンを握ったまま頭に手を当てて悩んだ。


 そしてゆっくりと書き始める。


「やっべ。お腹いっぱい。苦しい……」


 ちょうどさっきまで焼肉を仲間と一緒に食べて来たところだ。しかも夜遅くなって急いで帰って来たから横っ腹が痛い。


 俺は雨の降る5月13日の夜に、お腹と頭を抑えながら唸っていた。


「ん〜……なかなか進まない……」


 書き始めて15分くらいだっただろうか。いろんなことを思い出しながら書き進めて来たけど、書いててなかなか恥ずかしいこと書いている気がしないでもない気がする。


 まぁ俺はそう言うことをすんなり言えるのが長所でもあるんだけどね。


 書き進めること30分。


「よし! 出来た! 後はこれをたたんで……っと」


 手紙は4つ折りにして俺の好きな色の緑の手紙用封筒にしまった。


 ……


 ……


 あっ! しまった。今書き終わっても送れないじゃん。(笑笑)


 しゃあない。写真送って、実物はあとで送ろう。


 カシャっ!!



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 母へ



 こんばんは。三郎です。東京に来てもー1ヶ月半になります。すでに3回風邪をひきましたが、取り敢えず元気にやっております。


 何から書けばいいかわかんないけど、思ったことをかたっぱしから書いていくね。


 こっちに来て、母さんが面倒見てくれなくなって気づいたことがたくさんあります。


 それは家事の大変さです。洗濯だけなら部活の遠征でよくやってたからなんてことはないんだけど、それに加えて弁当箱洗い。部屋の掃除。風呂掃除にゴミ捨て。毎日これをやるのがすごく大変で、朝早く起きて弁当作って、夜遅くまで家事をしていた母さんのことを思い出します。


 あと、風邪をひいたときは俺の連絡にすぐに答えてくれて、聞いてもいないところまで教えてくれて……。なんかすごく嬉しかった。


 東京に出発するとき、俺がさっさと行っちゃうから別れを惜しむ暇もなかったって言ってたらしいね。

 でも俺は、椅子に座って飛行機待ってる間に泣きそうになってたさ(笑)


 この前母さんが久々に作ってくれたチャーハンはやっぱこっち来て食べたどの料理よりも美味しかったよ!

 今年もジャム作ったら送ってね!


 恩返しにボケを防ぐためのクイズを出します。


「たちつみと」ってなぁ〜んだ?


 ヒントと答えは知りたかったら俺に連絡ちょうだい!


 それじゃ。取り敢えず1年間頑張ってきびしい都会生活を耐えれるように頑張ります!


 いつもありがとね! これからもよろしく!


  三郎


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 母さん。喜んでくれるかなぁ……


「にしても口内炎が痛ぇ」



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― 新着の感想 ―
[良い点] これは作者様の実体験を文章にしたのかな?って思うくらいに描写にリアリティがありました。 主人公の、時には真面目で不器用な感じ(手紙を写メで送る辺り)が伝わってきました。 自身の気持ちと少し…
[良い点] 読んでいてほっこりしました。 [気になる点] 写真カシャリで手紙の内容送ったなら、後で手紙郵送する必要ないのでは? きれいに撮れてないから、とか? それともモノを送ることに拘ったのでしょう…
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