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バリスとアンジェラの関係のネタバレ有りです。


205年夏上期3日


本日から人間の若い女の間で流行っている日誌を書くことにした

日誌という物を書いた事がない私は、何を書けばいいのか分からないが、可愛い妹のバリスが勧めて来た物なので断れなかった。


今朝はパンを少しとミミスのスープを食した。

昼はバリスが届けてくれたモクラを挟んだサンドイッチ。

夜は焼きサハと今朝の残りのミミススープだった。


ーーーーーーーーーー

205年夏上期4日


本日は13体の獲物が届けられた。

村の奴等は我先にと、追いかけ回していたそうだ、私の部屋まで奇声や断末魔が聞こえた。その中でバリスは必死に我慢していたが…やはり本能には勝てなかったようだ…。


ーーーーーーーーーー

205年夏上期5日


昨日のご馳走に満足したのか、奴等が大人しい。

獲物は月に2、3回送られてくるが、数はバラバラだ。

昨日も獲物の取り合いで3人死んだ。

バリスが無事で良かったと思う


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205年夏上期6日


バリスが楽しそうに人間の世界の話をしていた

人間の世界には、甘い『お菓子』というものが有るそうだ

少し興味が湧いた


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205年夏上期 7日


バリスが泣きながら帰ってきた

理由を聞いても話さない。

だが、検討は着いている。

また人間に苛められたのだろう

何故あんな奴等と仲良くしようとするのか、私には理解ができない。

バリスが人間に負ける筈がないのだが、いつも傷だらけで帰ってくる

バリスは何故やり返さないのだろうか。人間なんて殺してしまえばいいのに



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205年夏上期 21日


日誌を書いていない事をバリスに怒られた。

「忘れていた」と言ったが、嘘だ。

本当は書くことがないからだ



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205年夏上期 22日


バリスが人間を連れて来た

直ぐに戻してくるよう言ったが、バリスはそれを拒否した。

バリスの食欲が湧かない人間は初めてだったようだ。だけど、バリスは浮かれ過ぎていたのだ。

人間の匂いに気がついた奴等がいまだにドアの前にいる。

バリスの友達『こじろう』は、無事に帰れるだろうか。



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205年夏上期 25日


バリスと私が目を覚ますと、こじろうの姿が無かった。

家の外も調べたが、血痕らしきものは無く、奴等がバリスに積めよって来た感じからすると、こじろうは無事に帰ったのかもしれない。

バリスはまだ泣いている。



205年夏上期 26日


バリスがこじろうを探しに行ったきり帰ってこない。

何か事件にでも巻き込まれたのかもしれない。

日誌を書く気分では無いが、もし明日バリスが帰って来た時、怒られそうなので書くことにした。



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205年夏上期 27日


バリスが帰って来た。

こじろうの所へ行っていたそうだ。

こじろうは私達姉妹がこの村に居づらくなることを案じて外が静かになったすきに黙って出て行ったそうだ。

バリスはこじろうの無事を喜んでいた、だが私は少し寂しくなった。



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205年夏上期 35日


バリスは今日もこじろうの所へ行った。

最近は私と一緒にいる時間より、こじろうとの時間のが長い気がする。

私は妹にまで見捨てられるのだろうか



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205年冬上期 8日


全く日誌を書いていなかった。

書く気なんておきなかった

バリスはあれからもずっとこじろうの所へ行っている

帰ってこない日も増えた。

そろそろ、バリスを楽にしてあげよう



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205年冬上期 11日


久しぶりに帰ってきたバリスは少し痩せていた。

それなのに、帰って来てからずっとご機嫌だ

こじろうとの仲は良好なのだろう。

明日、バリスを解放しよう。



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205年冬上期 12日


興奮で手が震えうまく書けない

目が覚めたらバリスを解放するつもりだった。

だが、目を覚ますとバリスが私の横でスヤスヤと眠っていた

一緒に寝る事など、もう何年も無かったのにどうしたのか、と不思議に思ったが その訳は布団の中の違和感ですぐに分かった。

もう何年もそこに存在しなかった筈の私の下半身がそこにあったのだ。

バリスが目を覚ますまで私は固まったまま動けなかった。

それからバリスに今までの事を説明してもらい、こじろうの元へ初めて姉妹で訪問した。

まぁ、私は村を出ることすらも初めてだったのだが。

こじろうの家は、人間達の住む場所とは離れた山の中にあった。

突然訪問したにも関わらずこじろうは、いつもの優しい笑顔で私達を招き入れた。人間は破滅しか生まない物だと教えられ育った、こんなにも優しい人間が存在する事など知らなかった。人間と私達が仲良くできる事も知らなかった。そして私がまた歩けるようになるなんて今まで考えた事も無かった。

全て、こじろうのお陰だ。

もしかしたら、人間はそう悪いものではないのかもしれない。

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