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6.『場』と『役割』について(1)


(1)『場』について


 まず、言葉の定義しておきたいと思います。

 人間の行動に於ける思考放棄の第1段階として『言葉を正確に定義せずにイメージで捉える』という事があると思います。


 labelingによる思考停止への誘導ですね。

 他者による誘導以上に、自分自身で其処へ自分を誘導する事が多いでしょう。

(だって人間、本質的にめんどくさい事は嫌いですからねぇw

 それが科学技術を向上させるので、『面倒臭がりは悪』と言い切れないのが困ります)


 括弧内で“また”話がずれました。 すいません。


 話を戻して、まずは『場』を定義しなくてはなりません。

 とは云え、私も素人ですので乱暴に定義するなら『場』とは『物理的、関係的に閉じた空間』としか言い様がないのです。


 そして人は、その“関係的に閉じた空間”即ち“何らかのグループ”に自己の存在位置を求めます。


『帰属欲求』という奴です。


 人間は円環や閉じた空間に安定を感じるとの事です。

 これは『自由からの逃走』でおなじみのエーリッヒ・フロムなどが説いています。

 


 これから示すのは、それについての例です。

 またまた、日本版ウィキペディアからの引用で恐縮ですが「これは分かり易い!」と思ったので引用します。

 以下をご覧下さい。


  〕〔 〕〔 〕〔 〕〔


 上の図を見て、この括弧をふたつひと組ずつに分割して下さい。

 長くても5秒ぐらいで切り上げて下さいね。

 なお、****から下は最初は見ない方が良いかと思います。




 ********************************


 さて解答です。


 〕〔  ← すぐに、これでひとつのグループと分類できるのは、普通は難しいと思います。


〔  〕 ← 普通はこうなっちゃいますよね。


 もしかしたら和泉さんはご存じだったかも知れませんね。

 唯、普通の人には無理だと思います。

 私も過去にこの図を見ていなければ確実に下を選んで、違和感を持ちつつも両端を切り捨てていたでしょう。 


「だって、そんなの日常の約束事だから仕方ない」と言う方が大多数だと思いますが、その『約束事』こそ、が思考を停止させてしまう条件だと私は思うのです。


 つまり『場』とは“これ”なのではないでしょうか?


 慣習、約束事の世界であり、身も蓋もない言い方をするなら『集団心理』です。

 真面目な人ほど、ナチスに染まりやすかった、と云うのもこの事だと思うのです。

 となるとミルグラム実験、監獄実験も“同じ条件”である“約束事”が存在する事になるのでは無いのでしょうか?


 ミルグラムの場合、被験者は最初に「報酬」を受ける「契約」を結びました。

 スタンフォードなら、学生というエリート達が『研究』という目的意識を持って行動し、しかもサングラスを掛けることで素顔を隠して自分を不特定多数の何者かに埋没させました。

 命令する教授が行動の全て責任を取ります。

 彼等に行動の責任はありません。

 

 自分の中で責任を追及されずに、目の前の仕事に打ち込む。

(最初は)何と気楽な事でしょうか。


 話がややずれますが、軍でも大きな命令する上官と引き金を引く下士官や兵士は基本的に別です。

 これは心理学的に殺人の責任を分担軽減していると考えられます。

「私は命令したが、殺してはいない」

「自分は殺したが、命令に従っただけだ」という訳です。


 これらは突き詰めると仕事の「約束」、「契約」、ひいては『社会契約』の考え方です。

 欧米でならば、ロックの理論ですが、それに限定するとこの様な現象は文明社会でしか起こらない事になりますが、それは有り得ません。

 非文明社会には、また別の理論が有る事は『金枝篇』を読めば分かります。

 人は集団生活を行う上で、何らかの『社会契約』を必ず結んでいるのです。


 要するに、人々は『場』に於いて、それから逸脱してはいけないのです。

(正しくは、“いけないと思い込む”のではないでしょうか?)

 

 自分の職場を振り返って見て、そこでは当たり前だが、少し自分を客観化して世間の一般人となって見た場合、

『あれ? 世間的にちょっと変じゃない?』と思う事柄はありませんか?

 これはどの職場、どの会社、地域にもひとつぐらいはあると思います。

 その“おかしな事”が『約束事』として『場』に於いて一般化すれば、どんな異常も異常では無くなります。


『無いよ』、と言う人は、人も職場も危ないと思います。

 自己の客観視が出来ていない、と思うのです。


 一例を挙げるなら旧日本軍のセクショナリズムはこれが極端に現れ、同じ品を陸・海軍で共にライセンス生産するにも拘わらず、両方が相手との強調を嫌って別個に特許料金を二重払いしたという事実があります。

 端から見れば馬鹿げた事であることは明確ですが、彼等は大まじめにこれを行ったのです。 



 現在の例ですと、アメリカの子供達の間では独善性から来るスクールカーストが生まれると、下層の者は酷い苦労をすると聞きます。

 集団心理は、一旦“常識”と決めた事を頑なに守ろうとするのです。

(これは例として適当でしょうか? 結構深刻な問題とも聞きましたので、一応上げて見ました)


 日本ですと同じものとして『虐め』ですね。

 ターゲットが決まるとそこに理由は存在しません。

 あってもとても薄弱な理由であり、「為に」行動を起こしている、と言えます。

(世界中何処でもあると思いますが、これも“取り敢えず”です)


 あと、自分の経験から言わせて頂けるなら、

 男の子は自分より「大きく劣る者」か「少しだけ」優れた者を虐めます。

 完全に強い者には絶対に手を出しません。

 女の子は「嫌い」と決めてから理由を見つけるパターンが多いように感じます。


 私の偏見も此処に極まれり、ですね。(怒られるかな?)



7つにと書きましたが、他の方が読みやすいように6を『場』と『役割』の二つに分けます。

ご容赦下さい。

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