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5.実験の問題点

 ちょっと本質からずれますが実験時に於いて『役割』についての疑問が生まれました。

 答えに係わるかもしれませんが、私にも結論が出ている訳ではないので此処は読み飛ばす程度でお願いします。


 刑務官の様な虐待に繋がり易い役割は、先進国ならば、かなり厳しいコントロールの下に教育されます。

 つまり、ジンバルドー教授は『権力』を甘く見ていたのです。

 しかし、問題は監修監督として実際の刑務官も付いていた筈なのに何故この様な事が起きたのか疑問なのです。


 この実験が元となって各国で何らかの改善があった訳ではありません。

 少なくとも私は今までその様な資料に辿り着いた事はありません。

 例えば日本では、戦前から刑務官が囚人に制圧行為を行う事は厳しく制限されていました。


 昔のヤクザ映画などで看守が囚人に暴力を振るうなどは、まずフィクションでしょう。

(これは調べた結果、私の間違いの可能性が高いと考えられます。

 後書きにてお詫びを申し上げます)

 一度名古屋で暴力が大きな問題となりましたが、『それだけ大問題になる』と言う事は厳密に禁止されている事の証明と言えます


*修正:上記の刑務所及び名古屋刑務所の記述にも大きな間違いがあります。

   お詫びを最後に入れると共に、此処でも『監獄実験』的問題が起きている

   事実を確認しておきます。 

   但し、法的に厳密に禁止されていることは当然間違いありません。


 戦前の脱獄王、白鳥由栄(よしえ)の脱獄の原因のなった『侮辱的扱い』というものも、収監時に人前で叱責される(これは当時の日本人の感性では相当な屈辱であった)程度のものであったそうです。


 要はジンバルドー教授にこそ最も大きな問題があります。

 普通の人間(しかも20才そこそこの学生)にいきなり強大な権力を与えれば、それに呑まれるのが当然なのです。

 密閉空間で素人に他人の寝食まで左右させる権力を与えるという事は、5歳児に実弾入りの拳銃を与えるのと何ら変わりません。


 ただ1971年当時の人々(白人エリート層)の感性が私には分かりません。

 そして一番の謎なのですが、囚人役は僅か2日目に暴動を起こしたと言います。

(看守による暴力がなかったにも係わらず、です)


 一説によると被験者はいずれも学生ですので、互いに顔見知りであり囚人役が看守役をかなりからかった事で、看守役に必要以上の攻撃心が生まれたと言われています。

 ドイツ映画「es(実験)」はこの説を採用していますが、私は不確定な要素には組みできませんので、こればかりは疑問が残る、と述べたいと思います。


 ジンバルドーは結論として、以下の様に述べています。

(日本版ウィキペディアより)

権力への服従

    強い権力を与えられた人間と力を持たない人間が、狭い空間で常に一緒に    いると、次第に理性の歯止めが利かなくなり、暴走してしまう。

非個人化

    しかも、元々の性格とは関係なく、役割を与えられただけでそのような状    態に陥ってしまう。



 と言っていますが、そんな事はやる前から判り切った事です。


 この人は『絶対権力は絶対に腐敗する』という”権力の最低原則”すら知らなかったのでしょうか?

 (この『結論』を読んだ時だけは、失礼ながらこの人物に本当に教授号があるのかどうか怪しんでしまいました)


 また、エーリッヒ・フロムは実験の前提条件から、

『この実験の結果は一般化できるものでは無い』と弾劾しています。


 そして、私もその通りだと思います。





お詫び:名古屋刑務所に於いての事件は軽い制圧ではなく「殺人」にまで発展しております。

これは被害者の方への冒涜に当たりますので謹んでお詫び致します。

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