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終わりの呼び名
交わることのなかった視線が、小さな願いにも似た嘆きの声を拾って真っ直ぐに向けられていた。
「…誓ってやってもいい。例え世界がひっくりかえっても、私はアンタの味方だ。だけど、私は一緒にはいけない。」
それは、ずっと探してきた言葉だった。
そして、ずっと避けていた言葉だった。
返事の代わりに頷いたまま、俯いた頬に白い掌が添えられる。自分の手よりずっと小さくずっと細い。この握ったら折れてしまいそうな手にどれだけ助けられただろう。だから、その温かな指が握りしめたモノくらいは守りたくなった。それが、例え自分の嫌いなものでも。
「 」
音もなく告げられた言葉に、化け物と呼ばれた一人の少年が微かに笑った。