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次が私がいた場所は、地下室だった。

そこは私が10年以上過ごしてきた場所。出たく出たくて仕方なかった場所だ。

小さい頃の私は、目をつむって、まだぐったりしていた。

「アナタ、どうするの!?」

「まさかコイツが生き残るとは…」

秋津は、どうやら私が生きていると跡取りの権利が無くなると思っていた。それもそうだ。百合川財閥の社長が亡くなったら血縁者である私が跡取りになる。

「………そうだ。コイツは亡くなったことにしよう」

「どういうこと?殺さないの?」

「10年くらい経つと、コイツもいい女になるに違いない。そしたら闇オークションで売るんだよ。そしたら物好きが亡くなった女が実は生きてるっというのを好んで買うだろ?きっと亡くなったと思われてるから、相当高く売れるぞ」

さすがの秋津の奥さんもビックリしていた。

「アナタ、本当にやるの?」

「ああ、ここに使用人は絶対誰も入れない。世話は…怜斗にやってもらおう」

「でも、あの子は、まだ8歳よ?」

「大丈夫だろ、怜斗も財閥の息子になるんだ。それくらいわからせないとな。」

秋津と秋津の奥さんは、その場を後にした。私も秋津と秋津の奥さんについて行った。

お屋敷の中はドタバタしていた。なにしろ、財閥の社長が亡くなってしまったからだ。西原なんか顔が真っ青になっていた。

〈あれ、ここどこだろ?〉

小さい頃の私が目を覚ましたようだ。

私はもう一度地下室に行った。

地下室に近づくにつれて、小さい頃の私の声が大きくなっていた。

私は地下室に入った。

「お母さん!お父さん!どこ!?」

──ドンドン。

小さい頃の私は力強くドアを叩いていた。

「ねぇ…おかぁ、さん。おどぉさ、ん……ヒック」

鼻声になり、ドアを叩くのをやめ、小さい頃の私は泣き始めた。

私はまた光に包まれた。



次は真っ白な世界に居た。

──ザッザ。

ノイズの音がした。下に小さい頃の私が映し出された。

(これはあいつ…怜斗と会った時のだ。)

私と怜斗は仲良く遊んでるところが映し出された。



──二人だけの秘密だよ!



なんて言っていた。あの頃は、まだ仲が良かった。

画面が変わった。

次は私が10歳くらいの時だ。

そうだ、この時から私を気持ち悪がるようになったんだっけ。ご飯だけ置いて、逃げるように私から離れていったけ。

また、画面が変わった。

次は13歳くらいの時かな。この時から、罵声を浴びるようになったんだっけ。この時から私の心は、ボロボロになってきたんだっけ。

また、画面が変わった。

次は私が15歳くらいの時だ。この時から、暴力的になったんだっけ。



──オマエはオレの命令を聞いてればいい!!



こんなふうに言われたこともあったね。



──オマエは俺の犬だ!



昔は一緒に遊んでたのにね。



──オマエなんか生まれてこなければよかったんだよ!!



なんで、こんなこと言われたんだろうね




──オマエ、生きてる意味あるのか?



あなたの両親が私を生かしてるんだよ。



──オマエって俺に逆らえないもんな?



違う、逆らえないのはあいつの方だ。

私が売られる前に返してもらわないとね。



──奪われた、自由と地位を!



取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!取り返す!

もう一人の私がクスクスと笑う。



──そうだよ、取り返さなきゃ。あなたを生かしていた意味が無いもの。






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